弁護士法人四谷麹町法律事務所のブログ

弁護士法人四谷麹町法律事務所のブログです。

1日8時間を超えて労働させた時間と週40時間を超えて労働させた時間の関係

2013-12-08 | 日記

1日8時間を超えて労働させた時間は,週40時間を超えて労働させた時間にも重複してカウントする必要がありますか?

 1日8時間を超えて労働させた時間については,1日ごとに時間外労働としてカウントされていますので,週40時間を超えて労働させた時間には重複してカウントしません。
 例えば,日曜日が法定休日の企業において,月曜日~土曜日に9時間ずつ労働させた場合,月~木に9時間×4日=36時間労働させているから金曜日に4時間を超えて労働した時間から週40時間超の時間外労働になると考えるのではなく,月~金に1時間×5日=5時間の時間外労働のほか8時間×5日=40時間労働させているから土曜日の勤務を開始した時点から週40時間超の時間外労働となると考えることになります。

 日曜日 法定休日
 月曜日 9時間(時間外労働1時間)←1日8時間超
 火曜日 9時間(時間外労働1時間)←1日8時間超
 水曜日 9時間(時間外労働1時間)←1日8時間超
 木曜日 9時間(時間外労働1時間)←1日8時間超
 金曜日 9時間(時間外労働1時間)←1日8時間超
 土曜日 9時間(時間外労働9時間)←1日8時間超+週40時間超

弁護士法人四谷麹町法律事務所

弁護士 藤田進太郎


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

特例措置対象事業場の時間外労働時間

2013-12-08 | 日記

特例措置対象事業場では時間外労働時間をどのようにカウントすればいいのか教えて下さい。

 労基法施行規則25条の2は,小規模事業場における労働時間の特例を定めており,
 ① 物品の販売,配給,保管若しくは賃貸又は理容の事業
 ② 映画の映写,演劇その他興行の事業
 ③ 病者又は虚弱者の治療,看護その他保健衛生の事業
 ④ 旅館,料理店,飲食店,接客業又は娯楽場の事業
のうち,常時10人未満の労働者を使用するもの(特例措置対象事業場
については,労基法32条の規定にかかわらず,1週間については44時間,1日については8時間まで労働させることができるとしています。
 この特例が適用される小規模事業者については,日曜日を法定休日として月~土に1日9時間ずつ労働させた場合,土曜日に4時間を超えて労働し始めた時点から週44時間超の時間外労働時間となります。
 1日8時間を超えて労働させた時間については,1日ごとに時間外労働としてカウントされていますので,週44時間を超えて労働させた時間には重複してカウントしません。

 日曜日 法定休日
 月曜日 9時間(時間外労働1時間)←1日8時間超
 火曜日 9時間(時間外労働1時間)←1日8時間超
 水曜日 9時間(時間外労働1時間)←1日8時間超
 木曜日 9時間(時間外労働1時間)←1日8時間超
 金曜日 9時間(時間外労働1時間)←1日8時間超
 土曜日 9時間(時間外労働5時間)←1日8時間超+週44時間超

弁護士法人四谷麹町法律事務所

弁護士 藤田進太郎


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

解雇日から復職日までの不就労日などと労基法39条の出勤日数・全労働日

2013-12-08 | 日記

裁判所で解雇が無効と判断された場合の解雇日から復職日までの不就労日などは,労基法39条の出勤日数・全労働日に含まれますか?

 裁判所で解雇が無効と判断された場合の解雇日から復職日までの不就労日などが労基法39条の出勤日数・全労働日に含まれるかについては,行政通達(平成25年7月10日付け基発0710第3号)が存在します。
 同通達は,八千代交通(年休権)事件最高裁第一小法廷平成25年6月6日判決(労判1075号21頁)を踏まえて出されたものということもあり,今後の裁判実務においても概ね同通達の解釈に沿った判断がなされるものと思われます。
 同通達の概要は以下のとおりです。
1 年次有給休暇算定の基礎となる全労働日の日数は就業規則その他によって定められた所定休日を除いた日をいい,各労働者の職種が異なること等により異なることもあり得る。
 したがって,所定の休日に労働させた場合には,その日は,全労働日に含まれないものである。
2 労働者の責に帰すべき事由によるとはいえない不就労日は,3に該当する場合を除き,出勤率の算定に当たっては,出勤日数に算入すべきものとして全労働日に含まれるものとする。
 例えば,裁判所の判決により解雇が無効と確定した場合や,労働委員会による救済命令を受けて会社が解雇の取消しを行った場合の解雇日から復職日までの不就労日のように,労働者が使用者から正当な理由なく就労を拒まれたために就労することができなかった日が考えられる。
3 労働者の責に帰すべき事由によるとはいえない不就労日であっても,次に掲げる日のように,当事者間の衡平等の観点から出勤日数に算入するのが相当でないものは,全労働日に含まれないものとする。
(一) 不可抗力による休業日
(二) 使用者側に起因する経営,管理上の障害による休業日
(三) 正当な同盟罷業その他正当な争議行為により労務の提供が全くなされなかった日

弁護士法人四谷麹町法律事務所

弁護士 藤田進太郎


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする