東京タウンウォッチング情報 & 経営コラム 「経営コンサルタント・安岡裕二」の情報とヒント

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東京タウンウォッチング 芭蕉の「不易流行」は真理か!?

2008-04-13 12:26:18 | ミニ経営戦略・戦術論
  東京タウンウォッチング 芭蕉の「不易流行」は真理か!?

 (もう一度お姿に登場戴いて…)芭蕉のいう俳諧用語「不易流行」(ふえきりゅうこう)について、考えてみたい。(不易)は、詩の基本である永遠性、(流行)はその時々の新風の体をさす。どちらも風雅の誠から出るもので、根元では1つである…という。
 現代流に経営に当てはめれば、伝統と革新ということになる…と解釈している。電通と並ぶ大手メディアの博報堂に「不易流行研究所」という部門がある位だから、この言葉は経営にとっても重みのある言葉である。
 私は、この精神を指導理念の1つにしているが、伝統6.5或いは7に対し、革新3.5ないし3というバランス感覚が良いと思っているがどうか!? 但し、これは、日本国内だけに展開する企業に当てはまりそうな事で、今日のように技術・情報革新のスピードが早く、グローバルビジネスで成長する企業には当てはまらない。国際企業では、海外売上比率が7割、8割という時代だから、このバランスの比率は逆転する感覚が当たっているのだろう。では、真理はどこにあるか。
 芭蕉は、「根元においては、1つである」という。風雅の世界の事といえ、示唆に富んでいる。

 羊羹の虎屋は480年続く京都が源流の老舗中の老舗だが、その経営理念は「伝統は革新の連続だ」という哲学にある。社長が変わるたび、創業一代の精神で(新しいこと)をやらなくてはならないのだという。17代目の現社長は、最新鋭の衛生管理設備投資、パリへの出店、六本木ヒルズで「トラヤカフェ」のモダンな店舗、あんこの伝統的味×皮の洋菓子=和洋折衷のNew洋菓子へのチャレンジ、など成長を支えるものは正に革新へのたゆまぬチャレンジという印象を強くする。想像だが、売上比率では、伝統商品が高い比率を占めると思う。
  しかし、時代による価値観の変化(30代~40代)やグローバル化の進展などによって、古い考えは固定観念として陳腐化することも避けられない。
こう考えると、芭蕉のコトバの重みが増してくる。時代によって変化するからこそ、新製品のネタが尽きない…という面白い世の中でもある。
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