ZZR1400GTR's Tagebuch(日記)

主に独逸・墺太利・瑞西・南チロルの欧州事情を発信。

GW 珍道中

2009-05-21 19:17:00 | ZZR1400

出張1日目に、アポ近くのイタ飯屋さんの道路沿いのテーブルで昼ごはんを食べました。結構、クルマの量が多いのですが、皆、お天気が良かったので、ニコニコしながらランチしていました。

バイクは超大型でも、「バイクはバイク」で、歩道の上に楽々駐車できました。正規の路上駐車のスペースが満杯な状態の中で、それでも駐車できるのは、バイクの特権(?)ですね。ただ、外でランチしていたほぼ全員が、

①バイクの大きさにビックリ

②バイクが数メートル、自走でバックしたのでビックリ

③お面(メットのこと)を取ったら東洋人なのでビックリ

腹巻(腰痛防止のライダーご用達の腰ベルト)を外し、メットにワイヤー錠を通し、ノートPCを取り出し、いろいろと支度に時間がかかってしまいました。

チラチラ観られているだけならまだしも、40人位の人の中には下品な人も居て、「ありゃーなんだ」、「おっ、あそこの中華屋(停めた場所がたまたま中華飯屋さんだっただけ)のオヤジか?」、なんて大きな声も聞こえて、ご飯を注文して出てくる間の良い暇つぶしだったようです。

 


我が家にGWがやって来た

2009-05-19 23:23:26 | ZZR1400

我が家にGWがやって来た、は、我が家にGWをもって来た、ですが、来月の始めまで乗ることになりました。乗るのは今回が初めてです。まず、スイッチが多い、多い。何が何だか見当が付き難く、乗り出しの際に専門家に、「ここはこれこれ、それはこれこれ」と、ご教授頂きました。

荷物なし、相方なしの乗り出し1速は、大トルクのおかげで大変、微妙なアクセル・クラッチワークが必要です。左のポケットにはiPhoneが繋げられるコードが出ていて、時速140キロ位まではステレオが楽しめました。直接メットに響いてくる感じは、ノランのメット内蔵スピーカーで聞くのとは違い、新鮮です。

オートクルージングでは、右手の持って行き場に困りましたが、長大な直線路では役に立つでしょう。秀悦に思えたのは、風防の小窓。巨大な風防のおかげで風が当らない代わりに、熱暑ではライダーはサウナの中に居るようになります。最新のGWでも風防を上下させるのは電動でなく手動で、この小窓の開け閉めで冷風を引き込む工夫です。

車載のNAVIは炎天下でも明瞭に見えるのは立派。但し、使い勝手はイマイチだと思います。理由は、タッチパネルになっていない事。停まっている時で無いと操作できなくなるのは、クルマでの車載NAVIと一緒です。安全上の問題でですが、不便だと思います。

最高速はODで200チョイまで試してみましたが、変な振動も出ずに無難な印象です。路面状況の伝わり方は、BMWの1150RT等と比べると、情報が格段に多い感じです。


並走

2009-05-18 06:49:20 | ZZR1400

これはドイツの新幹線(ICE)が並走していた時に、食堂車から窓越しに相手側を撮った写真です。両新幹線共に時速250キロ前後の絶対速度で走っていたはずですが、相対的な速度では相手がゆっくり離れて行って、スローモーションシーンのようでした。撮った後で写真を検証したら、相手方も我々に気が付いてこちら側を見ていたようです。

バイクやクルマで並走すると、例えそれが至近距離での縦走でも、「どっちが速いのか」が、当事者同士では良く分かります。負けてると分かっていても、張り合う価値があれば、つまり勝つ可能性があると思えば更に張り合うでしょうし、勝っていると分かっても、負けるかもしれないと思えば気が抜けません。

まさか、新幹線の運転士同士が張り合う、なんて事はないでしょうが、「今のご時世では何でも有りかも知れない」なんて、撮りながら考えたりしました。

 


CB750Four

2009-05-18 03:43:41 | ZZR1400

今日のショートな峠行で見た CB750Four です。程度は抜群で、しかしハンドル周りに改造が施されていて、「これだとH(History)ナンバーは取れないな」と、見ていました。このバイクは季節ナンバーで、毎年4月1日~9月30日の間の公道走行許可になっています。保険や税金が安くなるからというより、「冬に塩を浴びせない」という錆対策でしょう。

この手のバイクのワンオーナーは稀です。書類の持ち主記載の欄が無くなって(ドイツのクルマやバイクの書類は全オーナーが記載されている)、2枚目の書類であることの「注釈」記載のある書類になっている事も珍しくありません。

何度オーナーが代わっても、名車と呼ばれるクルマやバイクは何度でも生き返ります。蘇生するには時間もお金もかかりますが、それを望む人が居る限り、何度でも生き返る事が出来ます。

1970年代から80年代にかけて、日本製バイクの主要輸出先はアメリカがダントツだった時代で、でもそこは大量消費の権化のような国。広大な野原のような敷地に古くなったCBやZが、何百台規模で捨てられて野ざらし状態だったと聞きます。雨がほとんど降らない場所にあったバイクの内、比較的程度の良かった数千台規模が、鉄クズ値段で欧州へ引き取られて行って、再生されたバイクの1台かも知れません。

バイクはフレームの書類とナンバーの刻印場所さえ残っていれば、他は全部後で作ったパイプ部分だろうが、社外部品で固めようが、安全上の問題が無ければ車検を通す事が可能です。大抵のバイクは100万円前後かければ、当時な程度に復活させることが出来る筈です。

人の強い執着心の背景はいろいろ、この時代のバイクを求める年代は50代前後で、その時には持っていなかった人たちが多いようです。様々な事情で持てなかったから、今なら持てるから、持ってみたい。それは、青春時代に果たせなかった自己実現の一部を後付けでするような作業です。しかし、人によっては非常に大きく重い意味を持った行為で、大抵の犠牲は払える決心が持てる神聖なものです。

バイクって、まぶくて、時にはやばくて、しかし、狂うほどに憧れて、どうしても自分の物にしなければ気が治まらない、間に何年の月日が横たわっていても、寝た子を起こされるような、そんな魔性なものなのかも...

 


もはやバイクじゃない?

2009-05-17 23:48:43 | ZZR1400

快晴だった今日、午前中にバイカーの集まる峠に行って来ました。GPZ900Rのローターとパッドを新しくしたので、当たりをつける意味もありました。走り出した当初は、「ウワーッ、停まらない」と焦りましたが、意識的に強めにブレーキをかける走りを数キロしている内に、タッチが良くなってきて本格的に効き始めました。

峠の移動茶屋で買ったウインナーをかじりながら人のバイクを眺めていた中に、このGWはありました。そしたら誰かが私に声を掛けてきて、てっきりGWの持ち主だと思って目を向けると、何と去年に南チロルで知り合ったバイカー3人組の中の2人がニコニコしながら立っていました。以下の記事の右と左の御仁たちです。年に4、5回この峠に来るそうで、わずか1時間の時間が重なった末での再会でした。

http://blog.goo.ne.jp/zzr1400_2006/e/02f4ff72d84c6e9505e218e977bc5692

その内、当時の記事の写真の右側の彼がGWを見て、「こいつはもはやバイクじゃない」と言い、左の彼が「これは既に自動車だよ」と言いました。両者とも旅先でも皮ツナギでスーパースポーツバイクに乗っていますが、これはGWに対する、国、文化、人種を越えて良く聞く感想です。でも、世界中にGWのファンは少なからず居て、ハーレーの代替機ではない確固とした別のジャンルを築いたこのホンダのバイクに、これだけ否定的な意見が多いのはどうしてでしょう?

GWをとやかく言う前に、GWに乗った上での感想かと聞かれれば、99%の人はGWに乗った経験が無いでしょう。だから来週からこのバイクを2週間ほど借り出すことにしました。既に前から予定していた今日の出来事とは別な話のための借り出しですが、乗った上で、それもそこいらをグルッと走っただけではなく、出張全部(多分、2~3千キロ)をこれでこなして、自分なりの感想を持ってみたいと思います。

自分自身、スピードの虜のような面もあり、しかし、1000GTR等の延長線上にあるGWには憧れる気持ちもあります。いつか別の記事で吐露した想い、「ZZR1400に乗っている時には1400GTRのことを想わないが、1400GTRに乗っている時にZZR1400のことに想いをはせる」は根っこな気持ち、でも「GWがバイクではない」は実際に検証する前から「間違い」であると断言できます。バイクにどこかで線を引いて、ここまではバイク、ここからはバイクじゃないなんて、「余計なお世話」ってな感じでしょう、オーナーの方々に言わせれば。

それにしても、この写真のGW、ベンツやビーエムのカタログオプションを全部搭載したリムジンのような安易な豪華さではない、オーナーの趣味がうかがい知れるデキでした。GWのぬいぐるみの定位置には熊ちゃんが鎮座していました。

 


バイクの手入れ

2009-05-17 10:12:21 | ZZR1400

昨日は晴れ、でも朝方に帰ってきて寝付けず、一日中バイクの手入れをしていました。最近のユーザー車検で指摘されたGPZ900Rのブレーキローターの磨耗、純正部品をドイツのカワサキからとると、3枚で、なんと邦貨で約7万円、「ハーッ?」、でした。そこで知り合いのドイツGPZ900Rクラブの事務長さんに電話で捜索を依頼したら、一週間ほどで「新品同様」の純正品が、3枚、約1万円で手に入りました。方々に電話して聞いてくれた彼へのお礼はビール1箱。

計測の結果、前のローター2枚は車検官の指摘どおりメーカーの使用限界を超えていて交換、しかし後ろブレーキは当分まだ大丈夫そうです。ブレーキ本体を洗浄して、パッドも前を全交換、車輪を組み付け、ブレーキフルードも前後とも入れ替え。私のはA3なので、AVDS付きの1ポットタイプ。「1ポットじゃーブレーキ効かないでしょう?」なんて事もたまに聞かれますが、「効きますよ」が私の感想。手入れがきちんとしていればそれなりに効くように設計されているからです。

テールランプはLED化してから、信号などで停止中でもヨシムラの電圧計表示がみるみる下がっていくような事が無くなり満足しています。きちんとした荷台も後付けたし、150キロ前後で速度表示の針がブルブル震えるようになったので部品取りしたA4のメーターに付け替えたし、手入れをしていれば26年もたったバイクでも全然問題ありません。部品も外装を除けば、純正品もまだまだ手に入りますし、適切なオーバーホールを繰り返せば、50万キロは走れるでしょう。

あと4年で、「オールドタイマーナンバー」が貰えます。税金も保険代も格安になるようです。但し、「Hナンバー(History)」取得は、「無改造でオリジナルのまま」が前提条件ですので、現車を指定機関に持ち込んでチェックしてもらう必要があります。欧州車の往年の名車では「Hナンバー」をたまに見かけますが、日本のバイクも30年経って、無改造証明を貰えて、車検が通る状態なら、その仲間入りができます。欧州での日本車(クルマ)は基本的に使い捨て実用品ですので、日本発の工業製品の中でのバイクの価値が著しく高い事が分かる事例でしょう。

最新のバイクと比べて、この時代のバイクは、「最初に何かありき」で、後の細かい部分はそれに合わせる様に造りこんでいった印象があります。「総合的にプランした」感じは受けません。自分でいじっているとそれが良く分かります。どちらが良いかと効かれれば、走り系といじり系で感想は違うでしょうし、自分の場合は両方だと思いますので、GPZ900Rの様に手間が掛かるけど良く分かるバイクは好きです。このバイクは、テクニカル的に十分な域に達しています。