今週、新社会人となった娘の初給与日だった。帰りが比較的早かった昨晩、かねてからの計画通り、娘は近所のお肉屋さんでお肉を買ってきた。
わが家から最寄り駅までの途中にそのお肉屋さんはある。通り沿いにそれ程大きくない冷蔵ケース、ご夫婦ふたりで営まれている小さなお店だ。実はこれまで私も娘もそこで買物をしたことはないのだが、とても気さくなご主人、長きに渡って店の前を歩く娘を見守ってきてくれた。小学低学年以来なので、なんと15年近くに渡ってのことだ。
特に小学生の間、昼間誰もいない家に帰り、その後ひとりスイミングや塾に通う娘の姿は、今思うと、寂しそうだったのだと思う。
"こんにちは!これからスイミング?" などと、おじさんはいつも声をかけてくれていて、娘は、中学生になった!とか、その時々の報告をしていたそうだ。高校生になって私と一緒に歩いている時でも、娘は店の中を覗き込むようにして挨拶をしていた。帰りが遅くなってからは、時々売り物のコロッケや頂き物のお菓子のお裾分けを貰ってくることもあった。
今月になって、就職したことを話したところ、美味焼き鳥をお祝いに頂いたと言って、喜んで食べていた。その時に"初月給でお肉を買いに来ます"と宣言してきたそうだ。
そんなことで、昨晩はじめて奮発してステーキ肉を買うつもりだった娘だったが、ステーキ肉、加えて、豚肉、焼き鳥を持ち帰った。内訳不明、1000円しか受け取ってもらえなかったとのこと。おじさんの中では、娘はまだ小学生の印象のままなのかもしれない。
それぞれ焼き方を教わっていたようで、娘は張り切って焼いていた。その様子に何だかとても嬉しくなって、私はついつい食べ過ぎてしまった。