OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

何時も熱血、ヴァン・モリソン!

2008-04-05 17:34:59 | Rock

ちらほら桜が開花していますが、花が咲いていない桜の樹は意外なほどに目立たないと思います。桜が咲いて初めて、あぁ、ここに桜の樹があったのか……! と気がつくところが、また美しい♪

ということで、本日は――

Tupelo Honey / Van Morrison (Warner Bros.)

小柄な体躯で熱血ソウルを歌う、ベルファストのカウボーイことヴァン・モリソンが1971年末に発表した大傑作アルバムです。

日本での発売は確か翌年だったと記憶しておりますが、当時はNHKのFMラジオ放送でアルバムを丸ごと流すという豪気な番組があり、けっこうエアチェックもしていたんですが、私はそこで初めてこの作品とヴァン・モリソンに接し、歓喜悶絶したのです。

それは全篇が強烈なソウルフィーリングに満たされ、ゴスペルロックとかストーンズっぽいノリに加えて、流行っていたカントリー&スワンプロックの香りも高い、全く私好みのスタイルでした。

ちなみにヴァン・モリソンはアイルランドはベルファスト出身の歌手で、1960年代にはゼムという真っ黒なロックバンドで「Here Comes The Night」や「Gloria」という永遠のヒット曲を放っていた実績は、後に知ったことです――

A-1 Wild Night
A-2 Like A Cannonball
A-3 Old Old Woodstock
A-4 Starting A New Life
A-5 You're Woman
B-1 Tupelo Honey
B-2 I Wanna Roo You
B-3 When That Evening Sun Goes Down
B-4 Moonshine Whiskey

――まず、なによりこのアルバムが私を驚愕させたかといえば、それは冒頭の「Wild Night」です。ラジオからこの曲が流れてきた瞬間、うっ、これは! なんとイントロのリフがまるっきり、当時の我国で大ヒットしていた南沙織の「純潔」だったのです!!!

さらにヴァン・モリソンのバージョンは、イントロからのリズムギターのノリや曲の構成が、同時期のストーンズにクリソツの雰囲気! これをもう少しルーズに展開したら、ストーンズが演じていても不思議じゃないと思いますねぇ。ヴァン・モリソンのアクの強いボーカルはミック・ジャガー以上に毒気があります。

あぁ、「Wild Night」のストーンズバージョンを聴いてみたいもんです。

他にもゾクゾクするようなゴスペルロックの「Old Old Woodstock」や「You're Woman」、タイトル曲「Tupelo Honey」での熱い歌いっぷりにはジンワリと感動♪ まさにブルーアイドソウルの傑作でしょう。

またカントリー&スワンプロックでは「When That Evening Sun Goes Down」が、そこはかとない日常を歌ってゴキゲン♪ 間奏のスライドギターもたまりません。同じ様な「Like A Cannonball」は厚ぼったいヴァン・モリソンのボーカルと暖かいコーラス&曲調のミスマッチが良い感じ♪ 素朴な「Starting A New Life」もアクの強い歌い方が逆に素敵です。

アルバムのプロデュースはヴァン・モリソン本人と当時はワーナーの社員だったテッド・テンプルマンが担当したことで、なかなかアメリカっぽい仕上がりで、バックの演奏を担当した面々の中にはハードロックの隠れた人気者というロニー・モントローズ(g)、後にドゥービー・ブラザースに入るジョン・マクフィー(g)、MJQのコニー・ケイ(ds)、さらにフュージョン系のビル・チャーチ(b) の参加が注目されます。

しかし全体としては、なんともいえない特異なソウルフィーリングがあって、それはアイルランドの香りなんでしょうか?

そして一発でシビれた私は、これ以降ヴァン・モリソンを追いかけていくのですが、フッと気がつくと、実はザ・バンドの傑作アルバム「カフーツ(Capitol)」に入っていた大名曲「4% Pantomime」でリチャード・マニュエルと熱すぎるボーカル対決を演じていたのがヴァン・モリソンでした。機会があれば、これもぜひ、聴いていただきたいところです。

ということで、実は本日、街でネタの仕入れをしていたら、紙ジャケット仕様のCDを発見して即ゲット! なんとリマスターで音質が素晴らしく向上していました♪ どうやらCD盤そのものの材質にも改善があったようですが、まあ、中身の素晴らしさはそんな事を凌駕しているわけですが!

あぁ、ヴァン・モリソンを聴ける幸せ♪

ヴァン・モリソンを聴くなら、最初はやっぱり、このアルバムでしょう。また、これ以前の作品は意外なほどにジャズっぽいので要注意です。そのあたりもいずれ取上げたいと思いますが、紙ジャケットのCDが出ないかなぁ~♪

コメント (2)
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