今日は。
先日は「爬虫類・両生類オフ会」に参加して参りました。
https://ameblo.jp/tohira-kame/entry-12462333261.html
その中で拙ブログの熱心な読者様に直接お会いする機会があり、ブログの感想を聞かせて頂き非常に勉強になりました。
やはり飼育者数の少ないナガクビ・ヘビクビは情報化社会といわれて久しい現在にあってもこれらの情報は少ないことを実感しました。
拙ブログではかねてから他者の意見の受け売りや聞き齧りの都市伝説を排除し、私の実体験に即した飼育情報を公開してきたつもりです。
今後もマイナー種の飼育下環境改善を目的としてブレずに書いて参ります!
さて、究極の曲頸といえばやはりクビカシゲガメ又はオーストラリアヌマガメモドキに異論を唱える方はいないでしょう。
勿論CITESⅠですし、何よりもオーストラリアでの厳重な保護下にあるカメです。
https://allabout.co.jp/gm/gc/69940/
まずはパース動物園の繁殖プロジェクトをご覧下さい。
https://m.youtube.com/watch?v=HdfKfyn0WX8
パース動物園では大規模な繁殖施設を作ってこのカメを30匹から現在約450匹まで殖やしてきました。
このカメの減少要因は開発による生息地破壊と犬、猫、狐等の人為的に持ち込まれた外敵による捕食です。
現在は3箇所の保護区で電流柵とレンジャーの警備により厳重に監視されています。
昨今はカメやトカゲの密輸がニュースになるとSNSでは密輸の下手人に批判が集中しますが私は野生動物の減少要因は開発による生息地破壊=道路建設による爬虫類の轢死と人為的移入外敵による捕食が減少要因の90%以上だと推測しています。
最後に残った10%を密猟により根絶やしするから密猟だけがさも減少要因と我々は思いがちですがこの行為を厳罰化しても個体数減少の根本的な解決策にはならないと私は思います。
私はこのクック氏の意見にも一理あると考えています。
https://www.nhk.or.jp/kokusaihoudou/catch/archive/2018/05/0528.html
パース動物園の例から「ひとは殖やすことも減らすことも出来るのだ」と分かります。
私はGW中、野毛山動物園に行ってきました。
やはり野毛山動物園の飼育レベルは高いです。
最後の「動物園の役割」に切ない現実が露呈しています…
我々飼育者にとっては心苦しい啓蒙です…
前述のクビカシゲガメとこのヘサキリクガメが救い得る最も僅少なカメではないかと思います。
https://allabout.co.jp/gm/gc/70167/
殖やす技術はさすが動物園です。
この技術はマダガスカルの繁殖施設やホノルル動物園にも負けないレベルです。
さらに
キバラクモノスや話題のインドホシガメも
この動物園の素晴らしさはこの説明が全てだと思います。
本当にカメさん目線の展示で素晴らしいと思います。
私などは「ふむふむ、動かないことで外敵から逃れて、かつ代謝を下げてエネルギーロスを避けるカメなんだな。ということはエサはあんまり食べないのかなぁ?」などと非常に楽しませてくれる展示です。
姿形を見せずともそのカメの生態を明確に展示している訳で野毛山動物園の姿勢には学びしかありません。
更にはエジプトリクガメの展示です。
広いスペースに驚きますが、私が驚いたのは水場です。
かなりしっかりと水があるのもおそらく意味があるのでしょう。
更にこの温度勾配です。
日中は35度まで上げ、夜間は15度まで下げるようです。
私の飼育するカメも昼夜の温度差が大好きですが1日で20度は凄いと思います。
エジプトリクガメって、あんな小さな体でこの温度差って大丈夫なのかなぁ?などと心配してしまいます。
野毛山動物園からみえてくるもの、それは人は殖やすことも減らすことも出来る、ということです。
そして殖やすためには飼育環境をしっかりと設定することの大切さを教えてくれます。
色々な意味でクオリティーの高い展示に驚きますが更に驚きなのは、ただ!
やはり野毛山動物園は私のバイブルなのでした。