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今の歌声は

ohtaと申します。M!初演の中川晃教さんに感動してこのブログをはじめました。ゆるゆると更新中。よろしくお願いします。

ミュージカル ジャージーボーイズ 大千穐楽

2018-11-26 00:37:51 | 中川晃教
もう2週間が経ちました。
ミュージカル ジャージーボーイズ の凱旋公演、そして再演の大千穐楽から。
9月7日に始まったこの再演、約1カ月のシアタークリエ公演、その後の地方公演と約2カ月に渡る公演でした。

場所は神奈川県民ホールです。
私は地方公演は行かなかったので、シアタークリエでしかこの作品を観たことがなく、こんな大きなホールで観る ジャージーボーイズはどうなのだろうと思っていましたが、出演者の皆さん、きちんと大ホールの隅々まで届くような演技をされていてクリエでも感じたような一体感もあって、素晴らしかったと思います。
なんだかクリエの時よりファミリー感が強くなった気がしました。

神奈川県民ホールは宝塚の地方公演でも何度か来ているのですが、宝塚の地方公演は演奏は録音なので、生の音で舞台を観るのは初めてでした。
10日の白チームの時はちょっと音が硬く感じましたが、11日の時は改善されていて良くなっていたと思います。

アッキーは10日はちょっと声が出しづらそうな感じもあったけど、11日はクリアで力強い歌声でした。
アッキーヴァリの歌声も、もう今日で聴き納めかと思うと感無量でした。

アッキー、この歌声を維持するのはとても大変だっただろうと思います。体力、気力共に。
いや、舞台に立つ方達みんなそうだと思いますが。
でも、今回のフランキー・ヴァリ役は実在するヴァリ本人のチェックをクリアしての配役で、プレッシャーもあったでしょうし、シングルキャストで座長としての責任もあり、精神的にも大変だったと思います。

無事、全公演全うできたこと、ほんとにめでたい🎉
素晴らしいことだと思います。

出演者の皆さんも本当に素晴らしかった。
4人のボーイズにはそれぞれ歌声サポートというか、歌声の厚みを出すための担当が決まっているんです。
アッキーでいえば、小此木まりさん、大音智海さんがそうでした。
コーラスの時も舞台上にいる人が一緒に歌っていました。それぞれの役をこなしながら。

全員野球ならぬ全員ミュージカル
15人という人数で練り上げた珠玉の舞台だったと思います。

11日のカーテンコールで演出の藤田さんが、今この舞台にいる15人を守っていきたい、みたいなことをおっしゃっていました。藤田さんの海より深い愛情を感じた瞬間でした。

そして、最後の最後にアッキーからCD発売の重大発表がありました。
やったあ!
ほとんど不可能かと思っていましたが、あるんですね、こういうことが。
ブロードウェイミュージカル の舞台映像やライブCDって発売されることはないというのが、定番だと思っていました。映画化やCDならスタジオ録音とかはあるけれど。
早く詳細を発表して欲しいです。首を長くして待ってます。

最後になりますが、アッキー、そして出演者の皆さん、バンドの皆さん、スタッフの皆さん、ほんとにお疲れ様でした。
熱い思いのこもった素晴らしい舞台をありがとう。
また、いつの日か会えますように。













東京千秋楽を終えて

2018-10-04 21:12:21 | 中川晃教



ミュージカル ジャージーボーイズ  
東京公演が無事に終わりました。
あっという間の約1ヶ月間でした。
全33回(本当は34回だが台風で1回延期になっています)

アッキーは全公演出演、本当にお疲れ様でした。
トワング、ファルセット、普通の歌い方とは違うテクニックを使いこなしての歌の数々。
普通だったらダブルキャストでいくところでしょう。
1人で乗り切ったアッキーはもう驚異という他はない…そんな気がします。

4人のメンバー以外のキャストの方も実力のある方たちばかり。
コーラスの厚みを出すために、舞台上で演技しながら4人のメンバーの声に重ねて歌うとか(影コーラスを舞台上でやっている形ですね)、役も一つではなくいくつもあって、皆さん、本当に大変だっただろうなと。
ほんとにご苦労さまでした。

10月3日の青チームの千秋楽が東京公演の楽でもあったので、全キャストから一言づつあったのですが、皆さんとっても大変だと思うのに凄く楽しそうに話されていたのが印象的。暖かいチームだなと感じました。

これから全国公演ですね。
体調に気をつけて凱旋公演の横浜まで頑張ってください。

ところで、全国公演には参加できない私としては、舞台を観られない淋しさを乗り切らなければいけない。

映画のDVDを観る、という手もありますが、私はCDを聴きます。
ブロードウェイ版オリジナルキャストのCDです。
映画はストーリーを再構築してあって曲順とかが違っていたり、カットになっている曲もあったりしますが、CDは舞台と同じ。
台詞も入っています。一部だけど。

何と言っても曲順が同じなのが大きい。聴きながら舞台を思い出せるんです。
再現率かなり高し。
何だかアッキーの声に重なるような気がしちゃうし(空耳?)
音もとってもいい。

残念ながら日本版の映像、音源は出せないでしょうから、もう、これに頼るしか道はない。

聴きながらクリエの舞台を思い出すことにします。











帰るべき場所へ

2018-10-01 22:23:58 | 中川晃教
ミュージカル ジャージーボーイズ
4つの季節(ストーリー)をそれぞれメンバーが語り継いでゆく。
最後の冬はフランキー・ヴァリ、アッキーです。
秋~冬そして最後、ロックの殿堂の場面まで、アッキーはほとんど出ずっぱりです。

トミーの借金問題があってニックはグループを去り、ボブとフランキーは借金返済のために活動を続けます。

トミーはフランキーを道端から拾ってくれた。ニックはフランキーに歌を教えてくれた。この二人がいたから今の自分がいる。
このかけがえのない二人を欠いてフランキーはどれほど悲しかったことか…
とにかくトミーの借金を返す、ということだけがモチベーションだったのかなあと。

「Don't worry 'Bout Me」「Bye Bye Baby」
あたりは曲が楽しげなので余計に悲壮感が漂ってる気がします。
特に「Bye Bye Baby」 はフランキーの家族関係があって切ないです。

そしてボブはフランキーにソロでやることを提案します。
フランキー・ヴァリ「と」フォーシーズンズ にするんだと。
フランキーは最初は躊躇するが結局そのようになる。

そして「C'mon Marianne」が大ヒット。
しかし、用意したもう一つの曲「Can't Take My Eyes Off You (君の瞳に恋してる)」はポップにしてはハードだし、ロックにしてはソフトだ、ということでどこも出してはくれない。
「C'mon Marianne」はいい、だけどこれはちょっと…とだれも取り上げてくれないのです。今までにないスタイルの曲だからみんな二の足踏むんですね。
売れ筋じゃないと手をつけない、という業界の徹底した姿勢がよく判る。


でもボブはこの曲はフランキーにとって必要なんだ、と諦めない。
プロデューサーのボブ・クルーの進めで関係者に直接働きかけることによって、ようやく日の目をみて爆発的にヒットするわけです。

この辺の苦労があるので、フランキーが歌う「君の瞳に恋してる」の場面はすごく感動的。
ミラーボールが回る中、念願のホーンセクションをバックに歌うフランキーの姿に胸が熱くなります。(涙)

その後の「Workin' My Way Back To You」も大成功。
これも軽快な曲で凄くいい曲です。
ただ、メンバーは元のメンバーは誰もいない。フランキー以外。そのあたりが胸にとげがちくっと刺さったような気がするんです。切ない。

フランキーは言う。
曲もいい、気分もいい。でも、母に言われた。何事にも終りがある。悪いこともそうだし、良いことにも…
娘の死を知ってから歌う「Fallen Angel」は胸が締め付けられるような痛みがあります。

そして時は過ぎて…
フォーシーズンズはロックの殿堂入りをします。

それまでのいろいろな成功、挫折、争い…
今は離れ離れに過ごしている4人
そんな彼らが4人一緒に「Rag Dool」で登場するところはもう胸が一杯です。


トミーは言います。
アカデミーやエミーは金で買える。だけどこれは金で買えない。何故ならこれは一般大衆が選んだからだと。

ビートルズのような社会的ムーブメントにはならなかったけれど、底辺で働く若者達に支えられた彼ら。

成功も失敗も、女のことも家族のことも、いい事も悪いことも赤裸々なまでに語る彼らの姿を観ていると、ただの成功物語ではない人間味というか、人生の真実味が感じられて胸を打たれます。

曲の素晴らしさもあって、言葉にはならない感動が溢れてくる。涙も…

この作品が単なる普通の「カタログミュージカル」とは一線を画す感じがあるのは、そんな赤裸々な彼らの生き様に裏打ちされたリアリティがあるからだと思います。
光もあるけど影の部分も描かれている。
だから観る人の心に響くんだと思います。


























音楽を追いかけて 2

2018-10-01 20:00:51 | 中川晃教


ミュージカル ジャージーボーイズ
フォーシーズンズの物語ということで4つの季節を4人がそれぞれ語る、という形で進んでいくミュージカル。

秋はニック・マッシです。
彼はベース担当でハーモニーの天才。
フランキーに音楽を教えた人。
そして、何か問題があるとまずグループのことを第一に考える人。
自分の気持ちは置いておいて。

第一幕はトミーの多額の借金が問題として出てきたところで終わるんですが、第二幕はそれをジップ・デカルロというボスと話し合うところから始まります。

この時に歌われる「Beggin'」が凄く好き!
ちょっと黒人っぽいフィーリングでフォートップスのような感じがします。

一幕でフランキーとボブがデモテープを送ったフォローで売り込みにいろんなプロデューサーを回った時、音だけ聴いて彼らを黒人グループと思い込んでいたプロデューサーが白人と知ってビックリするわけですが、言った言葉は「黒人になってまた来て」

売れ筋じゃないと契約してもらえないんですね。

そんなことがあってちょっと黒人ぽい音作りになっているのかな、と思わせる…が、実際の曲のリリース順とミュージカル上の曲順は違っているので、「Beggin'」は実際にはニックが辞めてからの曲なので、これは私の単なる妄想でしかありません。

Beggin'に限らず他の曲も実際のリリース順とは違うわけですが、ストーリーの内容とマッチしているところがこのミュージカルの凄いところだな思います。

ちょっと脱線しました。

デカルロとの話し合いの時、ニックはそれまで我慢して抑えていた自分の鬱憤をみんなの前で発散するんですね。
ニック、そんなにトミーのことで我慢してたなんて…
誰もがニックに同情し、トミーはなんてヤツなんだ!って思う場面ですよね。
私もそう思う。そして、こんなに売れているグループなのに、ホテルの部屋が2人部屋だということにビックリもする。シングルじゃないんだと。

ってそこですか(笑)

今と時代が違うのかもしれないが、ステージも一緒、ホテルの部屋も一緒じゃ息抜けないでしょ、どうしてシングルにしてくれって言わないの、と思いました。
ツアーにはマネージャーがいると思うんだけど、そういう話は全然出てこないので良くわからないが、もしかしてその辺も全部トミーの仕切りだったのかなあ。

まあ、自分の主張はせず従っちゃうのがニックという人なのかもしれないですね。

そしてニックは時折呟く。「俺もバンド作ろうかな」と。
その裏にはいろいろ我慢してる気持ちがあったんだなって判ります。

そしてフランキーとボブのパートナーシップを目の当たりにしたこともあり、ニックはグループから去って行きます。

トミーも借金の解決のためグループから離れざるを得なくなるのでグループは二人になってしまう。
でも、トミーの借金をグループで肩代わりすることに決めたので、フランキーとボブは二人でツアーを続けるんですね。代わりの二人を見つけて。

「Stay」「Let's Hang On」
この辺りは切ないです。とっても。
スタンドマイクが4本…でもいるのは2人…
曲が軽快なだけに寂しさが増します。

またちょっと脱線ですが、メンバーの経済的問題を解決するために、一度解散したグループを再結成してツアーをするとか、よく聞く話です。
フォーシーズンズの場合は解散はしていないけれど、2人しか残っていないので実質分解状態ですよね。
残ったメンバーが必死の思いをしてまでメンバーの借金のかたをつけようとする…
その気持ちを思うと切ないです。
何もそこまでしなくてもって思う気もするけれど、下積みから一緒にやってきたメンバー同士の絆はちっとやそっとのことでは切れないっていうことなんだなと思います。

あと、ツアーの厳しさも思いました。
よくロックグループの解散理由なんかで、ツアーが原因、という話を聞くことがあるからです。
長期間、家族とも離れメンバーとステージ(仕事)も一緒、移動も一緒、そんな中ではどんなに仲良しでも気に障ることが出てくるのはしかたがないのでしょう。

ボブはツアーでは普段と違う法則が働くという。
ツアー用の家族(妻)があるとか…
もう、なんなの~って感じですよね。
でも、それが現実なのが辛い。

ヒット曲が続いて、グループで問題があってもそれは成功の裏に隠れてしまっていた訳だけれど、それがどうしようもなく現れてくるのが、秋の季節。


ああ、冬になかなか行けない…






































音楽を追いかけて

2018-09-26 14:04:20 | 中川晃教
ミュージカル ジャージーボーイズ

このミュージカルの面白さは曲の良さももちろんですが、4人の人生が4つの季節に準えて音楽と一緒に進んでいくところ。曲の中に演技がはめ込まれて曲を聴きながらストーリーが進んで行く感じです。

春はトミー
グループ結成時、初期のころのリーダー的存在です。
イタリア移民の貧しい環境の中で盗みや不法侵入や悪いことばかりして刑務所を出たり入ったり。まるで回転ドアみたいだと言う。
そしてこの環境から抜け出すには3つの方法がある、と言いいます。

1.軍隊に入る。
2.マフィアに入る。
3.スターになる。

なんか行き場のない感じがよく出ていますよね。
そんな中、夜の街灯の下で彼らは歌い始めるんです。
それがフォーシーズンズの始まり…全てはそこから始まった。フォーシーズンズの全ては自分から始まったんだとトミーには自負があるんですね。
トミー、トミーの兄のニック、ニック・マーシの3人が歌っているところにフランキーの声が初めて合わさってくる…「Silhouettes」
街灯に照らされた3人と客席から登場するフランキー…余韻のある場面です。


夏はボブ
ボブ・ゴーディオは一番最後に参加したメンバー。そう最後のピースです。
そして彼の作る曲で彼らは有名になっていきます。
グループに参加した時、10代で彼はすでにヒットメーカーでした。一発屋ではあったけれど。
そのヒット曲「ショート・ショーツ Short shorts」は かなりおき楽な感じの曲。以前あったテレビ番組タモリ倶楽部のオープニング曲ですよね。お尻がいっぱい出てくるやつです(笑)
誰にでも判りやすいキャッチーな曲を書ける人なんですね。

「sherry」「Big Girls Don't Cry」「Walk Like A Man」あたりから「Dawn」まで、いろいろな場面を挟みながらヒット曲が連続していくところはもうほんとに楽しい。堪りません。まさに勢いのある夏の季節。

ボブは言います。
僕らの音楽は髪に花を飾ったヒッピーのような社会的ムーブメントにはならなかった。僕らの音楽を聴いていたのは、軍隊で戦地に派遣される若者、工場労働者、そして目の下に隈を作りながらバーガーを焼いている若者達だった、と。
この台詞の時、舞台両脇にあるモニターにはそういった若者達の映像が映っているんです。
観ている私たちもその姿に少なからず共感を覚えると思うんです。
主義主張することなく、必死に生きている若者達。そんな層の人たちに彼らの歌は支えられたんですね。じ~ん。

ボブとフランキーがデモテープを売り込みにいくところも印象的。みんな断られ「黒人になってまた来い」なんて言われてしまう。
黒人グループが人気あった時期なんですよね。確かに。私もフォートップスとか大好きだったから。

「December'63 ( oh what a night あの素晴らしき夜)」の青春真っ只中みたいな感じも楽しいです。




秋と冬はまた後ほど。