ザウルスの法則

真実は、受け容れられる者にはすがすがしい。
しかし、受け容れられない者には不快である。
ザウルスの法則

目黒バラバラ事件 part 6:池田容疑者、快楽殺人の公算が大

2016-07-06 07:53:38 | メディア時評

 

7月20日の最初の侵入時の黒っぽいリュックには何が入っていたか?

  

わたしの推理 

● 遺体解体のための刃物(折りたたみ式ノコギリ等複数) 包丁は“現地調達”の予定であっただろう。

 ● 保存、仕分けのためのポリ袋(複数)

 ● ゴム手袋

 ● 血痕除去のための塩素系洗剤

  

池田容疑者はいったん被害者の部屋を出るが、ベランダからではなく、玄関から出ている。なぜ侵入時と同じベランダから出なかったのか?なぜリスクのある玄関から出たのか?

 リュックが重くなっていたからである。遺体の一部が入っていたからである。重いリュックを背負ってベランダから降りるのが困難だと判断したのであある。

  池田容疑者は、阿部祝子さんにターゲットを絞っていたと思われる。

 本当に「金銭目的」の“古典的泥棒”であったならば、“留守”が理想である。しかし、池田容疑者は“留守”であったら、決して侵入していなかったであろう。狙いは「金銭」ではなく、老女を殺害することと、その遺体の“利用”そしておそらくは、“消費”であったからだ。

 池田容疑者はこのマンションについては少年時代に友人が住んでいたこともあり、かなりくわしかったという情報がある。

 彼は以下の条件で以前からターゲットを探していたと考えられる。またはたまたま阿部祝子さんがこのマンションの住人で、3階に住んでいることを知ったことがきっかけで犯行を思い立ったことも考えられる。

 マンションの独り暮らしの老女

 以前からマンションの外からベランダを観察し、洗濯物、洗濯物の出し入れを観察していたに違いない。そして、

 理由: 独り暮らし

      抵抗する腕力がない

      老女である

 池田容疑者は阿部祝子さんが独り暮らしであるからこそ狙ったのである。独り暮らしであることを事前に確認していたからこそ、侵入後に“心おきなく”解体作業に入れたのであり、そのための刃物類なども最初からちゃんと準備してリュックに入れて侵入しているのである。

  公園の池の捜索でも被害者の臓器が発見されていない。おそらく、小腸、大腸は短く切って根気よくトイレに流したであろう。他の臓器もそうした可能性があるが、池田容疑者は一部を“大事に”ポリ袋に入れて自宅に持ち帰っていたに違いない。何のためか?1つには確かに翌日にすべてを一度に持ち出すには重すぎるということもあっただろう。しかし、もっと重要な理由があると考えることもできる。

 なぜならば、本当に単に重量を二分して、2回に分けて持ち出したのならば、そのままその通りに供述できるはずである。その発想と行為自体には何の不自然な点はない。しかし、そのようには供述していない。なぜか?実際は、池田容疑者は一部を“大事に”ポリ袋に入れて自宅に持ち帰っていたからである。そして、その分は池には遺棄していないからである。

 

 産経ニュース 2016年07月11日

 「1回で持ち出し池に捨てた」 逮捕の池田容疑者

 わざわざ「1回で」と供述していることに不自然さを感じないであろうか?本当は2回だからこそ、それを知られたくないからこそ 「1回で」 と言っているのである。最初に侵入して明け方近くに部屋を出た際に黒っぽいリュックを背負っているが、その中にすでに遺体の一部が入っていたと考えられる

 池田容疑者は必死にこの事実を隠ぺいしようとしている。

 そもそも、いくらバラしたとはいえ「1回で」老女の遺体を「スポーツバッグ」に入れて、肩から提げて持ち出せるであろうか。両肩ではない、一方の肩だけであることが防犯カメラに映っている。池田容疑者は身長は165cm~170cm で比較的小柄なタイプである。

 高齢女性の平均体重を調べてみると、80代だけのデータが見つからないが、

 50代で 54.0 kg 、 60代で 53.6 kg、 70代以降で49.3kgというデータがある。これをもとに推定すると、少なくとも45kg はあるだろう。もちろんこれはあくまでも平均値に過ぎないが、これをもとに考えることは許されるであろう。

 そのうち一部はすでに前日持ち帰っていて、また一部は被害者宅のトイレに流したとしても、35~40kg 前後はあったと想定できる。

 なお、池田容疑者は、スポーツバッグは21日に遺体運搬のために購入したと供述しているが、これはおそらく事実であろう。このことをもって、今回の犯行が“場当たり”的なものであるとは言えない。わたしの推理では、池田容疑者は、すでに別のバッグを持っていて、それを運搬用に予定していたのであるが、実際に解体してみて予想以上にかさばることに気づいて、急きょ、より容量のあるスポーツバッグを購入したと思われる。

 ● ふつうの窃盗犯が金銭に手をつけずに犯行現場を立ち去ることは考えにくい。

 ● ふつうの窃盗犯が被害者をバラバラにすることは考えにくい。

 ● ふつうの窃盗犯がバラバラにした遺体を公園の池に遺棄することは考えにくい。

 ● 池田容疑者が今回の犯行を事前に周到に計画していたと考える十分な証拠がある。

  

1)阿部さんの部屋への侵入・殺害の2日前までに数回碑文谷公園の池でボートに乗っていたという目撃証言があり、この証言は非常に信ぴょう性がある。

 2)犯行時に池田容疑者は遺体解体用のために折りたたみ式ノコギリ等を黒っぽいリュックに入れていたと推定する十分な証拠がある。

 ● もし、今回の犯行が事前の周到な計画に基づいた犯行であるとすると、とうぜん “無差別のいきあたりばったりの犯行説” は崩れる。

  もし、事前の周到な計画に基づいた犯行であるとすると、バラバラ殺人が本来の目的であった公算が格段に大きくなる。

 

 

バラバラ殺人といっても、今回の場合は怨恨ではなく“快楽殺人”である公算が大である。

 快楽殺人といっても、その 快感要素 にはさまざまなバリエーションが考えられる。快楽殺人については、海外、特にアメリカでの研究が進んでいるが、以下のようにまとめることができよう。

 1) 殺害快感 : 殺害することじたいに快感を覚える

 2) 性交中殺害快感 : 性行為の最中に殺害すること(首を絞めるなど)に快感を覚える

 3) 遺体性交快感 : 遺体と性行為をすることに快感を覚える

 4) 遺体切断快感 : 殺害した遺体を切り苛むことに快感を覚える

 5) 遺体摂食快感 : さらに切断した遺体を食べることに快感を覚える

 理論的には 1)から5)のすべての快感要素を含むケースも成立しうる。これは“完全快楽殺人”と呼べるかもしれない。実際の個々の快楽殺人のケースでは、もちろん上記の快感のうち複数が組み合わさっているが、しかし、すべて 1)殺害快感 を含むはずである。

 しかし、最後の5)遺体摂食快感 を含む場合は、必然的に1)殺害快感 と 4)遺体切断快感 も含まれてくる。

 今回の池田容疑者のケースでは、“完全快楽殺人”である可能性がある。少なくとも、4)は確定であり、したがって1)も確定である。5)の可能性も十分にある。

 

快感があるからこそ、遺体の切断などとという大それたことができるのである。快感を覚えない人間には恐ろしくてとてもできないことである。ましてや、解体用の刃物類まで持って侵入していたとなると、4)は確定なのである。そして4)が確定ならば、必然的に1)も確定となる。

 そして今回の状況からして 2)性交中殺害快感:、3)遺体性交快感:、5)遺体摂食快感:も含まれる可能性は排除できない。特に最後の5)遺体摂食快感:は非常に公算が大である。この可能性を排除する理由は1つもなく、この可能性を否定するだけの証拠もない。一方で、これが成立するだけの状況証拠は少なからず存在する。

 2)と3)、つまり被害者が存命中であったにせよ殺害後であったにせよ、池田容疑者が被害者と性行為をしたかどうかについては、客観的な物的証拠が極端に少ないが、可能性としては排除できない。4)が確定で、5)の公算が大であるならば、2)と3)、もしくは2)か3)が含まれる公算もそれだけ大きいと考えざるを得ない。

 

 さて、8月2日になって、警視庁は池田容疑者を “再逮捕” している。その際に、池田容疑者が 「黙秘します」 と言っている点に注目すべきである。「黙秘します」 とは、「言いたくないことは言わなくていい」 という権利の行使である。つまり、「言いたくないこと」 がまだあるということである。核心に触れられることを恐れている様子がうかがえる。

核心とは何か?核心とは、快楽殺人という動機であり、その衝動に駆られてやってしまった誰にも言えない“血の儀式”の数々である。

快楽殺人者はそれぞれ自分固有の妄想に従って “血の儀式” を行うのだそうだ。まだ1度も実現したことがなければ、その妄想を膨らませ、実現のチャンスを窺いながら生きている。1度でも実現すれば、今度はその “至福の時” を思い出しながら、生きているのだそうだ。捕まっていなければ、その “再現”のために次の生贄を探し、チャンスさえあれば犯行を重ねるのだ。捕まってしまっても、独房の中で、血にまみれたその “至福の時” を思い起こして無上の喜びに浸りながら生きていけるのだ。快楽殺人者とはそういう人間なのである。そして、彼らは自分たちのその快楽は世間には理解されないものだという自覚があるのだ。だからこそ 「黙秘します」 なのだ。

 

ドイツでは、快楽殺人や、性欲を満たすために殺人を犯した場合等は、刑法211条の「謀殺罪(Mord)」となり、故殺罪より刑が加重される(ウィキペディア「殺人罪」)。しかし、日本の法律では特にそうした条項はないようである。せいぜい “死体損壊罪” が付くくらいである。つまり、快楽殺人は事実としては存在していても、法律的には存在しないのと同じなのである。なので、日本の警察や法制度では、「快楽殺人」 というカテゴリーがないので、「金銭目的」 で片づけてしまうことになる。

取り調べにあたる捜査官は、執拗な取り調べを通じて池田容疑者の動機が “快楽殺人” であることをつきとめることになる。しかし、だからといって、そういう罪状、カテゴリーが日本の法律にはないし、うっかり警察が “快楽殺人” などという言葉を使うと世間が騒いで収拾がつかなくなるので、けっきょく “金銭目的” ということにするしかないのである。 

 

目黒バラバラ事件 part 1:警察の情報操作、池田徳信の写真

 

目黒バラバラ事件 part 2: 池田徳信の心理、動機の解明

 

目黒バラバラ事件 part 3 : 弁天池下見説 と 2回侵入の計画性

 

目黒バラバラ事件 part 4: “池の下見” をしていた様子の目撃証言 第2弾

 

目黒バラバラ事件 part 5: 犯行の動機、目的は?

 

目黒バラバラ事件 part 6: 池田容疑者、快楽殺人の公算が大

 

 

 

 

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 目黒バラバラ殺人事件 part ... | トップ | 目黒バラバラ事件 part 5:... »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
名探偵 (キャリー)
2017-10-05 09:34:16
ザウルスさん、お久しぶりです。
いつものことながら、見事な推理ですね。まるでシャーロックホームズが難解な事件を解決する時の手法に似ていて、いちいち納得した次第です(笑)

それにしても、なぜ日本には「快楽殺人」といったカテゴリーがないのでしょうか?ふと疑問を感じました。

ところで、こちらアメリカでは、1日、米ラスベガスで大規模な銃乱射事件が発生しましたが、これも偽旗テロの可能性が高いですね。大量の死傷者が出たということですが、救急車で搬送される画像も、病院がパニックになっている画像も見かけませんし。

お時間がございましたら、ザウルスさん的分析を是非お願い致します。
返信する
キャリー さま (ザウルス)
2017-10-05 14:41:10
高評価ありがとうございます。この事件の分析は昨年の夏までに、part 1 から part 6 の6本の記事としてほぼ網羅しています。

なぜ日本には 「快楽殺人」が罪名として存在しないのかという質問ですが、お答えしましょう。

普通の人間の理解を超えるような狂気の行為としての “快楽殺人” が存在することを日本人が認めたくないからです。そうした行為を犯罪として、罪名として法体系に組み込むことは、そういうことをする人間が存在しうることを認めることになります。それすらも日本人には受け入れられないことなのです。「人間がそんなことをするわけがない」 ということなのです。

取り調べの捜査官やわたしにとっては池田容疑者の犯行が 「快楽殺人」であることは明白です。しかし、日本にはそういった行為は存在しないかのような法体系になっているために、世間に対しては 「寝た子を起こすな」 のままにしているのでしょう。
日本の法律が実に幼稚で浅薄な人間観に根ざしているかを物語っています。


返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

メディア時評」カテゴリの最新記事