yuuの夢物語

夢の数々をここに語り綴りたい

味噌蔵・・・2

2007-10-21 00:38:23 | 創作の小部屋
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倉子城物語

      味噌蔵



 時は文久の三年続きの飢饉の後、幕府が出した津留め令、その令を破って下津井屋、児島屋、浜田屋が裁きを受けたが、代官交替で櫻井久之助が着任すると、倉子城は港ではないから津留め破りなど起ころう筈はないと無罪にした。この裁きをめぐって大きな事件が起きるのだが、それは後の話として・・・。

 つまり、江戸末期、幕府の屋台骨がぐらぐらと、商人が天下を取っていたということを承知しておいて頂き・・・。蛤御門の変の後、幕府は長伐軍を芸州口まで行かせ陣していた頃であった。

 代官櫻井は金と女と将棋が大好きという男であった。 櫻井は長州の動きを探るため、年に何度か安芸へ出向いていた。それ以外は殆ど何もすることがなく、村の旦那衆を集めては将棋の相手をさせ、駒を指先で器用に弄びながら名字帯刀を五十両、永代名字帯刀を五百両と王手飛車を打っていた。

「この度拙者がここの代官になって二年になるのを機に、将棋の達人を決めたいと思うとるがどうであろう」

 と将棋相手の児島屋に言った。

「それは面白う御座いますな」

 と世辞に長けた児島屋が話に乗った。

「面白かろう、村人との親睦になり、埋もれた人材を掘り起こし代官所に抱えたいと考えておる」

 櫻井は強面の顔を崩しながら言った。

「それでは、達人を武士に取り立てということになりますな」

「そうよ」

「それはまた、代官さまの豪胆な計らいですな」

 と言うような訳で、倉子城村将棋大会が決まった。

 腕に自信のある者は誰でも構わない。身分を問わない。一番なった者には金五十両、望めば代官所の抱え武士に取り立てる。と言う高札が村の随所に立てられた。


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皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・

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作者のブログです・・・出版したあとも精力的に書き進めています・・・一度覗いてみてはと・・・。
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