MASの搭乗員日誌

気がつけばフルスロットル!別館

永遠の0

2013-12-22 10:15:00 | 搭乗員日誌

ず~~~~っと楽しみにしておりました。
ようやく公開されました。



公開初日の昨日はあいにく仕事日だったのですがやはりすぐに観賞したかったので嫁と一緒にレイトショーに行ってきました。

私は普段、当時実在の零戦搭乗員が書いた手記やインタビュー記事等を読むのが好きです。
その当時者達から語り出る状況や感情など本当の真実に裏打ちされた史実、資料に何より興味を持っていましたので「永遠の0」の原作が以前から人気がありその話題は何となしに聞いてはいましたがやはり小説(フィクション)と言う事もあって読む気はありませんでした。

原作を読む事になったのは今年の夏頃に仕事上の顧客に勧められて借りて読んだのが最初です。
正直言って感想はやはり小説なんです。
話の内容は謎解き感覚で面白いと思いましたし充分に楽しめましたが全体的な感想としては「今まで何かで見聞きし知っている当時の物事にオリジナルのストーリを振りかけた感じ」でした。
別に「永遠の0」を悪く言うつもりはありません。
私が普段求めている史料と意味合いがちょっと違っただけで、この作品の存在自体は非常に素晴らしいと思います。
この一冊を読めば大東亜戦争のおおまかな流れや戦闘地域、戦況などがおおよそ掴めますし、今まで何もしらなかった方々には充分に資料となるし当時を知るきっかけとなるには最適な一冊だと思います。

ここまでだと「あまり評価していないような書評なのになぜ映画を見に行ったんだ?」と思われそうですね。
まずはこの作品が映画化され多くの方々の目に触れる事が嬉しい。ここ最近になってようやく大東亜戦争を自虐史観ナシで表現してくれる作品が増えてきました。
これらによって今まで何の気なしに過ちを刷り込まれてきた人々のいくらかでもが真実に開眼する機会が増えてくるのでは?と期待しています。
文章と映像では訴えかける情報量が違うので確かめたいとも思いました。
原作は長いので2時間少々の時間にどれだけ上手くまとめられるかな?と思いましたが余分な要素は省略し要点を押さえてなかなか良かったと思います。
欲を言えば主人公の青年や祖父の心情描写がもう少しあれば・・・なんて思いますが原作との違いをうんぬん言えばキリがないし時間に納まらないでしょうね。
あと、単純に零戦好きとして現代のVFX技術で再現される零戦や空母などを楽しみたいと思っていました。これは文句なくいつまでも見ていたい素晴らしい出来!この点は良い時代になったもんだと思います。

作品を観終わって思った事。「もう少し早く今の状況になっていれば」でした。
戦後68年も経ち・・・正直、やや遅きに失っした感があるかな・・・。
今作のテーマである零戦で言えば様々な最前線を戦った多くの熟練搭乗員は90歳を越え多くの方々が鬼籍に入られました。学生から特攻要員にされた方々も80代半ばと高齢となり本当のお話を聞ける機会は非常に少なくなってしまいました。
ようやく先入観なしで公平に語れる時代が巡ってきたのにこの現状はとても残念に思います。

とにかく、遅くなったと気がついても何もしないよりはいい。
この作品を多くの方に知ってもらえたら嬉しい。
そしてこの作品だけで終わらずに、当時の搭乗員だけでなく陸海軍の方々、技術者の方々、銃後の方々、当時の様々な立場の方々が語った史料や作品に多く触れ、過去を正しく理解するきっかけとなれば良いなと思いました。