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夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

藤沢周平著「雪明かり」講談社文庫

2007-02-04 14:30:09 | 本と雑誌

藤沢周平著「雪明かり」講談社文庫
「恐喝」自分に優しくしてくれた娘を救うため 命をはる男 だがしかし死出の旅近くに求めた面影は― まっとうな生き方を手放した男の哀歌

「入墨」自分を売った父を恨んでいた娘であったが その父は娘を苦しめた悪い男を殺してくれた かけ違い 行き違う思いが哀しい

「潮田伝五郎置文」かつて憬れた女性の名誉を守って死んだ男だが その行為は ただの迷惑なのだった その皮肉

「穴熊」好きな女に似た女性を身売りする苦界から救ったつもりが 女は既に変貌していたのだ

「冤罪」気になる女の父が罪をおかしたと言う しかしそれは― 明るい結末がほっとさせてくれます

「暁のひかり」死んだ娘 その死は一人の男に完全に道を見失わせた あとは墜ちるのみ

「遠方より来る」おかしくも厚かましい男が気になる主人公は やはりお人よしなだけなのだろうか

「雪明かり」嫁いだ血の繋がらぬ妹 その不幸は男の心を生き返らせた 本当に生きるのだ!

以上 藤沢ワールド

地味ですが いいです


ジル・チャーチル著「飛ぶのがフライ」創元推理文庫

2007-02-04 01:25:12 | 本と雑誌

ジル・チャーチル著「飛ぶのがフライ」創元推理文庫
このシリーズの楽しい翻訳を手掛け続けた浅羽女史は2006年 9月18日に亡くなられたそうです とても残念です 彼女の訳とあるだけで安心して読めました リズムある文体 ミステリーの読む楽しさをよく知り 崩さぬ面白さを与えてくれました

そんな浅羽先生の訳したジル・チャーチルの既刊は 「ゴミと罰」「毛糸よさらば」「死の拙文」「クラスの動物園」「忘れじの包丁」「地上より賭場に」「豚たちの沈黙」「エンドウと平和」

いずれ映画(もしくは小説)の題のパロディになっています

今回は三人の子持ち未亡人ジェーンは友人シェリルと子供たちのキャンプ場視察に そこで死体を発見してしまいます

ところが その紛れもない死体が 生きていたという摩訶不思議

なんで~

今までにも数々の事件を解決してしまったジェーンは ある証拠に気付き・・・・・

ジェーンには事件を通じて知り合った恋人のメル・ヴァンダイン刑事がおります

今回は活躍場面がなくて残念

西山クニ子さんの表紙イラストも楽しいです

同じ作家の無一文兄妹が毎回事件に巻き込まれるグレイス・フェイヴァー シリーズも楽しいです こちらも続きが首も胴も長くして新作を待っています