幹事長に輿石氏というびっくり仰天の野田政権のスタート。官房長官がなかなか決まらなかったところや、外務大臣、防衛大臣の2+2の安全保障の要の交渉役、財務大臣、経産大臣といった日本の活動の基盤を支える大臣に注目していましたが、時間がかかりましたがなんとか収まった様ですね。諸説湧き上がっていて、諸兄も様々な観点から観ておられる様ですが、とりあえずはお手並み拝見といったところでしょうか。
遊爺は不勉強で知らない方も多いのですが、小宮山氏、鉢呂氏のお二人の名前には輿石氏に続く驚きでした。日米関係重視と言っている(?)わりに、米国に人脈のある閣僚がいない中、外国人参政権推進の中心人物と言っていい売国奴が二人も入閣しているのには、保守を自称する野田氏の政策とどう融合するのでしょう。古い自民党の派閥均衡内閣なので、こうなるの?
海外各紙の野田氏への反応は、以下です。(長文で恐縮です)
短時間に意外と多くの記事が書かれているのだそうで、まだまだ日本も見捨てたものではないと。
前原氏の評価が高く、世論調査と民主党議員の選択の乖離が指摘されたり、前原氏と手を組んだからいいと評価されたりしています。
総じて好意的なのだそうですが、長期政権維持できるのかなど冷めた目線も付きまとっていての評価の様ですね。
遊爺が注目したのは、『ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)』の評価。野田氏の直近の国際的実績として顕在している財政から評価をするという、お祝いムードではなく事実に則った冷静沈着な評価で、ズバリ的を突いていると考えます。
つまり、「財政タカ派」といいつつ、被災地復興のための「ケインズ的な大盤振る舞い」に疑問を呈していない。成長改革戦略(郵政民営化の復活や経済の大規模規制緩和、外国人労働者の受け入れなど)についてはまったく期待できないと言っているくだりです。
政策の軸というか、ビジョンが示されてなく、流れに流されていないかと...。
欧米にとっては都合の良いことなので触れられていませんが、超円高を招いた担当大臣としての動きは、傍観する時間が長かったことで助長していないのか、単独為替介入のほかにも手はあるが、何処まで想定・準備しているのか、などなどの重要政策実績が、ドサクサで議論が止まっていることとも通じると考えます。
輿石氏、小宮山氏、鉢呂氏の登用は、党内融和としても、日本の国益にどう寄与するのか、野田氏の描く日本のあるべき姿に、外国人参政はどのような必要性があるのか、遊爺にはまだ理解できません。
民主党を壊さない、政権与党の座を守ることが最優先で、国民や国の為の政策が後回しにされることがない様、注視していく必要がありそうです。
『フィナンシャル・タイムズ』が、国民にも一定の責任があると、世論の動きを指摘しているそうです。
メディアのリードが大きいのだと思いますが、それに引きずられる国民に責任があるといえば、そういうことにはなります。メディアが最初に正体を隠して報道し、知らない国民が時間の経過とともに事実に遭遇し知ってくることで評価が変わるのが大部分です。
鳩と菅で証明されていることですし、駄目なものを継続させれば日本が滅亡するから、やむを得ず変えているのです。
国民が、メディアに騙されない様なメガネはどこかにないものでしょうか?
この花の名前は、サギソウ
↓よろしかったら、お願いします。
遊爺は不勉強で知らない方も多いのですが、小宮山氏、鉢呂氏のお二人の名前には輿石氏に続く驚きでした。日米関係重視と言っている(?)わりに、米国に人脈のある閣僚がいない中、外国人参政権推進の中心人物と言っていい売国奴が二人も入閣しているのには、保守を自称する野田氏の政策とどう融合するのでしょう。古い自民党の派閥均衡内閣なので、こうなるの?
海外各紙の野田氏への反応は、以下です。(長文で恐縮です)
ドジョウを自称の新首相、「自分を笑えるのはまあ悪くないよね」と英誌(gooニュース・JAPANなニュース) - goo ニュース
英語メディアが伝える「JAPAN」なニュースをご紹介するこのコラム、今週は「ドジョウと呼ばれた男」、ないしは「ノダと呼ばれた魚」についてです。え、一国の総理大臣に失礼な物言い? だって野田佳彦新首相が自ら、そう自称したのですし。支持率の低さを冗談のネタにしている場合かと批判する記事もありましたが、新首相の「自称ドジョウ」は英語メディアではおおむね好意的に受け止められたようです。もっとも、良かったのは「ドジョウ」だけであっという間にまた首相交代なんてことになりかねないと、そういう冷めた目線が前提ですが。(gooニュース 加藤祐子)
○「ドジョウよ、おめでとう」
<中略>
早いものでは(予定稿を用意してあったのか)決選投票の結果発表から約1時間の午後3時半ごろには長行記事が出ていました。たとえばAP通信のマルコム・フォスター記者は、野田氏について「財政保守として知られ」、「日米同盟を強力に支持してきた」ことや、「中国の経済成長を称えながらも、軍事力の拡大に懸念を表明してきた」ことも説明しています。
米紙『ワシントン・ポスト』は社説で、「日本の政治家たち、新首相を決める またしても」と見出しからして皮肉たっぷりです。しかも出だしからいきなり「日本の有権者の意見が通るなら、新首相は前原誠司前外相だった」と。
(余談ですが、『ワシントン・ポスト』など一部の英米メディアによる前原氏プッシュはちょっと驚くほどです。まえにもご紹介したように、同紙は今年1月に訪米した当時外相の前原氏を非常に好意的に取り上げていました。献金問題で外相を辞任した時には英紙『ガーディアン』も辞任は「損失だ」と惜しみ、英紙『フィナンシャル・タイムズ』も先月の時点で前原氏を次期総理と見込んでいるかのようなインタビュー記事を掲載していました。何はともあれ前原氏は、英語メディアへのアピールには大成功しているようです)
話がずれました。前原氏ではなく野田新首相に話を戻しますと、『ワシントン・ポスト』社説は、世論調査の支持率は実に5%に満たなかったのに民主党議員たちは野田氏を選んだとこれまた皮肉たっぷり。野田氏が代表選前に「ルックスはこうなので支持率は上がらないかもしれない」と述べたことについても、ほとんどの日本人が民主党も自民党をも「見下している(hold with disdain)」状況だというのに、首相候補が自分の支持率の低さを自慢するのは「奇妙な話だ」と。ただし「最近の歴史がプロローグとなるなら、(低い支持率という)その選挙公約だけはおそらく実現されるだろう」と。さらに、日本は慢性的な政治危機状態にあり、加えて大震災、長引く経済停滞、アメリカの財政危機より遙かに大規模な公的債務の問題を抱えているのだが、その中で総理大臣になった野田氏はともかくも、「1年でいなくなる力なき前任者たち」の運命を避けるのが第一の任務だと。いや、もう、すごい皮肉の連発です。
同紙社説いわく、野田氏はその指導力で選ばれたのではなく、民主党内の内輪もめで選ばれたに過ぎないと。そして「ややナショナリスト」なため韓国や中国は「警戒している」と。「fiscal hawk(財政タカ派=財政保守、緊縮財政派)」でもあるため、野田氏が震災復興財源として消費税増税を掲げるのを評価するエコノミストもいるが、「ただでさえ輸出依存で内需を嫌う日本経済の矛盾をさらに悪化させるかもしれない」と。しかも野田氏の増税論がたとえ評価に値するとしても、「明確な政策目標のもとで党内の一致団結を図るのは無理かもしれないし、ましてや自民党が支配する参議院をも通過させるのは困難だろう」と。
その上で同紙社説は「日本は今でも世界第三位の経済大国だし、アメリカにとって今でもアジアで最も重要な同盟国だ。日本の政治膠着は、人口1億2600万人の島国のはるか彼方にも影響を与える。ゆえに、悲観論者たちの誤りを野田氏が証明し、総理大臣メリーゴーラウンドの回転速度を下げてくれるよう、私たちは期待している。ドジョウよ、おめでとう(Congratulations to the loach)。あるいは、長期政権となりますように」と結んでいます。
皮肉にまみれてはいますが、日本の政治膠着が日本以外にも影響を与えるというのは、本当にその通りだと思います。そして「ああ、もうどうでもいいから。日本がどうでも、もう世界に影響ないから」と無視されないだけ、私たちは幸せなのだし、そう言われないうちに何とかしなくてはならないのだ、とも思うのです。
野田氏の最大の課題は「首相でい続けることだ」と書く米紙『ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)』も、野田氏は菅政権の財務相として「財政タカ派主義の広報マンだった。日本ではそれは拡大する社会保障費の財源として消費税率を倍にすることを意味する」と説明。しかし野田氏は「財政タカ派」と言っても、被災地復興のために「ケインズ的な大盤振る舞い(Keynesian spending spree)」に疑問を呈するには至らなかったし、それ以外の成長改革戦略(郵政民営化の復活や経済の大規模規制緩和、外国人労働者の受け入れなど)についてはまったく期待できないと。
<中略>
さらに同紙は、前任の鳩山由紀夫氏や菅直人氏と比べて「まだ強大すぎる」官僚寄りで、特に財政についての考え方が財務省に近すぎると懸念するものの、「絶望は時期尚早すぎる。人気者でカリスマ性のある前原誠司前外相と手を結ぶことによって権力を握った野田氏のやり方は、期待できる」と書きます(またしてもここでも、WSJも「日米関係の強化を掲げ」てきた前原氏をプッシュ! 消費税増税に反対する前原氏が、野田首相の考えを変えさせるかもしれないとまで)。
○「ドジョウ」で結構
前述したようにやはり前原氏に注目していた英紙『フィナンシャル・タイムズ』は8月23日の時点でも、前原氏の代表選出馬によって「野田氏の勝算は少なくなった」と書いていたのですが、今回こちらの社説(日本語訳はこちら)でも「過去6人の総理大臣のうち総選挙で選ばれたのは、民主党の不運なリーダー、鳩山由紀夫氏だけだ。ほかの5人は皆、党内シャッフルで選ばれて首相になった。この点を強調するかのように、国民の人気という意味では明らかに抜きんでていた前原誠司氏は、党内投票では3位と後れを取った」と、野田氏の勝利は日本政治の常なる不透明性によるものと位置づけています。
<中略>
上述した『ワシントン・ポスト』は野田氏の「ドジョウ」について皮肉たらたらでしたが、英誌『エコノミスト』は、「いたと思ったら明日にはもういない」一人に過ぎないと野田氏を一蹴する前に、ちょっと待ってと。新首相には「少なくとも二つ、これはと思える点がある」と評価しています。二つとは「健全な危機意識と、いい感じに自嘲的なユーモア感覚」だと。
この「自嘲的なユーモア感覚(self-deprecating sense of humour)」、つまり「自分で自分を笑える能力」というのは(少なくともイギリス人にとっては)、「いい奴」かどうかを計る上で、実にものすごく大事なポイントなのです。それだけに、それを『エコノミスト』が好意的に拾い上げているのは、日本人としては「はあ、やれやれ」です。
記事は前原氏や海江田氏が期待はずれだったと書いた上でこうも書きます。「野田氏はあの気持ちのこもった15分間の演説で、ライバルたちより抜きんでた。その点だけでも評価に値する。演説の中で彼は、自分がいかに誰も知らない土地の出身で(といってもまあ、千葉県なのだが、多くの東京人にとっては同じことだ)、政界へのコネもなく、有権者の支持を獲得しようと何日何日も街頭を歩き回ったなど、きわめて人間味溢れる話をした。そして実に巧みに、自分の最大の弱点と一部で言われている点にも触れた。つまり自分は総理大臣らしく見えないと」。
記事はここで野田氏の「ドジョウ」を取り上げ、「重たい負担を背負わなくてはならないかもしれないと(つまり増税だと)、国民に言いにくいことをはっきりと告げた」と評価。……なんだか『エコノミスト』のこの記事を読んでいると、(オバマ大統領のような)感動的な演説だったような気さえしてきます。
とはいってもこの記事の見出しは「A Fish Called Noda(ノダという魚)」であって、つまりコメディ映画『A Fish Called Wanda』(邦題「ワンダとダイヤと優しい奴ら」)のタイトルのもじりなので、そんな感動路線のわけはありませんが。
<中略>
『フィナンシャル・タイムズ』が社説で次のように書いていた、その耳痛い仰せの通りなのですから。
「国民にも一定の責任はある。首相が新しくなるたびに、世論調査は同じように動く。出だしの人気はとても高いのだが、数カ月もたつと国民は飽きてしまい、党は、選挙の足かせと思うようになったリーダーをお払い箱にしなくてはと考える。もっとしっかりした政治指導者を求めるなら、国民の側ももっと我慢強くならなくてはならない。政党の側はあいまいな世論調査結果など無視するべきだし(日本ではその調査手法からして疑わしい)、何かまとまった仕事ができるだけの時間を自分たちのトップに与えるべきだ」
英語メディアが伝える「JAPAN」なニュースをご紹介するこのコラム、今週は「ドジョウと呼ばれた男」、ないしは「ノダと呼ばれた魚」についてです。え、一国の総理大臣に失礼な物言い? だって野田佳彦新首相が自ら、そう自称したのですし。支持率の低さを冗談のネタにしている場合かと批判する記事もありましたが、新首相の「自称ドジョウ」は英語メディアではおおむね好意的に受け止められたようです。もっとも、良かったのは「ドジョウ」だけであっという間にまた首相交代なんてことになりかねないと、そういう冷めた目線が前提ですが。(gooニュース 加藤祐子)
○「ドジョウよ、おめでとう」
<中略>
早いものでは(予定稿を用意してあったのか)決選投票の結果発表から約1時間の午後3時半ごろには長行記事が出ていました。たとえばAP通信のマルコム・フォスター記者は、野田氏について「財政保守として知られ」、「日米同盟を強力に支持してきた」ことや、「中国の経済成長を称えながらも、軍事力の拡大に懸念を表明してきた」ことも説明しています。
米紙『ワシントン・ポスト』は社説で、「日本の政治家たち、新首相を決める またしても」と見出しからして皮肉たっぷりです。しかも出だしからいきなり「日本の有権者の意見が通るなら、新首相は前原誠司前外相だった」と。
(余談ですが、『ワシントン・ポスト』など一部の英米メディアによる前原氏プッシュはちょっと驚くほどです。まえにもご紹介したように、同紙は今年1月に訪米した当時外相の前原氏を非常に好意的に取り上げていました。献金問題で外相を辞任した時には英紙『ガーディアン』も辞任は「損失だ」と惜しみ、英紙『フィナンシャル・タイムズ』も先月の時点で前原氏を次期総理と見込んでいるかのようなインタビュー記事を掲載していました。何はともあれ前原氏は、英語メディアへのアピールには大成功しているようです)
話がずれました。前原氏ではなく野田新首相に話を戻しますと、『ワシントン・ポスト』社説は、世論調査の支持率は実に5%に満たなかったのに民主党議員たちは野田氏を選んだとこれまた皮肉たっぷり。野田氏が代表選前に「ルックスはこうなので支持率は上がらないかもしれない」と述べたことについても、ほとんどの日本人が民主党も自民党をも「見下している(hold with disdain)」状況だというのに、首相候補が自分の支持率の低さを自慢するのは「奇妙な話だ」と。ただし「最近の歴史がプロローグとなるなら、(低い支持率という)その選挙公約だけはおそらく実現されるだろう」と。さらに、日本は慢性的な政治危機状態にあり、加えて大震災、長引く経済停滞、アメリカの財政危機より遙かに大規模な公的債務の問題を抱えているのだが、その中で総理大臣になった野田氏はともかくも、「1年でいなくなる力なき前任者たち」の運命を避けるのが第一の任務だと。いや、もう、すごい皮肉の連発です。
同紙社説いわく、野田氏はその指導力で選ばれたのではなく、民主党内の内輪もめで選ばれたに過ぎないと。そして「ややナショナリスト」なため韓国や中国は「警戒している」と。「fiscal hawk(財政タカ派=財政保守、緊縮財政派)」でもあるため、野田氏が震災復興財源として消費税増税を掲げるのを評価するエコノミストもいるが、「ただでさえ輸出依存で内需を嫌う日本経済の矛盾をさらに悪化させるかもしれない」と。しかも野田氏の増税論がたとえ評価に値するとしても、「明確な政策目標のもとで党内の一致団結を図るのは無理かもしれないし、ましてや自民党が支配する参議院をも通過させるのは困難だろう」と。
その上で同紙社説は「日本は今でも世界第三位の経済大国だし、アメリカにとって今でもアジアで最も重要な同盟国だ。日本の政治膠着は、人口1億2600万人の島国のはるか彼方にも影響を与える。ゆえに、悲観論者たちの誤りを野田氏が証明し、総理大臣メリーゴーラウンドの回転速度を下げてくれるよう、私たちは期待している。ドジョウよ、おめでとう(Congratulations to the loach)。あるいは、長期政権となりますように」と結んでいます。
皮肉にまみれてはいますが、日本の政治膠着が日本以外にも影響を与えるというのは、本当にその通りだと思います。そして「ああ、もうどうでもいいから。日本がどうでも、もう世界に影響ないから」と無視されないだけ、私たちは幸せなのだし、そう言われないうちに何とかしなくてはならないのだ、とも思うのです。
野田氏の最大の課題は「首相でい続けることだ」と書く米紙『ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)』も、野田氏は菅政権の財務相として「財政タカ派主義の広報マンだった。日本ではそれは拡大する社会保障費の財源として消費税率を倍にすることを意味する」と説明。しかし野田氏は「財政タカ派」と言っても、被災地復興のために「ケインズ的な大盤振る舞い(Keynesian spending spree)」に疑問を呈するには至らなかったし、それ以外の成長改革戦略(郵政民営化の復活や経済の大規模規制緩和、外国人労働者の受け入れなど)についてはまったく期待できないと。
<中略>
さらに同紙は、前任の鳩山由紀夫氏や菅直人氏と比べて「まだ強大すぎる」官僚寄りで、特に財政についての考え方が財務省に近すぎると懸念するものの、「絶望は時期尚早すぎる。人気者でカリスマ性のある前原誠司前外相と手を結ぶことによって権力を握った野田氏のやり方は、期待できる」と書きます(またしてもここでも、WSJも「日米関係の強化を掲げ」てきた前原氏をプッシュ! 消費税増税に反対する前原氏が、野田首相の考えを変えさせるかもしれないとまで)。
○「ドジョウ」で結構
前述したようにやはり前原氏に注目していた英紙『フィナンシャル・タイムズ』は8月23日の時点でも、前原氏の代表選出馬によって「野田氏の勝算は少なくなった」と書いていたのですが、今回こちらの社説(日本語訳はこちら)でも「過去6人の総理大臣のうち総選挙で選ばれたのは、民主党の不運なリーダー、鳩山由紀夫氏だけだ。ほかの5人は皆、党内シャッフルで選ばれて首相になった。この点を強調するかのように、国民の人気という意味では明らかに抜きんでていた前原誠司氏は、党内投票では3位と後れを取った」と、野田氏の勝利は日本政治の常なる不透明性によるものと位置づけています。
<中略>
上述した『ワシントン・ポスト』は野田氏の「ドジョウ」について皮肉たらたらでしたが、英誌『エコノミスト』は、「いたと思ったら明日にはもういない」一人に過ぎないと野田氏を一蹴する前に、ちょっと待ってと。新首相には「少なくとも二つ、これはと思える点がある」と評価しています。二つとは「健全な危機意識と、いい感じに自嘲的なユーモア感覚」だと。
この「自嘲的なユーモア感覚(self-deprecating sense of humour)」、つまり「自分で自分を笑える能力」というのは(少なくともイギリス人にとっては)、「いい奴」かどうかを計る上で、実にものすごく大事なポイントなのです。それだけに、それを『エコノミスト』が好意的に拾い上げているのは、日本人としては「はあ、やれやれ」です。
記事は前原氏や海江田氏が期待はずれだったと書いた上でこうも書きます。「野田氏はあの気持ちのこもった15分間の演説で、ライバルたちより抜きんでた。その点だけでも評価に値する。演説の中で彼は、自分がいかに誰も知らない土地の出身で(といってもまあ、千葉県なのだが、多くの東京人にとっては同じことだ)、政界へのコネもなく、有権者の支持を獲得しようと何日何日も街頭を歩き回ったなど、きわめて人間味溢れる話をした。そして実に巧みに、自分の最大の弱点と一部で言われている点にも触れた。つまり自分は総理大臣らしく見えないと」。
記事はここで野田氏の「ドジョウ」を取り上げ、「重たい負担を背負わなくてはならないかもしれないと(つまり増税だと)、国民に言いにくいことをはっきりと告げた」と評価。……なんだか『エコノミスト』のこの記事を読んでいると、(オバマ大統領のような)感動的な演説だったような気さえしてきます。
とはいってもこの記事の見出しは「A Fish Called Noda(ノダという魚)」であって、つまりコメディ映画『A Fish Called Wanda』(邦題「ワンダとダイヤと優しい奴ら」)のタイトルのもじりなので、そんな感動路線のわけはありませんが。
<中略>
『フィナンシャル・タイムズ』が社説で次のように書いていた、その耳痛い仰せの通りなのですから。
「国民にも一定の責任はある。首相が新しくなるたびに、世論調査は同じように動く。出だしの人気はとても高いのだが、数カ月もたつと国民は飽きてしまい、党は、選挙の足かせと思うようになったリーダーをお払い箱にしなくてはと考える。もっとしっかりした政治指導者を求めるなら、国民の側ももっと我慢強くならなくてはならない。政党の側はあいまいな世論調査結果など無視するべきだし(日本ではその調査手法からして疑わしい)、何かまとまった仕事ができるだけの時間を自分たちのトップに与えるべきだ」
短時間に意外と多くの記事が書かれているのだそうで、まだまだ日本も見捨てたものではないと。
前原氏の評価が高く、世論調査と民主党議員の選択の乖離が指摘されたり、前原氏と手を組んだからいいと評価されたりしています。
総じて好意的なのだそうですが、長期政権維持できるのかなど冷めた目線も付きまとっていての評価の様ですね。
遊爺が注目したのは、『ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)』の評価。野田氏の直近の国際的実績として顕在している財政から評価をするという、お祝いムードではなく事実に則った冷静沈着な評価で、ズバリ的を突いていると考えます。
つまり、「財政タカ派」といいつつ、被災地復興のための「ケインズ的な大盤振る舞い」に疑問を呈していない。成長改革戦略(郵政民営化の復活や経済の大規模規制緩和、外国人労働者の受け入れなど)についてはまったく期待できないと言っているくだりです。
政策の軸というか、ビジョンが示されてなく、流れに流されていないかと...。
欧米にとっては都合の良いことなので触れられていませんが、超円高を招いた担当大臣としての動きは、傍観する時間が長かったことで助長していないのか、単独為替介入のほかにも手はあるが、何処まで想定・準備しているのか、などなどの重要政策実績が、ドサクサで議論が止まっていることとも通じると考えます。
輿石氏、小宮山氏、鉢呂氏の登用は、党内融和としても、日本の国益にどう寄与するのか、野田氏の描く日本のあるべき姿に、外国人参政はどのような必要性があるのか、遊爺にはまだ理解できません。
民主党を壊さない、政権与党の座を守ることが最優先で、国民や国の為の政策が後回しにされることがない様、注視していく必要がありそうです。
『フィナンシャル・タイムズ』が、国民にも一定の責任があると、世論の動きを指摘しているそうです。
メディアのリードが大きいのだと思いますが、それに引きずられる国民に責任があるといえば、そういうことにはなります。メディアが最初に正体を隠して報道し、知らない国民が時間の経過とともに事実に遭遇し知ってくることで評価が変わるのが大部分です。
鳩と菅で証明されていることですし、駄目なものを継続させれば日本が滅亡するから、やむを得ず変えているのです。
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