夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

湊かなえ著「サフアイア」 (ハルキ文庫)

2015-07-21 00:53:57 | 本と雑誌
サファイア (ハルキ文庫)
湊かなえ
角川春樹事務所




「真珠」
たぬきに似た顔の若くない女と 男が会話している
その場所がどこかは書かれていない

この会話は何のためなのか 多少イライラしながら読み進んでいくことになる
今はたぬきのような顔にたるんだ体つきなのに やたら若いころは綺麗だったの 子供のころはかわいかったのーなどと自慢げに話す女


そして女が放火犯だとわかる
男の素性も

男は 女の仮面をはがすー

しかし男は男の事情もかかえている
それはー幸せなものではないー



「ルビー」
実家の近くに立った特殊な施設
そこで暮らす人間と懇意になった両親と妹
妹の話を聞くうち 姉は気づくことがありー
姉の話から妹も気づく

気づかないほうがーよかったかもしれないー




「ダイヤモンド」
踏まれそうな雀を助けた男のところに 恩返しをしたいと女の姿で雀がやってきた
男には美人の婚約者がいた
雀は 男が騙されていると言う

男を騙した女は死んだ
そして警察が男を呼び出す

雀は本当に存在したのだろうか




「猫目石」
猫を助けてくれた一家に親切ごかしに告げ口する女

家族それぞれの秘密を 教えられた家族はー
女はひき逃げにあって死んだ

自業自得か それともー




「ムーンストーン」
夫の暴力に耐えていた妻は 夫が子供にまで暴力をふるおうとした時ー子供を守ろうとしてー反撃
夫は死んだ
その妻を救う為に現れたのは

彼女が正義感から手をさしのべた女性だった

ー親友とはー 自分が命がけで守りたいと思う人のことだー
学生時代の気持ちのままに 立ち上がり救いにきてくれたのだ




「サフアイア」「ガーネット」
前後編というか 二つで一つの物語
死んでしまった恋人と その恋人がしてしまった仕事
そして残されて生きていく女性の物語



この本を読みながら 目を上げてテレビを観たらー湊かなえさんが出ていた
SMAPの番組です

ふうむーと この{たまたま}な出来事を面白く感じました

「告白」の映画では松たかこさんが演じた 生徒に復習する教師の役を 男性で演じるならば木村拓哉さんにしてほしいと リクエストされてました

他の作家ゲストは 西加奈子さんと又吉直樹さん
SMAPのメンバーを それぞれ文で表現してました 


文庫本の解説は児玉憲宗(こだま けんそう)氏

{湊かなえさんの小説はおもしろいが、後味が悪いという声を聞くことがある。
このせちがらい世の中、ストレスが溜まることの多い日常から、少しだけ離れ、小説の世界に浸ることで、幸せな気持ちになって、元気を取り戻したい、
感動を得て、また明日から頑張ろうという気持ちになりたいというのだ。
そんな人に会うと、すぐさま体育館の裏に呼び出し説教したくなる。
確かに、最近の小説には、清々しい結末、感動的な結末が待ち構えている作品が少なくない。

しかし、よく考えてほしい。人間には喜怒哀楽、さらには、この四文字では表せない複雑な感情を抱く生きものだ。
にもかかわらず、苦しい部分、つらい部分を避け、醜い部分をオブラートに包んでしまったお行儀の良すぎる小説など、なんの意味を持つというのか。
イミテーションの宝石の輝きに魅せられているようなものではないか。

湊かなえさんは、文字だけでは言い表せない人の感情を、物語を通じて表現する作家であり、心の奥底に潜んだ闇の存在を我々に気づかせてくれるのである}


などと 書かれている


作家の作風は変わっていく

著者がこれからどういう作品を書いていくのか それはわからない


定義づけせず 読みたいものを選び 取捨選択していくのも 読み手側の楽しみ


私は毒のある小説も {お行儀のよすぎる小説}も どちらも好きだ


もしも体育館の裏側に呼びだされたら 無視する・笑

自分の本の趣味を説教などされたくない

好きな本を読めばいいと思うから

そんなことで 体育館の裏側へ こそこそ呼び出しはしない

意味がないものなどない
好きか嫌いかーそれだけだ

自分の趣味をおしつけるなんて それこそ「おせっかい」
おおきなお世話

私が興味あるのは これから湊かなえさんが どのような作品を書いていかれるか
そちらのほうだ


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4 コメント

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Unknown (けん)
2015-07-21 03:02:55
湊かなえと西加奈子がSMAPの番組に出ていたんですか~。
観たかったな~。
西加奈子さんはインタビュー番組観たことあるけど、湊かなえさんは観たことがないのでどんな人なのか知りたかった~。

俺は”毒のある湊かなえ”が好きだけど、みんなそれぞれですもん

書き手も読み手も、どっちもワガママでいいんだと思います。
かなえさん (まっき~)
2015-07-21 05:40:12
じつに多作のひとですね。
ひょっとしたら次世代の宮部みゆきになるかも・・・と思っていたこともあるのですけれど、ちょっと趣はちがうかな~。
けん様 有難うございます (夢見)
2015-07-21 09:20:01
湊かなえさん ごくごく普通の女性です
でも感性はちょっと面白そう^^;

外見は小柄な方(ほう)で そのへんのスーパーにいても全く違和感ない方
素顔は明るい関西のおばちゃんーなのかもしれません

でもね いちゃもんつけたみたいだけど(笑) とてもいい解説でした
湊かなえ愛はー感じられました

私は かなり天邪鬼(悪い方にです)なので

昨夜のSMAPのレストランのコーナー
ネット配信動画で見られたらーいいのですが
面白かったんです 
まっき~様 有難うございます (夢見)
2015-07-21 09:27:24
一時期たて続けに本が発行されててー

すごいな~~~と思いつつ読んでいました

ちょっと落ち着かれたみたいですね

炊飯器に携帯電話を入れてしまって
炊飯器は防音になっているから 家の固定電話からかけても 受信音が聞こえなくてーって話が面白かったです

湊かなえさんいわく「たぶん お米をといでいて 電話がかかってきて 切った電話をとぎおわったお米と一緒にー」と
いつか この体験からの小説も書かれるかもしれません^^;


純文学からハードボイルド
中国モノ 時代小説ーと北方謙三氏も書くものが多岐に渡っていき

そんなふうに作家さんの書かれる作品は変化していくから

何処へ落ち着いていくのだろうと思います

宮部みゆきさんとも共通点ありますね

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