l'esquisse

アート鑑賞の感想を中心に、日々思ったことをつらつらと。

フランドルからの贈り物

2010-06-23 | その他
サッカーが好きなもので、連日W杯にかまけているうちにまたしても長いことブログをさぼってしまった。お元気ですかと心配して連絡を下さる方もあり、反省しつつ本当にありがたいことだとしみじみ思います。

先月観に行っておきながら記事がうっちゃり状態の展覧会もいくつかあり、もう今更だよなぁ、と半分やる気を無くしかけていたが、やはり少なくとも自分用の記録として残さねば、と主だったものについては頑張って今月中にいくつかアップしようと決意しました。

と言いながら、今日はどうしてもW杯の話を少しばかり(ご興味ない方は飛ばして下さい)。

アフリカ大陸における初開催という意義はさておき、サッカーには素人の、一観戦者の目から見て今大会は何だか面白いのかつまらないのか正直よく分からない面がある。現在続行中のグループ・リーグでは、スター選手を抱える欧州勢が軒並み苦戦し、ほとんどノー・マークといってもいい韓国や日本などアジア勢が意外な健闘ぶりを見せるも、中南米勢の迫力が何より勝っているような印象を受ける。

その背後にあるのは何だろう。

思い返せば、本大会は開会直前に次々と入ってきた怪我人情報から始まったような気がする。ドイツやイングランドのように主将クラスの選手たちが欠場を余儀なくされたのには驚いたし、出場が微妙と言われる選手の名が挙がる度に落胆した。今に始まったことではないが、5月まで続く欧州各国リーグにて所属クラブの主要戦力として戦い抜く選手たちの疲労、そして言わば付け焼刃的に編成されたチームで国旗を背負って戦わねばならない彼らのストレスは、年々過酷を極めているように思えてならない。

そこにきて南アフリカ大会独特の環境。ボールの運動に影響を与える高地の気圧に加え、キーパーを始め選手から扱いにくいとクレイムの多々聞かれるジャブラニ(公式ボール)、そして客席からあの大騒音を放つブブゼラなど、素人目に見ても普通のサッカー試合の状況と異なる点は多い。地理的条件やボールは仕方ないとしても、ブブゼラはどうにかならないのだろうか。テレビで観ていてもイライラするし、何より審判の笛が聴こえない、選手間の声が通らない、夜耳鳴りがして眠れない選手がいる等、明らかに本分であるサッカーの試合に支障をきたしていると思われる。アフリカ民族の象徴的楽器であることは理解するけれど、試合中における使用は禁止にすべきだったのではないでしょうか?

そんな特殊な状況下、欧州の狩猟民族よりも我々農耕民族の忍耐強さ、協調性が案外勝る点があるのかもしれない、と思ったりするが、文字通り「生きるために」サッカーをするという現代の強烈なハングリー精神をまとった中南米の狩猟民族は、状況など選ばず、ことのほか強さを発揮するように思う。どの試合だったか、大きな口を開けて咆哮するアルゼンチンのテベス選手がスローモーションで映し出された時はテレビの前でのけぞった。まさに猛獣のごとし。しかもまだグループ・リーグでこれですから。戦いの場が“サドンデス”である決勝リーグに移ったら、狩猟民族の戦い方はこんなものじゃない。

グループ・リーグ突破を目指す我らが日本は、日本時間の25日未明に行われるデンマーク戦が正念場。勝つか引き分けるしかない。ここまで頑張ったのだから、是非とも韓国に続いて本戦に歩を進めてほしい。頑張れ、日本!

。。。と勝手に熱く語ったところで本題に。

私事で恐縮ですが、実は今日は私の誕生日でありました。ベルギー在住のお友達が素敵なプレゼントを送って下さったので、嬉しさのあまりご紹介させて頂きます。

ベルギー製レース



日経BP社の「フランドル美術紀行」を見ると、レース編みは15世紀に始まり、16世紀に最盛期を迎え、フランドル地方の重要な輸出品となったとある。ヨーロッパ各地の王侯貴族や商人などの富裕層がこぞって買い込んだと言うこのフランドル産のレース製品は、産業革命で機械編みのレースの登場により廃れそうになりながらも19世紀後半に息を吹き返したそうだ。

しかしながら、そんなベルギーの特産品も今や中国製が幅をきかせるようになったそうで、友人はわざわざブリュッセルのグラン・プラスにあるお店でベルギー製のものを入手して送って下さったとのこと。画像ではわかりにくいけれど、細い糸でそれはそれは繊細に編み込まれています。花瓶の下敷きにでも、と言われても全く実用しようという気になりません。

カード・セット



ベルギーの画家、ルネ・マグリットのグリーティング・カードが10種類入ったセット。彼の作品はともすれば平坦な画面に観えるかもしれないけれど、形而上的な深い意味合いを具象の中にとても美しく表現していて、何度観ても飽きない。こうしてカードの形で並べてみると、絵画としての美しさが再認識されるよう。

     

上の左側の画像、何だと思われますか?実はこのカード・セットを包んでいたのが、またこんな素敵な包装紙。この金と竹色のコンビネーションがアール・ヌーヴォー的でもあり、クリムトの作品なども浮かんできたり。ブックカバーにでもしようかしら。     

そして右側がバースディ・カード。オランダ製らしく、ポップな色のお花が沢山。細かい銀の粉と♪が入っていて、振るとさらさらと動く。カードを開くと、お人柄そのものの丁寧な美しい文字で、温かなメッセージが。本当に何から何まで細やかなお心遣い、ありがとうございます。

最後にもう一つ。



この可愛らしいカードはロンドンの友人から。木村カエラちゃんの歌が聞こえてきそう♪

皆さまの優しさに心からの感謝を。

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ふみ)
2010-06-24 00:42:38
(mixiでマイミクになっていただいてるふみです)

お誕生日おめでとうございます♪
素敵な誕生日でしたね(^-^)

W杯、見ちゃいますよね!
返信する
お、お恥ずかしい。。。。 (Yuko)
2010-06-24 01:22:11
ご紹介いただきました、ベルギーのYukoです!いやはや、お恥ずかしい限りで、本当に小さなものですのに、こんなにきれいなお写真を撮ってご紹介くださり、大変恐縮しております。

ベルギーのレースについては、いまやほとんどの女性が外に働きに出ているため、作る人がいなくなりつつあります。そのうち全てが中国製になってしまうかも。。。ですから、アンティークのレースなどは本当に高価です。
このレースは、首都ブラッセルの中心広場、グランプラスの23番地にあるF. Rubbrecht(F.ルブレヒト)という店で求めたものです。小さな店なのですが、きちんとレースはMade in Belgiumであると表示していて(ただBelgiun Laceとだけ書かれていたら要注意です)、美しいアンティークレースも売られていますから、見るだけでも楽しめます。

マグリットの絵って不思議な魅力がありますよね~。しばらく眺めていると、色々想像力が沸いてくるような。最近、王立美術館から独立して、マグリットの作品だけを展示するマグリット美術館ができました。

そして、包み紙までとっておいてくださるなんて。。。!確かこれは住んでいる町のスーパーで買ったものだったはずですが、確かに言われてみれば、アールヌーヴォー的な色使いで、ベルギーらしいかもしれないですね。

それにしても、YCさんはサッカーにお詳しいですね!ベルギー人もサッカー好きだけに皆夢中でテレビ観戦をしているようですが、以前と比べると、今回は欧州勢が苦戦しているせいか、盛り上がりは今ひとつで、今のところ家の前の通りでは、たまにパラリラ、パラリラと車のクラクションを鳴らす音が聞こえた程度ですね。ベルギーにはヨーロッパ各国から色々な人が来ていますから、自国チームが得点したときなどは嬉しくて、車で通りを回るんですね。

また面白い記事を楽しみにしておりますね。
どうぞお元気で!
返信する
ありがとうございます♪ (YC)
2010-09-07 21:13:53
☆ふみさん

今さらですが、メッセージありがとうございます!

ふみさんというと、未だにオシム元監督が浮かんでしまいます。

新生ジャパンはボンジョルノ軍団(?)となりましたが、
次のW杯に向かって更に強いチームになるよう
期待したいと思います。
返信する
改めてありがとうございます♪ (YC )
2010-09-07 22:01:01
☆Yukoさん

こんなにいろいろ書いて下さったのに、本当にすみません

今さらになってしまいますが、お返事させて頂きます。

はい、決して詳しくはないのですが、私サッカーが好きなんです。浦和レッズのサポーターで、以前はレプリカのユニフォーム着て試合を観に行っていました。基本的にクラブありきなのですが、W杯となるとやはり代表の応援にも力が入ります。Yukoさんは現在イングランドにお住まいですから、否応なしにベルギー以上にサッカーが身近に感じられるのでは?

Yukoさんのベルギー・レースのお話で思い出したのですが、先日親戚の人から頂いた石川県のお土産の和的なタオルも中国産でした。今や世界中の製造業を席巻している中国パワーですが、伝統工芸的なものに関してはその価値観はどうなってしまうのだろうと悲しくなります。

あの包装紙、スーパーで売っていたのですか!やはり美的センスのレベルが違いますね。テレビでよく見るグランプラスやルネ・マグリットの美術館にも行ってみたいし、Yukoさんがベルギーにいらっしゃる間に一度でもお訪ねできなかったのは、返す返すも残念です。

では、Yukoさんもどうぞくれぐれもご自愛下さい。また別途メールさせて頂きます。
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