夢見るババアの雑談室

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春江一也著「ウィーンの冬」上  集英社文庫

2014-07-28 10:59:46 | 本と雑誌
春江一也著「ウィーンの冬」上  集英社文庫
春江一也著「ウィーンの冬」上  集英社文庫
春江一也著「ウィーンの冬」上  集英社文庫
春江一也著「ウィーンの冬」上  集英社文庫
春江一也著「ウィーンの冬」上  集英社文庫
「プラハの春」「ベルリンの秋」に続く堀江亮介を主人公とする東欧三部作 


外務省から表向きリストラされた堀江亮介はウィーンへ出向くことになる 


その秘密の仕事の間に 寂しく病気でシルビアは死んだ 


「プラハの春」では愛するカテリーナが射殺され 「ベルリンの秋」で再会したシルビアは 母親カテリーナに生き写しの姿に成長しており 堀江はシルビアとも恋愛関係に陥る 


プラハの春の後で 帰国した堀江は日本人女性を妻にするも温かな家庭は得られず シルビアと結婚したいがために妻に離婚を申し出た 


だが「ウィーンの冬」ではシルビアと堀江はそれぞれの国で離れて暮らしている 

連面と堀江はシルビアを思うも任地から会いに行こうとはしていない 

相手が病気と知りながら


幾ら相手の女性を愛しているーと作中で綴られようとも 何か女性のことは後回しの狡さを感じる 


相手が目の前にいたら欲望に浸りっぱなしーなのだから  堀江のカテリーナとシルビアの母と娘への気持ちはただの性的な欲望に支配されただけの がっついて醜く相手の女性を不幸にしかしない代物と思えてくる



心から愛する女性が病気ならば 何があろうと会いにいくのが 本当の恋ー愛情ではないだろうか



シルビアが死んだと知って堀江が体を壊そうとも それは恋人に死なれた可哀想な自分に酔っているとしか見えない 

「ベルリンの秋」のラストを読んだ人間なら 3人(堀江とシルビアと息子のフリッツ)は一緒にいるーそう信じただろうと思う



しかしそうではなかった 堀江は自分が選択した孤独と味気ない日々の中にいて 国際的なゴタゴタの中へ飛び込み 古い恋は物語展開の邪魔とばかりに 上巻にてシルビアは病死して退場 


物語の中ではオウム真理教をモデルにした胡散臭い新興宗教が扱われる 


現実に地下鉄サリン事件や数々の物騒な事件を起こした呆れ果てるこのエセ新興宗教はまだ現在も信者を集めている


信者を騙してお金を集めている 


選挙では「しょ~こぅ~~~しょ~こぅ~~~あさはらしょうこう~~~♪」なんて みっともない歌と踊り 

逮捕されるまでは隠し部屋にいぎたなく隠れていたという教祖 



ただの太った汚い女好き卑猥男 

こんなものを「信じる」なんて 狂気の沙汰だと思う 


オウム真理教をモデルにいじくりつつ 物語は下巻へと進んでいく


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