Chance is with the music

音楽を糧にしつつ、日々を過ごしてます(家主:yucca)

Shikao&The Family Sugar@日本武道館(1日め)

2007-02-26 23:54:31 | LIVE
まず最初におことわりを。今回のライブレポのタイトルは「スガシカオ」でなくバンド表記にしてみました。実際にこのバンド表記でのツアーだし、私が好きなのはシカオちゃんでありファミシュガでもあると再認識したので。

さて直前のシカオちゃん体調不良ダウンにより、お楽しみモードから一転、ああもうどうなっちゃうんだろうと心配な気持ちでこの日を迎えたであろうファンで埋め尽くされた、2/26の武道館。そう、この日は記念すべきシカオちゃんの10回目のデビュー記念日なのです。会場はアリーナに花道ありの、天井にはミラーボールありの、どう見てもお祭りムードなセッティングなのに。素直に浮かれ気分になれませんよ。

大きなステージを眺めつつ開演時間を迎えると、突如場内が暗転。おお?と思ったその瞬間、アリーナ中央まで伸びた花道を歩く人影が見える。目を凝らすと、アコギを持ったシカオちゃんが、花道先端のマイクスタンドに向かっているじゃありませんか。そして、ひとことも発することなくシカオちゃんが弾き語りで歌いだしたその曲は・・・愛について。うわああああなんだこのオープニングは!!

花道の脇のトーチの炎だけに照らし出されたシカオちゃんは、いつものあの声で名曲を披露。まさか、こんな形で10周年記念ライブの幕を開けるとは。なんて心憎い演出。どうしましょう、まだライブが始まって立ち上がってすらいないのに、もう鳥肌の嵐なんですが私。

愛についてが終わると一転、突然まぶしくなったステージの上にはファミシュガの面々がご登場です。ここでお客さんも一斉に起立。そして、まずイントロダクション的なカッコいいフレーズを一発かましてくれたかと思いきや、そのままなだれ込むように次の曲・・・Thank You!うきゃあああ!(←うるさい)

ある意味、弾き語りとは最も対極にある曲といっても過言ではないのが、このThank Youだと思うのですが。違和感を感じるどころか、体に心地よくリズムが染み渡り、スイッチがファンクモードに切り替わるのを実感してめちゃめちゃテンションあがりました。しかも、ファミシュガの音はどうやら武道館と相性抜群のご様子。

そしてそのまま、ヒットチャート→黄金の月へとなだれ込みという。うああああもう何なんだこの序盤からの圧倒されっぷりは。

4曲終わって、やっとMCに。まずはみんなが心配していた体調の件について、実は大阪城ホール後に一部のスタッフ等が一斉にインフルエンザに感染し、シカオちゃんはその中でもいちばん後の発症だったのだそうです。つーか森さんも感染してたのかよ!いやはやなんという危険な展開だったのでしょう、そして今日は本当に大丈夫なのでしょうか。見た目は元気そうでも、まだまだ不安はぬぐえません。

で、またまたびっくりしたのが次の曲。まさかまさかのメドレーですよ。しかも3曲や4曲じゃなく、名曲を鮮やかに繋いでいく超豪華メドレー。たしかサナギ→アシンメトリー→秘密→ぼくたちの日々→8月のセレナーデ→光の川→クライマックスだったと思います。けっこう1曲1曲長くやってたと思うんですが、トータル何分くらいあったんだろか。いやあ、メドレーのつなぎ部分のアレンジがやたらカッコよすぎでした。そして何よりも、大好きな8セレが聴けたことがうれしくてうれしくてもう。

夜明けまえで一息入れたのもつかの間。すぐさま次のAFFAIRで、意識を奪われそうになりました。森さんのあの、突き刺されるようなピアニカを聴くのもすごく久しぶりだなあ。この曲、もっともっとライブで聴かせて欲しいですよ。何気にAFFAIRのような曲って、あんまり最近シカオちゃん歌わない気もしますし。

で、確かこの後にグッド・バイだったように思います。これが今回のいちばんの「大穴」曲かなあ。後になって考えると、例えばこの曲の代わりにひとりごととか、坂の途中とかでも良かったんじゃないかとも思えるのですが、でもこれはこれで良かった。SWEET全体のあの感触みたいなものが、リアルに蘇ってきたというか。ああなんかうまく表現できない。

ここで、ステージ上にストリングスの方々4名がご登場。で、シカオちゃんは再びアコギを抱えて花道の先端へと移動していき、まずはアコギ&ストリングスのシンプルな音で、夜空ノムコウを。正直、ここまでシカオちゃんの喉の調子は決して万全な感じではなく、聴いててハラハラする場面も所々あったのですが、確かこの夜空のあたりから持ち直したように思います。つーか多分、声帯が弱いなりにうまくコントロールして歌う技を身につけているのだと思いますが。普通に聴く限り、何の申し分もない素晴らしい歌でした。

そしてこの次が、この夜の個人的ハイライト。一転してファミシュガのリズム隊からジャジーな音が奏で始められ、そこにストリングスがスリリングな音を絡める。これは・・・これからむかえにいくよ、ですよ。あの私が死ぬほど大好きな、ジャズアレンジ風の!うああああああ。

この曲は、私の中ではリズム隊の3人(ファミシュガでは鍵盤はリズム隊に属します)が主役。3人の奏でる音は、ほんとうに一分のスキも無駄もなくて。そこにシカオちゃんの詞が鋭く乗っかり、ストリングスの力もあって武道館の大きな空間がまるで小さな密室のように支配されてしまったかのような。おかげでなぜか涙は出そうになるわ息苦しくなりかけるわで、もう自分大変状態。なんか言ってることが訳わからなくなってきましたが、そのくらいすごかったのです。ああ、あのアウトロの森さんソロをもう1度、いやもう何十ぺんも聴きたい。

さらにファミシュガとストリングスのスペシャルコラボは、まだまだ続きます。19才・ストリングスバージョンというのもたまげましたが、これがまた信じられないくらい絶妙のハマリ具合というか。むしろライブでなら、シンセを鳴らすよりストリングスのほうが絶対良いとすら思いました。一体だれだ、こんな天才的なアレンジを考えたのは。もうこの時点で放心状態の私は、目の前の名演を前に「ひゅううう!」と声を出すことすらできなくなってました。マジで。

ストリングスコーナーの最後を締めくくるのは、春夏秋冬。これ、実は未だにじっくり聴いたことがなかったんですが、素直にいい曲だなあと噛み締めました。この曲を終えたところでシカオちゃんから、「ここから後半、濃いのがんがんやるから!」との発言があったんですが、その瞬間「もうじゅうぶん濃いだろう!」と内心ツッコミを入れたのは、決して私だけではないですよね、スガマニアのみなさん。

後半は青空→ドキドキしちゃう→ストーリー→SPIRITまで一気に。うん、確かに濃いですが、これはガーッと踊って昇華できちゃう濃さなので超快感。ドキドキしちゃうのアレンジは、やっぱりあの感じがいちばん無敵ですね。ストーリーはいつもよりちょっと早めの曲順でのご登場でしたが、これはこれでグーです。

そして満を持して、ファミシュガのおいしさがぎゅーっと詰まった、超無敵ナンバー・正義の味方。主張しすぎないのにものすごい存在感を意識させるタカさんのドラムと、ドラム以上にリズムを感じさせてくれる森さんの鍵盤と、その2人の音に完璧にかみ合ってる秀樹さんのベース。間奏で冴える間宮さんのエレキギターと、動きも声も一層華やかさを放つ裕子&久美姐さん。だああもうシカオちゃんなんか観てる暇はないんだよおおお!(←暴言)

いよいよクライマックスというところで、おまちかねのイジメテミタイ。いつもは「シカオ&裕子」の構図が定着してるイジメテミタイですが、今日はお祭りにふさわしく、裕子&久美がシカオちゃんの両脇に立って華麗なコーラスを。そして、例のかけあいのフレーズなんですが・・・。

裕子&久美:「こんなやり方がいいんでしょう?」(と、シカオ下半身に手をやりながら)
シカオ:「そんなこと・・・言えるわけないじゃないいい」(と、情けない声で)

うおおおい、いつもと逆かよ!(爆笑)

そしてそのまま、花道に移動して踊りながら歌う裕子&久美姐さん。いやあ、この曲の主役は完全にこのお二人でしたね。アウトロでシカオちゃんがどんだけガンガンお客を煽っても、どこか情けなく見えてしまうほどの見事な演出でした。

そんな濃い世界にすっかり酔いしれていたタイミングで、空気を一変させるイントロの音。おおお、いつの間にかまたストリングスのみなさんがいるじゃありませんか。そしてそのイントロは、午後パレ。うひゃああこれがラストかー!

さっきまであんなにエロい歌声を披露していたはずのシカオちゃんが、この曲では一転して爽やかボイスにチェンジ。そのあまりのギャップの大きさに大笑いしていたら、そこに拍車をかけるようにステージ両袖からダンサーがご登場ですよ。そう、あの午後パレPVに出ていた、白ブチサングラス集団のダンサーが、総勢約30名。もちろん、こんな風なダンサーがシカオちゃんのライブに出てくるのは初の出来事です。

で、全員が横一列に並んだところで、あのサビのダンスですよ。もちろん客席も自分も踊る踊る。さらにアウトロのところで、シカオちゃんが花道に向かって歩き出すと、その後ろを並んでついていくダンサーたち(爆笑)。ああもう、なんだかとっても意味不明に楽しいよう。そんな風にして、完全に武道館が一体化したところでダンサーがステージを去り、全員が笑顔満面の中ライブ本編が終了となったのでしたー。

アンコール1曲目は予想通り、あまい果実でした。ああ、やはりこの名曲はアンコールにふさわしいなあと実感。ラストのコーラスのところで、シカオちゃんが客席にマイクを向けてくれたのが、ものすごくうれしかったです。ずいぶん昔のラジオで、「この曲でお客さんが自然発生的にコーラスをやってくれたことがあって、その音がすばらしかった」的な話を聞いたことがあって、以来そのシチュエーションに密かに憧れていたので、念願のコーラス参加に素直に感激しました。

その後は真夏の夜のユメ→奇跡、と新しめの曲を披露。で、意外にもこれでライブは終わりとなったのでした。これだけ濃いライブのラストが奇跡っていうのは、正直ちょっと物足りないんですが、逆に言うとそれだけライブがディープすぎたってことであって。これで文句を言うとたぶんバチが当たる気がする。

そんな感じで。いろんな意味で予想以上のものが待ち受けていた武道館初日。結局のどの調子については、なんとか押し切ったのかなあという感じもありましたが、それを気にしていてはいかんだろうというくらい、素晴らしい内容のライブでした。ああ、なんかもっと語りたいけど、2日目を終えるまでこれ以上はやめておこう。さあシカオちゃん、また明日。


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