パンダとそらまめ

ヴァイオリン弾きのパンダと環境系法律屋さんのそらまめによる不思議なコラボブログです。
(「初めに」をご一読ください)

IPCC AR4 WGI

2007-02-03 23:51:03 | 環境ネタ
 昨日の話ですがIPCC(気候変動に関する政府間パネル)第4次評価報告書第一作業部会報告書(AR4 WGI)が発表されました。6年ぶりの新知見のまとめということで、いや、昨日は他にも東京大気汚染訴訟で国が和解に応じる動きを見せたり、2015省エネ基準の最終報告がまとまったりとかとっても大きなネタがあったんですが、吹き飛ばされちゃいましたね。

 んで、早速政策決定者向け要約(Summary for Policy Makers)*を読んでみました。暗澹たる気持ちになるに十分でした。以下感想。 *どうでもいいんですが、SPMと略すとどーしても浮遊粒子状物質(Suspended Particulate Matters)に思えるのであんまり使いたくない略語かな

○温暖化は完全に現在進行形になってしまった
 一番ウヘッと思った点です。そんなこと分かりきってただろう、カナディアン・ロッキーで温暖化の現場も見ただろうと思ってはいたのですが、やっぱりこうハッキリまとめられちゃうと。。。
 Warming of the climate system is unequivocal, as is now evident from observations of increases in global average air and ocean temperatures, widespread melting of snow and ice, and rising global mean sea level.
(気候系の温暖化は疑いがない。地球平均気温及び水温、広く拡大した雪や氷の融解、平均海水面の上昇から、もはや明らかである。)
この話最初に騒がれてた80年代後半は、温暖化はまだ遠い将来のリスクの話でした(少なくともちびっ子の私にはそう思えた)。リスクがあまりにもデカイから(ノン・リグレット対策に留めるべきという声もある中)不確実な中でもやりましょうってことで緩やかながら気候変動枠組条約ができて、日本も温暖化防止行動計画を作って・・・ってことだったのですが、20年弱で遠い未来の起こってほしくないと思っていたことがunequivocalに現在進行形なってしまいました 

○人為影響がvery high confidence&very likely
 これもイヤだと思っていたことが現実にというつながりですが、
 The understanding of anthropogenic warming and cooling influences on climate has improved since the Third Assessment Report (TAR), leading to very high confidence that the globally averaged net effect of human activities since 1750 has been one of warming, with a radiative forcing of +1.6 [+0.6 to +2.4] W m-2.
(第三次評価報告書から気候に対する人為的温暖化及び冷却化影響の理解が改善し、1750年以降の人間活動の総体影響は+1.6(+0.6 から +2.4)ワット/平方mの温暖化影響であるとの非常に高い確かさが導かれた。)
 
 Most of the observed increase in globally averaged temperatures since the mid-20th century is very likely due to the observed increase in anthropogenic greenhouse gas concentrations. This is an advance since the TAR’s conclusion that “most of the observed warming over the last 50 years is likely to have been due to the increase in greenhouse gas concentrations”. Discernible human influences now extend to other aspects of climate, including ocean warming, continental-average temperatures, temperature extremes and wind patterns.
(20世紀半ば以降に観測された全休平均気温の上昇のほとんどは、観測された温室効果ガス濃度上昇に因る可能性が非常に高い。これは「過去50年間に観測された温暖化は、温室効果ガス濃度上昇に因る可能性が高い」とする第3次評価報告書からの進歩である。認識できる人間の影響は、今や他の気候面に拡がっているー海洋温暖化、大陸平均気温、極端な温度や風の吹き方が含まれる。)  注:斜体強調原文
(注:ワット/平方m→分かりやすい放射強制力解説
TARのときはエアロゾルの冷却効果がちょっとハッキリしないままだったと記憶しているのですが(ブッシュ政権も京都議定書不支持表明時盛んに喧伝した)、Very High Confidence(注:90%以上)でやっぱり温暖化ですか、そうですか。んで、very likely(注:90%以上)で温室効果ガス濃度上昇(注:前フリでこれは人類活動のせいだと言っています)のせいですか。科学の文書でこんなに強い表現だなんてナカナカお目にかかれません。
 実はアメリカでは人為影響の有無をめぐっていまだに議論が続いていたのですが(今週もラリーキングライブでMITの教授が話してた点)、インホフ議員のようにIPCCを"They are politicians"として全否定でもしない限り、この議論は(ようやく)終わったということになるんでしょうかね(・ ・?) 

○100年で気温上昇 1.8-4.0℃、海面上昇 18~59cm
 実は影響は100年じゃなくて、仮に遠い将来排出量と吸収量が一致(排出量が数十%減る)して温室効果ガス濃度が安定化してもその後ずーっとン百年も継続するのですが、精度が向上した予測をもって、その最初の100年で1.8-4.0℃というのはかなり暗くなりますね。ちなみに幅は基本的にシナリオの違いです。最も希望の持てる持続可能な発展型社会シナリオをとっても約1.8℃(1.1~2.9℃)というのは、実際に選択できるとは残念ながら思えない(悲観)そのシナリオでさえそうなんですかという 海面上昇予測も上限は下がりましたが、下限も上がってしまいました。しかも"excluding future rapid dynamical changes in ice flow"って注がついてある。。。
 ちなみにSomething Sustainableさんが6つのシナリオを素晴らしくアウトラインしています。

 気候変動はその幅もさることながら、その速度の方が問題というか、1万年かけて10℃上昇するのとその1/100の100年で1.8-4.0℃上昇するのとは話が全然違うわけで、生態系がついていけるのか、もっと卑近な話をすると我々のメシは大丈夫か!?というのが心配になってくるわけです。(勿論島嶼国にとっては国の存亡がかかる問題ですし、災害リスク増加も大問題ですが) そんなこんなの影響編は4月の第二作業部会の報告ということで、引き続き期待しましょう。

エクソン~検閲、イメチェン、史上最高益

2007-02-01 23:50:37 | 環境ネタ
 先週の一般教書エネルギーの大統領令だけじゃなくてここ最近動きがメチャクチャ激しいのですが、そのうちの一つでこんなことがありました。日本でも報道されてます。
 米政権、温暖化研究に介入 環境保護局に記述削除要求(時事、31日)
 米下院監視・政府改革委員会のワックスマン委員長は30日に開いた公聴会で、ホワイトハウスが環境保護局(EPA)の研究に介入し、地球温暖化に関する記述を削除させていたとする調査結果を発表した。
この話、前々からその手の人達から非難囂々で(そりゃそうだ)、そういえば映画の「不都合な真実(An Inconvinient Truth)」でも叩かれてたヤツ。ホワイトハウスのある人物を事前にパスしないと報告書が出せないとかで、温暖化の悪影響を小さく評価するよう徹底的に書き直したという。んで、そのスタッフは実はエクソンのロビイストだったと(ホワイトハウス専門家がエクソン入り)。修正/検閲の事実がモレて辞職し、2日後にエクソンに再就職したんでしたね。
 その他温暖化否定派に資金提供していることもあって、(ついにキレた)環境NGOのほとんどが徒党を組んで、Expose EXXONキャンペーンを大々的に展開しています(確か05年から)。温暖化を真っ向から否定する唯一の石油企業で(対照的なのはBP)、ある意味象徴的な敵役に... 

 そんなエクソンが姿勢を変化させている兆候が出ている、と最近聞いたので大いに驚いたのでした。"A Discussion with Ken Cohen, Exxon/Mobil" 26日 と "No Surprise: No Surprises from Exxon" 30日。 敵扱いされている現状を変えようと広報を始めたそうで、26日に電話会議をやったそうです。少なくとも"Carbon Dioxide...they call it pollution...we call it Life"で有名なCEIへのファンドはやめたらしい。連邦議会に提案されている法案は「検討する」としかしてないみたいですが、そのゴア曰くcategory 5 denialの時代は完全に過去のものになったんだなぁと思いました、昨晩一瞬。
 なぜ一瞬かというと、昨日の夜ラリーキングライブが温暖化特集で、懐疑派の主張もたんまり聞いたから。インホフ上院議員やら、MITのLindzen教授やらInternational Policy NetworkのMorrisらの発言を聞いていたらまだまだScientific Denialは強大だなぁと 特にインホフ議員はIPCCのSummary for Policy Makersを捉えて"They're not scientists. They are politicians"とこき下ろしてLinndzen教授がその通りだとか言ってとりつく島もない。こりゃスゴイ。 (注:私の理解では、IPCCが政治的だとするとそれはむしろ特に産油国が警告を弱める方向で政治的に介入するもの)

 どうもこちらのNGOはエクソンの姿勢変化はポーズだけだと懐疑的なようです。折しも今日、昨年の利益が$ 39.5 Billionになったとアナウンスされました(Exxon Sets Record on Annual Profits, (NYT 2/1))。今のレートだと利益4.8兆円ってことですか 今後何をするのかでポーズだけか本気なのかが分かっていくでしょうね。

 ついでに。ラリーキングライブの懐疑派というか温暖化対策に慎重な方の意見のうち、インホフ議員とLindzen教授はIPCCを所詮政治家だの国連野郎だの散々バカにしてて、極上のネタを供給してくれたのですが(ここまで言うのかという感じで笑えた)、他方でInternational Policy NetworkのMorris氏のおっしゃっていた「経済発展こそが環境問題克服につながる」という発言はかなりの程度(or少なくともある程度)正しいので、真面目に反応した方がよさそうな気が そのうち、おいおい。 

先週のExecutive Order on Energy

2007-01-30 23:53:27 | 環境ネタ
 先週23日の一般教書演説にほぉ~はぁ~となっているうちに見逃していたのですが、その翌日(24日)にエネルギーネタのExecutive Orderを出してたみたいです。Executive Order(大統領令)は行政府を縛る効力のあるもので、日本だと閣議決定に近いステータス。内容を見てみるとほのかに芳しいというか何というか、連邦政府自身の省エネ行動・購買の義務付けとか、省庁内での環境マネジメントをちゃんとヤレとかCEQに運営委員会を設けるとか。 
 んでその勢いで!?デュポンでエネルギーの演説をしたみたい。一般教書演説と違ってリラックスした雰囲気。デュポンは代替フロン以来!?すっかりと環境派の企業になってて(と評価されてて)、4つのNGOと10の企業とで華々しくアナウンスされたUS Climate Action Pertnershipの一員(22日には具体的な温暖化対策を求めるアピールを出している)。、中身はまぁ大体同じ、触れた政策の中身(再生可能燃料基準(RFS), CAFE, 戦略備蓄)や、クリーンコール、風力、ソーラー、セルロースバイオマスといろいろ触れたのも同じ。一点ポスト・キョートという語が出てきたのは違ってました。
 セルロースバイオマスは少なくともシェブロンやDOEがせっせと研究してるやつですが、実用化は日本が先を言ったようですね(世界初、廃木材からバイオエタノール 堺に製造施設完成)!? ただ、先週もチラと触れましたがRFSで既に義務的・市場型の制度が導入されようとしているので、あんまりモタモタしてると、折角の僅かばかりのアドバンテージはあっという間に吹き飛ばされてしまうでしょうね、残念ながら。RPS法の新目標でも苦労しているようで、新エネ義務量1・63%に 14年度、経産省が新目標 (共同、29日)(注:反対の伝え方 電力会社 新エネ利用義務重く 14年度は3割増 (Sankei Business i、30日)、例えばNY州の同様の制度は2013年に25%だったりするわけで(まぁ現状が19%もあるんですけど)、エネルギーをほとんど輸入している日本の状況がそれでいいんかいと心配になりますね

07一般教書演説(の環境ネタ)

2007-01-23 23:58:41 | 環境ネタ
 今日の9:00PMから毎年恒例の大統領一般教書演説でした(ホワイトハウスHP President Bush Delivers State of the Union Address)。事前にいろんな観測が飛び交う(含む観測気球)ものですが、今回は温暖化政策で新政策を打ち出すとの見方が専らで、「政策転換」という期待も飛び出したぐらいでした。例えば~ロイター16日「米大統領、一般教書演説で新たな温暖化政策発表へ」、New York Times 18日 「Bills on Climate Move to Spotlight in New Congress 」、読売20日「温暖化対策強化へ、米政権が方針転換」。むしろ何が出てくるか話題だったのですが、焦点は議会でいくつかの法案が提出されて専ら議論になってる義務的キャップ&トレード型排出量取引(Mandatory Cap & Trade Program)を提案するかどうかってとこで、まぁその可能性は薄そう、むしろバイオ燃料や燃費基準じゃないか?みたいな雰囲気でした。

 んで蓋を開けたらまさしく予想通りでした ただ真剣に検討したのは間違いないだろうという政策提案で、Twenty in Ten Goalー今後10年間でガソリン使用を(注:対策のない状態(BAU)よりも)20%削減する目標を設定しています(Twenty In Ten: Strengthening America's Energy Security)。んで何をするかというと、

①再生可能燃料基準の拡大強化
 エネルギー政策法(Energy Policy Act of 2005)でRenewable Fuel Standard(RFS,再生可能燃料基準)が設定されることになりました(PL 109-58 §1501(a), codified as 42 USC §7545(o) (Clean Air Act §211(o)))。2012年に再生可能燃料の使用量が75億ガロンにする目標が法定されていて、具体の規制対象・強度はEPAに委任されています。今見たらrulemaking processの途中のようで、精製者、輸入者、混合者に対して一定の再生可能燃料の使用を義務付け、かつ使用実績を取引可能(Credits and Trade)にするみたいです(EPA Proposes Regulations for a Renewable Fuel Standard (RFS) Program for 2007 and Beyond)。
 んで2013年以降の目標もEPAに委任されているのですが、この目標値を2017年で350億ガロン(ガソリン使用量の15%に相当)にしよう、ってことみたい。ちょうど今日バイオ燃料利用へ新法検討(日経)という報道がありましたが、この部分は実は日本が周回遅れになってますね。

②燃費基準の強化
 エネルギー政策法(EPCA)上の燃費基準(CAFE)の強化です。乗用車部分は数字まで法律に書き込んじゃってるので法改正が必要みたい。デトロイトを抱えるミシガン州のディンゲル議員(民)が下院エネルギー委員会の委員長で、CAFEをいじることに消極的でしたがどうなることやら。これで残りの5%らしいです。「An Inconvinient Truth(不都合な真実)」で各国比較されたり、裁判で最高裁が審理(Mass. v. EPA)したりでプレッシャーが高まってた分野ですね。

 もし目算どおりにいけばガソリン消費量は現状よりも幾許か減る計算になるそうで、他の排出ソースへの言及がない点はさておき、まぁコレはコレで悪くはないというところでしょうかねぇ。CNNが早速行った世論調査だと、エネルギー政策部分は24%が非常に効果的、50%がある程度効果的、と肯定的に評価しているよう。もっとも環境NGOは、Cap&Tradeのような包括的かつ具体的な行動を求めていたんだと早速舌鋒鋭く批判しています(シエラクラブWWF)。

 ただ、一つ確かなのはジワジワ(or加速度的に)変わりつつあるってこと。今日の演説で"(Technologies) will help us to confront the serious challenge of global climate change"と言及した時に"global climate change"の語に反応して民主党側も(民主党側から)立ち上がって拍手してましたが、もーーーゴア曰く"category 5 denial"の時代には戻らないんじゃないかなぁという気がしますね、期待交じりですが。環境に関心のある層や、(エネルギー)安全保障に関心のある層だけでなく、キリスト教右派の温暖化対策プッシュも激しくなってますし(Evangelists and Environmentalists Join Forces, NPR 21日)。ちょくちょく紹介してるミリバンド英環境大臣のブログのエントリ(New times in the USA、23日、一般教書演説前)の指摘に同感です。
 I don't know what is in the president's state of the union address, but I do believe it is a matter of when not if the us becomes part of a global carbon reductiond drive.
(大統領の一般教書演説の内容は知らないけど、米国が地球的な炭素排出削減の流れの一員になるのは、当否の問題ではなく、時間の問題だと強く信じるよ)

D.C.旅行 ~ Mass. v. EPA口頭弁論(@連邦最高裁)傍聴

2006-12-01 23:45:50 | 環境ネタ
 パンダさんが言ってたとおり、水曜日はお出かけしてて木曜日に帰ってきました。行き先はぁ~、
   
U.S. Supreme Court キタ━━━━(゜∀゜)━━━━ !!!!!
 取り乱してしまいましたが、そう連邦最高裁に行くためワシントンDCに行っていたのでした。連邦最高裁が初めて温暖化が争点の訴訟を扱うことになり、29日水曜日がその口頭弁論だったのです。マサチューセッツ州はじめ12州などなどが徒党を組んでEPAの温暖化規制権限不行使を不服として訴えた裁判(Mass. v. EPA)。またとない機会なので傍聴することに(席確保ありがとうございました)。連邦最高裁が受け付けるのは(ほぼ)裁量上訴制で、9人中4人の判事が受理しましょうと賛成したときのみ審理します(Rule of Four)。というわけで結構貴重なんです。朝10:00からの予定で、9:30前には最高裁へ、ということだったので、5:30のアムトラックで一路D.C.へ。9:00ぐらいに着いてみると一般傍聴席に大行列が、う~んやはり注目の裁判なのね。日本でも報道されてたみたいですね(米で温室効果ガス規制訴訟)。
 
 それにしてもこんなにセキュリティー・チェックが厳しいところはちょっと他に想像がつかない。。。ゲートくぐり2回、荷物も全部あずけてノート・ペン以外は持込禁止。法廷の記念写真ぐらいとりたかったけど 書類を入れてた青クリアファイルまで取り上げられてました。(なのに私の透明クリアファイルはお咎めなしだった
 
 オーィエー、オーィエー、オーィエー~という気の抜けたかけ声で宣誓が始まって、審理開始。原告、被告30分ずつ1時間ポッキリの勝負。審理は、代表者が陳述というか説明する間に9人の判事達が矢継早に質問をくらわすという形で進みます。いや、たまらんですよ、質問される方は、アレ。んで、質問・発言の内容で大体どういう意向を持っているか、全体としてどちらが多数派になるか分かることが多いということ。Clean Air Actで新車の二酸化炭素排出規制を行わないとしたEPAの決定を巡っての裁判で、デカイ論点は原告適格、規制権限の有無、裁量逸脱の有無なんですが、審理の詳しい内容は全くブログ向きではない(マニアックすぎ)なので差し控えます(※)。
 ※実はこの件含めてちょっとまとまった形で専門誌に投稿予定です。また宣伝します。
まぁ簡単に言うと、いつもどおり保守ウィングとリベラル・ウィングの意見が真っ向対立してて、Swing Voterというか中間的な立場を取ることが多いケネディ判事の意見は曖昧というかハッキリしない、と言った感じでしょうか。本口頭弁論の様子を伝えたNY Timesの記事は感動するぐらいまとまってました。Justices' First Brush With Global Warming

 さてはてどういう結果になることやらと思いながら預けた荷物を受け取って一階に降りてくるとなんだか厳かなホールが。奥に鎮座するのは・・・
    
Great Chief JusticeことJohn Marshallではないですか。その後ろの壁にはいくつか文字が刻んであるように見える。何だろうと見てみると・・
   
なんと、とっても有名な判決の決めゼリフ的な文言が。おいおい、ここはサン・ピエトロ大聖堂じゃないよ、荘厳にするのと神聖化は違うよと突っ込みを入れたくなる気もしたけど、まぁそんなこと百も承知なハズだから野暮ってことか。
 こんな具合です↓
   
そういえば日本の最高裁はどうなんだろうと思い返したら、アレ、私最高裁には行ったことありませんでした 裁判所にはイヤになるほど行ってたんですけど。何だかアベコベですね。というわけで観光客のごとく(いやまぁ傍聴だけなのでそうなんですが)ギフトショップでグッズを買って最高裁傍聴はお終い。

 一つ思ったんですが、アメリカのロースクールでソクラテス・メソッドがとられている理由がやっと分かった気がします。だってロースクールのクラスそのものなんですもん、私が見た最高裁口頭弁論は。いや、一人の教授が受講生徒に向かって質問し続けるのとアベコベで、たった一人の弁護士が9人の判事達(アプローチの違い/偏りはさておき、全員が全員とてつもなく優秀)に質問攻めにさらされて、ひたすら答え続けながら議論を進めるっていう違いはありますけど、何かしゃべったらいろんな違う角度から質問が矢のように降り注いできて、それを「○○の点で違う」「△△だから一緒」などとヒラヒラと身をこなしながら答えていくってことで全く同じ。こういう実践的な意味もあったのかぁ~と納得。そうやって知らず知らず法廷に立って弁論できるように訓練してたんですね、時間の無駄にもなりかねないあのやり方は。「えげつねぇゼ、会長(じじい)の野郎、前々から少しずつ一歩の体に仕込んでやがったな」(鷹村守)というのと同じ感想を持ちました(←分かりにくいですね、スミマセン)。
 
 午後議会スタッフに会ったり、夕方DC出向中のリサーチャーの方と御一緒する合間にD.C.をちょっと見物。木曜午後イチで授業があって、実質水曜午後半日の一部しか見物できずに、観光面ではもっとやることがあっただろうなぁ~という気が。スミソニアン系もうじゃうじゃありますしね。というわけでパンダさんと一緒にまた行ってみようかなぁ 
    
   

COP12・COP/MOP2

2006-11-21 23:48:25 | 環境ネタ
 先週末までやってたCOP12・COP/MOP2が終わったそうで、お疲れ様でした(長文注意)。けど一歩引いてコレってどれくらいメジャーなんでしょうねぇ(・ ・?)
 ○国際会議らしいと分かる
 ○コップ トゥウェルブ コップモップ ツー と読める
 ○温暖化? オゾン? 生物多様性? と???となる
 ○気候変動枠組条約第12回締約国会議及び京都議定書第2回締約国会議だと分かる
 ○何となく京都議定書の先の国際枠組(Beyond Kyoto)の話をしていると知っている
 ○Conference of the Parties と Conference of the Parties serving as the meeting of the Parties だと分かる
 ○細々としたイシューまで知っている(ベラルーシとかprivileges and immunitiesとか)
の順ぐらいにマニア化していくのかなぁ~。
 
 なんだか変な前置きになりましたが、そう、ナイロビで気候変動枠組条約第12回締約国会議及び京都議定書第2回締約国会議が行われて、2012年に終わっちゃう京都議定書の削減義務の後をどうしようという話をメインに国際交渉が行われていたのでした。メインのアウトプットは京都議定書9条に基づく議定書のレビュー(検討)を2年後再度行うことにした、ということなのですが、一部報道の見出しがちょっと楽観的な方向で誤解されそうで(朝日「COP閉幕、「京都後」08年見直し決着」、読売「京都議定書会議が閉幕、08年見直し合意…中国が譲歩」)ちょっと心配。と思ってたら代表団のいつもの概要と評価でも
特に、今回初めて議論された京都議定書第9条に基づく同議定書の見直しについては、その成果が各方面より注目されていたが、我が国が目指した同見直しのプロセス化について、第2回目の見直しを2008年のCOP/MOP4にて行い、それに向けた作業スケジュールが合意されたことで、我が国の基本方針である実効ある将来枠組の構築に向けた議論の具体的な道筋をつけるものとなった
ってな感じで異例じゃないかと思うほど積極的な評価をしててビックリ。熱気もないも伝わらないアメリカにいるせいかという気がしないでもないけど、行方をウォッチしてそれなりな期待もあったのでその反動だったのかなぁ。面白いのが、New York Timesの記事の見出しが閉幕直後は"Climate Change Meeting Ends Without Pact"だったのに記事が修正されてて(注:よくあること)"Big Conference on Warming Ends, Achieving Modest Results"、終わった直後はガッカリしたけどよ~く考えるとちょっとは前に進んでいるってことですかね

 でも、去年から始まった議論とあわせて、議題ごとにバラバラに(fragmented)検討が進むことになってハナハダ分かりにくいのではと懸念。何でこうなるかというと、条約・議定書の根拠条文が違っててそれぞれに検討プロセスが立ち上げることになっちゃった、ということで、去年京都議定書3条9と9条の違いについてのエントリも立てましたし、CASA(日本のNGOです)のエントリでサクッと以下のようにまとめてあってこれはこれで結構分かりやすいのですが、
(略)2013年以降の枠組み議論は、既報のように3つのプロセスで行われます。
 ①先進国の2013年以降の削減義務に関する議論を行う「特別作業グループ(AWG)」
 ②議定書9条の議論;現在の議定書の見直しを行うプロセス
 ③条約のもとでの「長期的な共同行動についての対話(ダイアログ)」
なんとなくそれでもややこしいのでポンチ絵風なものを描いてみた↓(画質が粗いですが)

 
 ※条約下にもとづくいかなる将来の交渉、約束、過程、枠組、又は指令も予断しない。
  新しい約束につながるいかなる交渉も開始しない。


んで、去年始まったのがAWGとDialogue,今回決まったのが議定書見直しプロセスですよ、ということ。ちなみに議定書未締結国は当然ながら議定書締約国会議での議定書見直しプロセスには関与できませんので(オブザーバー扱い)、引き続いてDialogueは重要です。
 こうやって交渉プロセスが断片化(fragmented)すると困るのはタイムスケジュールがズレてくることです。これも絵解きしてみた↓
 
実はというか、G77+ChinaはAWGの議論を2008年までに終わらせろと主張して、先進国側が反対して(特に日本が猛反対)期限設定は見送られたようです。んでCAN(NGO連合)から化石賞をもらったようなのですが、「だが待ってほしい」(笑)、頑張る人を増やす観点からすると現在削減義務を負う国の削減義務のみを先に決めると今決定する必要もないんじゃないか。ましてアメリカの次期大統領としてそれぞれの党で今有力視されている2人(マケインとヒラリー)は何れも温暖化対策推進派で、わざわざ08年に扉を閉じる必要もないでしょうよ(米現政権の態度が変わらないことを見越して「だってアメリカもやってないじゃん」と言いたいがための口実じゃないかと勘ぐってしまう)。ちなみに会議後の中国の声明(新華社)→China Calls for Deadline for Post-Kyoto Talks
 また紹介して恐縮ですが、ミリバンド英環境大臣大臣は今後のスケジュールに関してこんなことを言ってます(強調そらまめ)。 Two Cheers for Nairobi
京都議定書後の長期的取組ーと言っても中期的だけどーに関して言うと、一応進展はあったけど、科学や経済学の要求と国際政治がもたらすものにギャップが残っている。鍵となる2007年は、このギャップに焦点を当てなければいけない。ほとんどの専門家は第一約束期間と第二約束期間に間が空く危険を避けるには2009年末までに最終合意が必要と一致している。これは国連プロセスを加速させるだけじゃなくてG8とか他のプロセスを使って首相・財務相・外相を巻き込んでいく必要があるってことだ。
へぇ~。途上国の態度とも合わせて、何となく08-09年が山で、それに向けて頑張るってことになりそうですね。条約Dialogueは来年のCOPに報告する所までしか決まってなくて、これをどうするか、結構大変なことになっていくのではないでしょうか

他にも面白そうなイシュー(ベラルーシ!)はたくさんあったようですし、そもそもこういう大会議そのものに対して言いたい事は山ほどあるのですが、まぁこのヘンで。

省エネ基準裁判~DOEとNY、NRDCらが和解

2006-11-13 23:55:10 | 環境ネタ
 ブッシュ政権と連邦議会(中間選挙でこうなる前です、勿論)の動向に業を煮やして州政府が(環境NGOとともに)束になって連邦政府を訴える、というのが環境ネタで頻発していたのですが、そのうちの一つの省エネ基準裁判(NY v. DOE, NRDC v. DOE)が今日和解したそうです。NY州はじめ15州、NY市、NRDC+テキサスの消費者団体が、エネルギー政策法(EPCA)上の省エネ基準※が、法定策定期限を超過してもなお策定されないことを不服としてエネルギー省(DOE)を訴えたもの(05年9月提訴)。 ※42 USC §6295 (2006)
 NY州プレスリリース FEDERAL ENERGY DEPT. TO IMPROVE APPLIANCE EFFICIENCY ※※
 NRDCプレスリリース ENERGY DEPARTMENT AGREES TO ACCELERATE INTRODUCTION OF NEW, IMPROVED ENERGY SAVINGS STANDARDS

 この手の明白な法定期限違反というのは連邦Agencyは百戦百敗のハズ(少なくともEPAものは)で、仕掛ける側からするとスラムダンク・ケースと言ってもいいぐらい!? んで訴える側もさっさと基準を作ってほしい、というわけで和解に至った模様。80年代前半にClean Water Actの排出基準が法定期限までに作れなくて、裁判上の和解(NRDC v. EPA)で期限を定めてエイヤーで頑張って一気に作ったことを思い起こさせるような内容(数あるCWA上の裁判で最も影響力があった説もあるぐらい)。というわけでこんな感じで↓、製品の省エネ新基準をそれぞれ期限までに作る必要がある。
・Room air conditioners  June 2011
・Central air conditioners and heat pumps  June 2011
・Water heaters  March 2010
・Pool heaters  March 2010
・Direct heating equipment March 2010
・Furnaces and boilers  September 2007
・Dishwashers  March 2009
・Clothes dryers  June 2011
・Fluorescent lamp ballasts  June 2011
・Ranges and ovens  March 2009
・Additional lamps  June 2009
・Incandescent reflector lamps  June 2009
・Fluorescent lamps  June 2009
・Packaged air conditioners and heat pumps  September 2008
・Packaged boilers  February 2007
・Instantaneous water heaters  February 2007
・Medium-sized motors  June 2011
・High intensity discharge lamps  June 2010
・Electric distribution transformers  September 2007
・Small motors  February 2010
さぁ、省エネに一日の長があるメーカーの皆さん、ネゴの時間ですよぉ~。まぁ基準を満たさないと製造・販売禁止、という厳しい規制ではなく、ラベリング規制(42 USC §6294 (2006))の指標として機能する基準のようですが(斜め読みで自信なし)、日本の省エネ法と一緒でソフトながらも効果を上げることを期待。

※※NY州の現在の司法長官(Attorney General)は次期NY州知事のE. Spitzerです。

OECD対中環境政策レビュー

2006-11-11 23:55:47 | 環境ネタ
 一昨日の話ですが、OECDのWorking Party on Environmental Performance(環境保全成果ワーキングパーティー)*が初の対中環境政策レビューのための会合を8-9日行った(北京)とかで、その成果がまとめられています→ENVIRONMENTAL PERFORMANCE REVIEW OF CHINA CONCLUSIONS AND RECOMMENDATIONS (FINAL)OECDの環境トピックのHPによれば、正式リリースは来年春とか。ちなみに報道ぶり→OECD 初の環境レビューで中国に苦言(Yahoo,産経)ちなみになぜか「苦言」となってますが、redommendation(勧告)です。ってどっちが日本語の語感的に強いんでしょう
 *記憶が正しければand組織改変してなければEPOC(環境政策委員会)の下部組織。
それにしてもOECDがメンバー国以外に出かけていってレビューしてるなんて知らなかったというか、さすが巨大国際官僚機構、よっぽど存在意義探しに躍起なのか、OECDの違う部署がかわるがわる同じ国をレビューするのよりもよっぽど生産的なことですね。

 んで、勧告は51もあるそうなんですが、OECD事務次長のスピーチで4つほどハイライトしていて、
環境政策実施上のギャップを埋めるため、
 ○地方政府指導者に環境保全成果により責任を持たせること
 ○SEPA(国家環境保護総局)を庁(Agency)から省(Ministry)に昇格させること
 ○環境目的達成のため市場メカニズムの活用を拡大すること
 ○環境向け資金を増額・多様化すること
ってことだそうで。ちょっと驚いたのは2つ目で、イヤどう驚いたかというと、中国でも外圧を対内圧力に使うことがあるのかなぁ~ということ。

 ちょっと話が飛んでいることは自覚してるので軽く解説すると、そもそもこういう勧告は事前に被レビュー国と交渉を済ませるもので、今回のテキストも中国政府とすり合わせをして合意されたものだということはテキストの表紙にバッチリハッキリ書いているわけです。
 These Conclusions and Recommendations have been approved by all the Delegations of the OECD Working Party on Environmental Performance, including the Chinese Delegation, at its meeting (Beijing, 8-9 November 2006).
(この結論及び勧告は、OECD環境保全成果ワーキングパーティの全ての代表団(中国代表団を含む。)により承認された(北京、2006年11月8-9日)。)
だから、中国としてどーしてもイヤなものは書かれていないハズで、書いてあってもまぁ神棚に飾れるぐらいのありがたーい曖昧さに抑制されていることが普通です。ところが「SEPAを省に昇格させろ」、とまでハッキリ具体的な事柄が含まれているとなると、1)実施する方向 又は 2)そもそもこんな勧告なんか相手にしない の何れかの可能性しか考えられないわけです。後者の可能性も大有りなんですが、仮にSEPAなりに実施する意向があればパクっと食いついて錦の御旗の一つに加えるって行動をとることも十分あるハズなんですね。官僚組織は一般に何かしらキッカケがないと変わりにくい(キッカケがあっても変わりにくい)ものでそのキッカケに持って来いとこのOECDの勧告を利用したってことはなかろうか(・ ・?) まぁ実施する方向であっても既に決定済みの方針の権威付けってこともあるんでしょうが(注)。 いや、中国で、と言ったのはこの手の外圧利用に走るお下品な方々が分野を問わず目につくわけですが それはヤッパリ禁じ手だろうというか、百歩譲って邪道だろうというか、そういう点ではアメリカを見習ってほしいという気さえする(外圧なんてほとんど効きませんから)。

 ちなみに。スピーチをしたOECD事務次長はMr. Kiyo Akasakaとあって、ググると外務省出身で元国連大使の赤阪清隆氏らしい。田邊大使の下京都会議で頑張られた方(05年3月の温暖化講演録)。ご活躍今後も期待します。

注:追記 11/12
 今回は既に決定済みの方針だったようで(コメント欄参照)、未決定事項の対内圧力の一つとしての外圧利用という妄想した内容とは違うみたいです。権威付けに中国側(もっというとSEPA)が利用したのか、逆に成果を出したいOECD側の足許を見て「書くならご勝手に」だったのか分かりませんが、やっぱり一筋縄でいく相手じゃないってことでしょうか

ミリバンド英環境大臣 on Fishery / 中間選挙;決めるのは裁判所?

2006-11-08 23:59:31 | 環境ネタ
 1週間ぐらい前に、このままいくと今世紀前半中に魚がいなくなってしまうというレポートがScienceに掲載されて話題になってましたが(例えばNY Timesの記事)、イギリスのミリバンド環境(・食糧・農村地域)大臣が反応しています(ちょい意訳気味)。
 EUも海洋環境へのアプローチをついに変えつつある。補助金をより大型の船に増やすのではなく、やめてしまう。海洋環境保護政策を実施しないのではなく、ちゃんと実施する(フランスに罰金のおそれがあるでしょう)。資源回復・管理計画の必要性を無視するのではなく、実施していく。イギリスでは、将来のため漁獲高は60%の減少になる。
 公海、特に途上国のそれは、もっとずっと悲観的だ。かすかな光は、イギリスはここしばらく、とりわけ危険な結果をもたらす底引き網規制を主張している。今月後半に予定される国連の会合で底引き網禁止のための決定がされる(と希望している)。
いや、別にこれだけだとふ~んですむ話ですが、何がスゴイ!?かって、このコメントは彼のブログに載っているものなのです(このエントリ)。政治家のブログは珍しくありませんが、現役大臣のブログ(ドメインも.gov.uk)は初めて見た。どうも安倍内閣になって各省の記者会見録のアップが劇的に早くなって何となく官邸筋(世耕補佐官あたり?)から指示が飛んでいるのかしらん(・ ・?)と勘ぐっていましたが、いやはや大臣ブログとは遥かにプログレッシブというかなかなかシャレてますね (大臣自らが全部書いているというハズもないんでしょうが)飾り気なしの姿が伝わってくるし、結構いいんじゃないでしょうか。ちなみに日本の立場は「資源管理をきちんとやる」というものらしいのですが、科学的なバックデータ、Complianceに割く(ことができる)リソース云々「きちんとやる」の一言ではかなりハードルが高い気がしますけどね。
 
 ついでに。中間選挙は事前の予想通りというか予想の上限いっぱいというか、下院は民主党、上院はヴァージニア(とモンタナ)次第ってことで、APはヴァージニアも民主党が勝ったと報じたけどCNNはリカウントの可能性があるから当選と報道しないもんね、ということらしい。リカウントしてよと言える範囲の差になるそうで。ちなみにモンタナで負けた共和党現職はリカウント請求する気満々とCNNは伝えていますが、リカウント請求可能な差なんでしょうか? いずれにせよまたリカウント→徹底抗戦→裁判所とかやるのはどうなんでしょうという気がしますけどね、どっちが多数派になるかのcriticalな一議席ではあるのですが。
 っと2000年の混乱を思い起こさせてちょっと申し訳ないので、癒し?ネタを。前も紹介したパロディー記事のonionです。
 Politicians Sweep Midterm Elections (中間選挙は政治家の圧勝)
   

Chevron + DOEでセルロース・バイオ燃料

2006-10-05 23:59:41 | 環境ネタ
 昨日米国石油連盟(API)のロビイング・ペーパーを面白いなと眺めながらググってると、こんなのが目に入った。
   Chevron and National Renewable Energy Laboratory Establish Research Alliance to Advance Cellulosic Biofuels (Oct. 4 2006)
シェブロンとDOEの研究所(NREL)が徒党を組んでセルロース系バイオ燃料研究を行うことになりました、っていうプレスリリース。セルロース系って要するにさとうきびとかとうもろこしとかの糖質の高いものに頼らなくていいヤツで、小麦やら稲わらやら木質系までが燃料になっちゃうぅ~というお話。ちょっと前にRITEとHondaが「セルロース系バイオマスからのエタノール製造新技術を共同開発」(2006年9月14日Hondaプレスリリース)とかやってましたけど、あんまり調子に乗ってると(いや調子に乗ってなくても)圧倒的なオイルマネーの研究資金で追い抜かれちゃいますよ。ちょっと気合を入れなおしてほしいところ。