ゆらゆら生活

2012年に始まったゆらゆらとした生活の中、絵を描くことの魅力に。

ジュルジュ・ルオー展

2015-12-18 | 日常

出光美術館で開催中、ジュルジュ・ルオー展に行ってきた。

宗教的なものに大きく支えられての作品だとは見て取れるが、それとは関係なく生身の人間の存在感が身近に感じられる、そんなルオーの絵が好きだ。会期終了が近いものの、閉館1時間半前を狙って大正解。時折椅子に座ったり、少し逆戻りしたりしながら、ゆっくりと絵を満喫できた。

絵葉書を買ってきたこの絵「優しい女」の表情は、眺めていると、少なくとも一瞬いくらか優しくなれる。

また、思わずクスッとしたのは、独特の長めタイトル、なかでも「上流社会のご婦人は、天国で予約席に着けると信じている」だ。

描かれているモノクロのご婦人の横顔は、いかにも鼻高々という程ではないものの、薄目位に眼を閉じ首を少し伸ばしている。背中をすっと伸ばしていている姿も想像できる。口をほんの少しすぼめて頬に少し空気を蓄え、一瞬息を止め、他からの視線を気取って意識しているようだ。私よ、と自らを誇らしく思っていて、先のことを何も疑っていない、見方によっては滑稽ともいえる様子が見事に伝わってくる。

軽くからかうような、でも静かな主張のあるタイトルをつけたルオーの感性に、思わずクスッと、心の中で小さな拍手をした。


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