チェイルチョアハヌン韓国ドラマ&韓国旅日記

韓国ドラマだ~いすき!
毎日韓国三昧な日々を過ごしています。
気ままな独り言におつきあいくださいませ。

創作「赤と黒」~新たなるラストシーンPart27~

2013-07-21 12:13:10 | 創作「赤と黒」
皆様 暑い日が続いていますが
体調はいかがですか。
キム・ナムギルssiの
KBSドラマ「鮫(상어)」も
見逃せない展開になっています。
日本での放送も待ち遠しいですね。

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食事を終え,漢江が遠くに見える窓際に
ソファを移動させ,二人で寄り添うように
座った。外はすっかり夜のとばりが降りていて
漢江の水面に映る灯りが美しい。
ゴヌクは窓の外を見つめながら口を開いた。

「さっきは驚かせてごめん。」
ちらりとジェインを振り返る。
「ううん。…私…嬉しかった。」
ジェインは漢江を照らす橋の灯りに目をやった。
「…かっこわるいよな。まるで高校生みたいだ。
 愛してるなんて…衝動的に口にしてしまって…
 でも今言わないとだめだと思ったんだ。…今告げたかった。」
真剣なゴヌクの言葉に ジェインはゴヌクの瞳を見つめて
うなずいた。そして,二人はそっと視線をはずす。
見つめ合うと,素直な言葉が出てこない気がして…
ゴヌクはここ数ヶ月のことをジェインに話した。
とりとめもなく話し続けた。本当の思いを
話したかった。本当の自分を知ってほしかった。
「シスターに話を聞いてもらったとき,気付いたんだ。
 自分がどれだけ お前のことばかり考えていたのか。
 復讐のことばかりに追われていた生活の中で
 本当の自分の姿で話ができたのは お前だけだった。」
ジェインはうんうんとうなづくことしかできなかった。
こんなに自分の気持ちを話してくれるゴヌクの姿は
初めてだった。いつもそばに近づくと突き放され
離れるとどこからともなく現れ そんな二人だった。
そして,近づくといつもどちらかが泣いていた。
今もまた涙が溢れそうになる。
「あの頃,テソンとお前が近づく姿は見たくなかったし,
 見ないように努力した。傷つけられてふさぎ込むお前は
 抱きしめて守りたかったし,なによりいつもそばにいたかった。
 だけど,それがどれだけ独りよがりでわがままな気持ちだったか
 知っていたから…君に告げることが怖かった。」
ジェインはそっとゴヌクの手に自分の手を重ねた。
彼がもっと勇気をもって自分に近づいてくれることを
願った。




「財産も地位もなく汚い手を使って復讐を遂げようとする
 ただの悪人の自分が…君をさらに傷つけるのじゃないかって
 そして 俺が近づけば 君もまた君らしさが失われていく気がして
 悪いやつじゃないのに 悪い女のふりをしようとする。
 だから わざと遠ざけようとしてもみた。
 …なのに何もかもが終わったあの時
 死ぬつもりでいた俺をきみが救った。」
ジェインの目から涙が溢れる。
あの時,自分が抱きしめたあの時
この人は死ぬ気だったんだ。
「お前に側にいてほしかった。
 そう,あの夜 言いたかったんだ
 側にいてほしいと。愛していると。」
ゴヌクの瞳もまた涙で濡れていた。
ゴヌクは指先で手のひらで甲で
ジェインの涙を優しくぬぐう。
「ただ まだ 本当には勇気がなくて言えなかった。
 そして そのあと 神様が僕に正しい罰を与えに来たと思ったんだ。
 だから 死んでもしかたないと
 どうせ 初めから死ぬ気だったのだからと…
 なのに…なのに,怪我をして意識が遠のく瞬間に浮かんだのは
 君の顔だった。そばにいたいと思った。
 生きていたいと思った。」
「ゴヌガ…」



ジェインは思わずゴヌクを抱きしめた。
ゴヌクもジェインの背中に手をまわし
そっと抱きしめる。ゴヌクがジェインの耳元に
告げる。優しい声。
「だから 今言わないと後悔するから
 言いたいと思ったときに言わないと
 いけないと思うんだ。
 はたして正しいかどうかわからない。
 罪を償ってもいない自分が未来に向かって
 歩き出していいのかどうかも分からないけど…
 それでも ジェイン お前にそばにいてほしい。
 いや 俺がお前のそばで生きていたいんだ。
 かまわないかな?」

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ようやく ゴヌクは新しい人生を
踏み出そうとしています。

またのお越しをお待ちしています。
(タウメ ボジャ~^0^)