「もらわなければ、一生使いませんでした。」
液晶もなければリダイヤルもできない。お年寄り向けの携帯電話としてヒットしたツーカーSの広告に使われたコピーです。
小林桂樹の友人役でCMに登場していた藤岡琢也もとうとうツーカーSを手に入れました。それも、自分で買ったのではなく、誰か(おそらく娘や息子でしょう)に贈ってもらって。嬉しいじゃないですか。
これを見た時、あぁこの広告はお年寄り本人に向けて作った広告ではなく、その家族に向けて作った広告なんだろうなぁ…と思いました。それにしても「一生」とか言ってしまうと、なんだかその先の人生にはすぐ終わりが来るような印象を受けますが、まぁいいとして。
以前、花王エコナのケースを授業で扱った際、エコナは健康を気遣う気持ちも贈るというコンセプトでお中元やお歳暮などの贈答用でも成功を収めた、という話がでましたが、ツーカーSもそれを狙っているんでしょうかね。
敬老の日のプレゼントとして、おじいちゃん、おばあちゃんへのクリスマスプレゼントとして、ツーカーSはいかがでしょう、みたいな感じ。このシチュエーション、ありそうですよね。
ツーカーSの開発者が「お年寄りには、私たちが普段携帯の電源を切る時にする“長押し”という行為自体理解できない。だから携帯電話の電源は、コタツのスイッチをイメージしました」と語っていました。
なるほど、おっしゃる通りだと思います。私も数年前に両親にらくらくホンを与え、メールの送信方法とかを教えましたが「なんで、そんなことが分からないの~!」というコトが分からないのです。今ではレッスンの甲斐あって絵文字まで使うようになりましたが、それでもいまだに「今書いていたのが消えちゃったのー」とか言ってるし。
ツーカーSは一時期より売上が落ちていると聞きましたが、藤岡琢也効果で回復するか見ものですね。
一方、ツーカーはちづるさんご指摘どおり、子どもが、離れて住む親に買い与える電話(こどもが電話して無事を確認する電話)という位置づけで、ドコモとは違うマーケットを狙ってるんだそうです。
面白いですね。