![]() | 祈りの幕が下りる時 (講談社文庫) |
東野 圭吾 | |
講談社 |
警察官・加賀恭一郎の母親は彼が子供の時に姿を消した
書置き一つ残して
それから孤独に死を迎えるまでの人生を加賀は知らない
加賀の母親が家を出てどう暮らしていたかー加賀の母親の田島百合子を雇った女性が見届けた百合子の死までが冒頭描かれる
百合子と関わり合った男の存在・・・
それから現在の殺人事件
焼けたホームレスの死体
絞殺された女性
加賀のいとこの松宮刑事は この二つの殺人に共通するものを感じる
絞殺された女性は女優から演出家に転身したかつての同級生・博美を訪ねての上京だった
過去に面識ある加賀と博美
橋と月のメモから加賀の母親と関わりあった男性が浮かび
加賀も捜査に加わることになる
自堕落な母親が出奔し 多額な借金を背負わされた父親は博美をのこして飛び降り自殺をした
女優となり結婚したものの離婚
演出した舞台が人気を呼んでいる・・・成功していると言ってもよい博美
けれどその過去には重い 重すぎる秘密があった
ー母親にはなれない なってはいけないー夫との間にできた子供すら堕胎
いつか その秘密が追いかけて来る
過去が追いつく
そうして過去の罪が明らかになる時・・・・・
いっそ彼女は楽になるのかもしれない
事件は終わり 加賀恭一郎も新しく歩き出す その人生へ
加賀恭一郎ー阿部寛
浅居博美ー松嶋菜々子
ーという配役にて映画化されております
娘を護る為に罪を重ねる父親
その父親の首を絞める・・・・
より楽に父を死なせる為に
切ない重さが含まれている作品です
ただミズテリ 事件物でなく それを越えた小説のように思います
浮かび上がるのは浅居博美という女性の半生
視点を変えた加賀の推理と
もっともっと具体的に詳しく知りたい方へ
こちらのサイトがとても詳しくわかりやすいです↓
http://blog.imalive7799.com/entry/Inori-No-Maku-201802