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デジタル放送

2008-03-29 14:37:46 | 話題用語
地上デジタルテレビ放送は、2003年12月東京・関西・名古屋の3大都市圏においてスタートし、2006年までに全国主要都市でデジタル放送を開始、2011年7月24日には現行の地上アナログ放送が完全に停止することが決まっています。

デジタル方式では、0と1の2種類の情報しか送りませんので、雑音で乱れても、ある程度まで元の状態に復元することが可能です。そのため、アナログ方式より電波が弱くても、きれいに受信することが可能です。

また、デジタルの場合は、情報圧縮と呼ばれる技術が応用できます。情報圧縮は、セーターや布団を小さく圧縮して収納する圧縮袋を考えると分かりやすいと思います。

この情報圧縮技術により、同じ周波数帯域幅で、アナログ方式より多くの情報を送ることができます。アナログ方式で、1チャンネルしか放送できなかった帯域幅で、3チャンネル位の伝送ができることが実証されています。


■デジタル放送とは

デジタル放送には、アナログ放送にない特徴がたくさんあります。

(1) 高画質・高音質
   高画質とCD並みの高音質の番組
   ゴーストや雑音などの影響が少なく、きれいな映像で見ることが可能

(2) 複数の番組を平行して放映できるマルチチャンネル機能
   主チャンネルでは番組表通りのドラマを放映し、副チャンネルでは
   野球の延長中継を放映することが可能

(3) 番組の簡単選択
   番組案内から簡単検索(EPG(電子番組表)機能)

(4) 地域情報の提供
   地域ごとの天気予報、ニュース

(5) 双方向性番組の提供
   クイズ番組に参加したり、アンケートに答えたりする双方向サービス

(6) データ放送
   天気など暮らしに役立つ最新情報をゲット

(7) 高齢者や障害者にやさしい
   TVの音声をゆっくり流す、言葉や音を大きな文字で表示する字幕放送、
   点字サービス等、福祉サービスに充実した放送が可能

(8) 携帯で番組を視聴
   外出先で携帯端末でいつもの番組をウォッチしたり、災害時には、
   情報源としての重要な役割を持つことが可能

(9) 電車・バス等での移動体での受信が高品質
   地上デジタルテレビ放送では、走行している電車やバス等に設置した
   テレビでも、チラツキがなくきれいに受信・視聴することが可能


■デジタル放送の特徴解説

特徴1:”高画質・高音質でワイドな画面”
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 地上デジタル放送の最大の魅力と言えるのがこの高精細な画質です。これまでの地上アナログのテレビ放送は、525本の走査線を使った縦横比4:3の画面で放映していましたが、地上デジタル放送では、最大1125本の走査線を使った縦横比16:9のハイビジョン画質がメインとなります。

また、ノイズにも強い仕組みも持っています。地上放送では、送信所から家庭のアンテナまで電波が届く間に、いろいろなもの(建物)に反射して届くことで、画像が左右方向にだぶって見える「ゴースト障害」がありますが、デジタル方式は、このような事が発生しないような仕組みが組み込まれています。

画質ばかりでなく、音声もCDなみの音質に向上します。音声データはAAC(Advanced Audio Codec)という圧縮形式が採用されています。例えば、これまでの2カ国語放送は、左右のチャンネルにそれぞれの言語が割り振られ、それぞれをモノラルでしか聴くことができませんでしたが、地上デジタルでは、それぞれの言語をステレオで楽しめます。


特徴2:”データ放送サービス”
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地上デジタル放送では、データ放送も同時に楽しめます。データ放送とは、テレビの電波に静止画や文字情報などのデジタルデータを載せて流すもので、受像機(テレビ)に内蔵された専用のソフトウェアによって再生されます。

これには、番組の内容とは関係なくニュースや天気予報が送られてくる独立型のサービスと、今見ている番組に関連したデータが送られてくる連動型のサービスがあります。

視聴者が番組を見ながら買い物をしたり、クイズに回答したり、意見を送ったりすることも可能になります。


特徴3:”多チャンネル”
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地上デジタル放送では、1つのチャンネルで複数の異なる番組を放送できます。

たとえば、スポーツ中継が放映時間内に終わらなかった場合、メインのチャンネルでは時間どおり次の番組放映を開始し、サブチャンネルではスポーツ中継を延長して放映できるようになり、スポーツ中継を最後まで観戦することが可能になります。

地上デジタル放送では、1チャンネル6メガヘルツの帯域幅を14等分して(一つの単位は「セグメント」と呼ばます)、1つを隣のチャンネルとの混信用として利用し、残る13個の「セグメント」を使って放送されます。

標準画質であれば4個程度のセグメントで十分で、4個ずつのセグメントを使って、3つの異なる標準画質の番組を放映したり、12個のセグメントを使って1つのハイビジョン映像を放映したりすることも可能になります。

また、携帯端末向けに、1個のセグメントを使ってよりデータ量の少ない番組を放映することも予定されています(ワンセグメント放送と呼ばれます)。

これまでの、アナログ放送ではクルマなどの移動体で安定した受信を行うことが困難でしたが、地上デジタル放送では移動体でも映像や音声が乱れることがほとんどありません。外出先や通勤途中などで、携帯電話やモバイル端末でテレビが見られるようになります。

特徴4:”録画方式の変更”
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地上デジタルテレビ放送ではハイビジョンなどの高画質の番組が大きな特徴のひとつですが、しかし重要なことは「番組の著作権」です。

録画した番組を個人で楽しむ限りは問題ありませんが、録画した番組を許可なくダビングして他人に配ることは法律に違反します。また不正にダビングしたテープが出回るようなことになれば、番組の制作者や出演者などの権利が著しく侵害され、良質な番組の提供に支障をきたすことになります。

デジタル放送の場合、デジタルがゆえに劣化のないコピーが簡単に行え、番組の不正コピーが高画質のまま大量に出回る恐れがあり、そうした事態を防ぐため、地上デジタル放送はコピー制御の仕組みが導入されます。


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