ゆらゆら生活

2012年に始まったゆらゆらとした生活の中、絵を描くことの魅力に。

勘三郎さん

2013-11-27 | 歌舞伎・観劇ほか

今日、勘三郎さんの一周忌法要が営まれたそうだ。

勘三郎さん&中村屋大ファンの私にとっていろんな思いがある。私の乳がん手術確定時期と、勘三郎さんが食道がんを自ら公表された時期がちょうど重なり、一方的な思いに過ぎないのだが、共に病へ向き合う気持ちになりパワーをいただいていた。それだけに、突然の訃報には全身の力が抜け、言葉を失い、特番報道のテレビの前にへたり込んでしまった。

もう私は歌舞伎を観ない!なんて思った時期もあったが、思い直して、勘三郎さんが一番楽しみにしていたであろう歌舞伎座杮落公演に、中村屋贔屓として通っている。新しい歌舞伎座は清し清しく心躍ることは確かなのだが、勘三郎さんのこともあって、以前の歌舞伎座のことが愛おしく、キュンとする思いが溢れてくる。

4月杮落 勘三郎さんに捧ぐ公演、孫の七緒八くんが登場した時には、感極まりグジュグジュになってしまったため、せっかくの2階席最前列にもかかわらず、舞台がよく見えなかった。

8月杮落公演、勘九郎さんや七之助さんの舞台では、勝手に母親目線になっていた。ビシッと決まった時には、勘三郎さんが「息子達、まだまだだよ!」なんて言いながらもにっこりしているだろうな、と心から嬉しくなり、扇子さばきが少し危なかったりすると、今晩は勘三郎さんから厳しいお叱りが飛んで深夜特訓?なんて真剣に思ってしまった。

それほど歌舞伎に関する知識を持っているわけではないので、私なりの楽しみ方をしている。どんな楽しみ方でもいいんだよ、と教えてくれたのが勘三郎さんだ。

ストーリーに関わらず、瞬間のビシッとした気が身体に染み渡る、あの心地よさがたまらない。妖艶な踊りに吸い込まれていつの間にか別世界へ、時には、睡魔に負けて不思議な時空をさまようこともある。これが結構気持ちいい。(寝てしまうのは本当はごめんなさいだけど)これからお芝居はじまるぞーというワクワク感も病みつきになる。本物は、演者の人柄とともに、理屈抜きでぐっとくるものがあると思う。

昨年の浅草三社祭当日の平成中村座公演では、舞台裏から御神輿がサプライズ登場した。あの日の勘三郎さんは、ちょっとお疲れだったけど、七緒八くんを抱いて満面の笑顔だった。決して忘れない。

 

 


今日一日が素敵な日でありますように

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