夢見るババアの雑談室

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ほぼ身辺雑記です

誉田哲也著「ケモノの城」〈双葉文庫〉

2024-09-04 12:20:55 | 本と雑誌

 

 

保護を求めてきた少女にはまるで拷問されたような傷が全身にあった

剝がされた爪 火傷・・・・・

少女はどういう目にあってきたのか

少女と同じ家に暮らしていた女性の話も要領を得ない

警察側の我慢強い調べで どうにか浮かび上がってきたのは

 

平行して語られる若い男女の暮し

しかしそれは女性の父親が同居するようになってから・・・不穏なものとなっていく

 

人を操り金を巻き上げ 言葉と肉体への暴力で支配する人間

この人間により 虐げられていつしか自身の自由な意志も常識も奪われ

殺す側と殺される側へと・・・

死体の始末の方法も凄まじい

 

誰が誰を殺したのか

 

娘を守るために殺された父親

 

娘を守る為に妻を殺した男

他人の家に寄生し やがてはその家の主となり 己の快楽優先で人を虐待し死に至らしめる・・・・・

金も命も奪いつくしては移り住み生きてきた人間

えぐい 

 

文芸評論家の関口苑生氏の解説によれば モデルとなった2002年北九州市小倉北区で起きた凶悪監禁殺人事件があるのだと

ご記憶の方もおられるかもしれません

 

 

悪魔的な操りの支配下で 親は子を殺し 子は親を殺す そういう選択をさせられる

苦痛から自分が逃れたいが為に

そこまで追い込まれる

良識も思考力も奪われる

 

凄惨な場面の描写も繰り返しありますので 気の弱い方には無理かもしれません

食事しながら読むのは お止めになった方がいいかしらと

 

 

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ごめんなさい



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