OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ジェファーソン・エアプレインとの出会い

2009-09-18 10:51:55 | Rock

My Best Friend / Jefferson Airplane (RCA / 日本ビクター)

ジェファーソン・エアプレインは1960年代中頃からのロック全盛期を見事に作り上げた素晴らしいグループでしたが、一般的に言われる「サイケデリックの旗手」というイメージよりは、フォークロックのイカシたバンドのひとつ、というのが私の認識でした。

まあ、今となっては全くの不遜な思い込みとして、額に汗が滲むばかりですが、しかし最初に好きになって買ったのが本日ご紹介のシングル盤ですから、ご理解願える皆様もいらっしゃるに違いない、なんて、またまた独善的な言い訳に終始するわけですが……。

それにしても、この「My Best Friend」は軽快なビートと力強い生ギター、ちょっと気だるいコーラスで歌われるホンワカした曲メロ♪♪~♪ 蠢くエレキベースにソフトでジャズっぽいエレキギターも抜群の彩りという、極言すれば「夢のカリフォルニア」でお馴染みのママス&パパスと似たようなフィーリングの、実に素敵な名曲名演です。

ご存じのようにジェファーソン・エアプレインはサンフランシスコを本拠地に、1965年頃から本格的なレコード契約を得て以降、メジャーな活動を繰り広げたわけですが、もちろんメンバーの出入りは今に至るも相当に激しく、それは幅広い音楽性を表現出来る実力者達の集まりを証明するものでした。

で、この「My Best Friend」はジェファーソン・エアプレインの公式では2枚目のアルバム「シュールリアリスティック・ピロー」からのカットですが、おそらくは我国独自でしょうか?

まあ、それはそれとして、ジェファーソン・エアプレインと言えば大ブレイクのきっかけとなった「あなただけを / Somebody To Love」があまりにも有名で、昭和42(1967)年当時の日本でもラジオから流れまくりましたし、GSでも多くのバンドが演目にしていたほどの人気曲でしたが、そこで聞かれたイケイケの力強さとは些か趣の異なる「My Best Friend」での夢見るような心地良さも、ジェファーソン・エアプレインの大きな魅力だと思います。

特にサイケおやじは、もう、リアルタイムのラジオで聞いた瞬間、シングル盤を買わずにいられないほど、気持が高揚しましたですねぇ~~♪ 本当に幸せな気分になれるんですよ。多少なりとも英語が分かるようになって知る歌詞の世界も、「時が流れても、ずっとあなたと一緒にいる」と歌われる内容が、当時の「ラブ&ピース」や「フラワージェネレーション」そのものでした。

ただしジャケットのサイケデリックなムードと「爆発する~」なんていうキャッチコピーに期待すると、このA面曲は肩すかしでしょうね。

ちなみに、この曲を発表した頃のジェファーソン・エアプレインは、マーティ・バリン(vo)、グレース・スリック(vo)、ポール・カントナー(vo,g)、ヨーマ・カウコネン(g)、ジャック・キャサディ(b)、スペンサー・トライデント(ds) という、一番有名なメンバーが揃っていた時期でした。しかし、このグループが凄いのは広い人脈というか、仲間意識の強さを持って、あえて垣根を作らない姿勢かもしれません。

実はバンドの紅一点として大看板の女性歌手だったグレース・スリックは本来、ジェファーソン・エアプレインの前座バンドだったグレイト・ソサエティから移籍の経緯がありますし、この「My Best Friend」にしても、前任ドラマーだったスキップ・スペンスの置き土産だったのです。

当時の最先端だったヒッピー文化は自由主義と連帯のバランスが微妙に混濁していたのですが、その一翼を担ったジェファーソン・エアプレインにだって、グループ内部の人間関係やマネージメントについてのゴタゴタが当然ありました。しかし、その真相は知る由がなくとも、何かしら理想的なイメージや現実の厳しさを良い方向のベクトルで表現出来たバンドだったと思います。

と言うか、若き日のサイケおやじには、ジェファーソン・エアプレイン的な生き方が、それなりに魅力的に思えたのです。

そしてジェファーソン・エアプレインの他の楽曲を聴き進むにつれ、ますますグッと惹きつけられたのは言うまでもありません。

例えば、このシングル盤のB面に収められた「White Rabbit」は、エレキギターのエキゾチックなイントロからして最高♪♪~♪ まさにジャケットにある「爆発する~」は、こっちですよ。ちょっと中近東~インドあたりのムードが強い曲メロ、だんだんと力強く盛り上がっていく歌と演奏! 実にアブナイ雰囲気も満点ですが、これは当時から悪いクスリと関係する云々が伝えられていましたですねぇ。

う~ん、そう言われれば、なんとなく……、ではありますが、特筆すべきはジェファーソン・エアプレインの演奏能力の高さだと思います。荒っぽさと繊細なフィーリングが見事に両立した場面の連続は、ライプでも尚更に強い印象を残しているのが、様々な音源や映像で楽しめ.るとおりです。

私は残念ながら、ジェファーソン・エアプレインのライプには接したことがありませんが、それでも同じ時間の中で、このグループに出会えたのは幸せだったと思っています。

最後になりましたが、グループに去来したメンバー各人が残した自己リーダー盤も魅力的なアルバムが多く、そこにはロックでありながらフォークやブルース、そしてポップスの美味しいエッセンスがテンコ盛り♪♪~♪ もちろんそれらがジェファーソン・エアプレイン名義になると、ますます強烈な輝きに満ちていくのは、ゴッタ煮の味わいに加えて、理想的な共同体意識の成せるところかもしれません。

やっぱり最高のバンドです♪♪~♪

コメント (2)
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