ガンバレ健太!

手の離れた息子に叱咤されてるダメ親父の日記

辞め時

2015年08月02日 10時25分33秒 | 奨励会
息子が奨励会に再入会するときに私は一つの条件を出した。
「中2の3月までにある程度結果を出すこと。出せなければ辞めて受験勉強をすること」
悪者になっても見切りをつけて辞めさせてあげるのは私の役目だと思っていたからだ。

小6で入会して最初は順調だったが、1年ほどで停滞することとなった。
半年以上昇級できずに中2の春に5連勝して、やっと昇級できると思ったが昇級の一番を何度も逃した。
そのことがあってから私は成績表を見るのを止めた。
息子に余分な事を言ってしまいそうだったからだ。

無言を通してはいたがその後も一向に上がれない息子に秋ごろ、
「約束の日まであと半年やけど、このままで『続けさせて下さい』は通用しんぞ」と言った。

毎日息子なりの努力は続けている。それでも上がれないのは仕方がないのだ。
奨励会というところはそういうところなのだ。

でも本当に辞めさせていいのか?

その後も上向きにならずに年が明け、2月に3連敗して帰ってきたことがあった。
昇級どころか次負けるとB点という状況になって、迎えに行った妻に車中で「もう辞めようかな」と言って嗚咽を漏らしたらしい。
帰宅後健太が寝てからそれを聞いた私は胸が締め付けられた。


皮肉にも辞めさせる条件が揃ったが、私は辞めさせなかった。
辞めさせられなかったというのが本当のところだ。
ここで辞めさせるのはあまりに無念だったのだ。

結局私は悪者になれなかったのだ。
その後、私たち親子の間で“退会”という言葉を避けるように中2の3月は過ぎて行った。

一つ言い訳するなら、当時の息子は毎朝登校まで僅かな時間があると
ソファーに寝転がって詰将棋を解いていた。
その姿勢が私の気持ちを変えていったのだ。

もう今は何の条件も出していない。
息子がその気なら、もう行くとこまで行くしかないと思っている。



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