今の歌声は

ohtaと申します。M!初演の中川晃教さんに感動してこのブログをはじめました。ゆるゆると更新中。よろしくお願いします。

オスロ

2021-02-24 09:37:30 | 安蘭けい


新国立劇場 中劇場 で16日観てきました。

作  j・T・ロジャース
翻訳 小田島恒志・小田島則子
演出 上村聡史
出演 坂本昌行 安蘭けい 福士誠治 河合郁人 横田栄司 石田圭祐 那須佐代子 石橋徹郎 佐川和正
   チョウ・ヨンホ 駒井健介 吉野実紗 相島一之 益岡徹

1993年、イスラエルとパレスチナの代表者が初めて和平交渉に合意した「オスロ合意」の成立
その歴史的史実に基づいたドラマです。

何故オスロなのか。
それは、当時、イスラエルとパレスチナ、両方と良好な関係であったのがノルウェーだったそうで、
ある民間の研究機関のスタッフが仲介する形で極秘裏に合意に向けての努力がなされたそうです。

舞台は、このノルウェーの研究機関の中心人物である坂本さん扮するテリエ、その妻で外交官で
ある安蘭けいさん演じるモナが中心となって進んでいきます。

はっきり言って、中東情勢って、よくわかりません。
考えてみると、昔から、例えば「アラビアのロレンス」だって、よくわからなかった。

まあ、子供だったということもありますが・・・

一番覚えているのは、PLOのアラファト議長が国連で演説したことですかね。
なんだか、あのアラファト議長は印象的だったなあ、と思います。
詳しいことはわかりませんが。

なんだか、よくわからないことばかりだけど、重いというか深いというか。
外交の交渉ってこんな忍耐強くしないといけないのか、とか、とにかく、いろいろと
考えさせられることが多い内容でした。

政治的な内容だから、ちょっと退屈かもと思っていましたが、それほど退屈することもなく(爆)
お芝居に集中できたのは、出てくる人物たちがとても人間的で、生き生きと描かれていたからだと
思います。

そうなんです。とても人間的!

人種の垣根を越えて、お互いが自分の権利を主張し合い、なんとか合意点を見つけようとする、
見つけていきたい、その気持ちは同じなのに・・・

総論賛成、各論反対、みたいな・・・

なかなか上手くいかないなかで、それでも努力しようとするテリエ夫妻。
そこまでする必要があるのか、と考えてしまいました。

でも、そこは外交官魂がそうさせるのかなあ、と思いました。

出てくる方たち、皆個性的でした。

イスラエル側の正式な代表として登場するウリ・サヴィール役の福士誠治さん。
それまで、イスラエルは正式な代表ではなく民間人を派遣していたんですね。
福士さんの登場で場面の雰囲気がガラッと変わった気がしました。
とても存在感がありました。

その他、パレスチナ側の益岡徹さんも、良かったです。

それにしても、アラファト議長があんなに恐れられていた人物とは知りませんでした。
というか、ほんとに食えないやつ、何をするかわからない人物と捉えられていることに
ちょっと驚きました。

いや、私が無知なだけだと思いますが。
あの、国連のスピーチが頭にあって。
平和の印、オリーブの枝とピストルを両方持っている、ということの意味を改めて
考えました。

平和とは何か。
人間とは何か。

考えさせられるお芝居でした。




宝塚雪組大劇場公演 フォルティッシッシモ/シルクロード千穐楽ライヴビューイング

2021-02-11 13:41:20 | takarazuka
宝塚大劇場雪組公演千穐楽 ライヴビューイング感想その2



レビュー・アラベスク
シルクロード〜盗賊と宝石〜

作・演出は生田大和先生

生田先生も、上田先生と同じく、宝塚のこれからを担っていく演出家、ホープです。
そして、今回退団する望海さんとは、縁のある演出家です。

今まではお芝居をやってこられましたが、今回、初めてのショー作品ということで、
とても楽しみにしていました。

ストーリー仕立てになったショーでした。
望海さんが砂漠の盗賊、真綾さんが盗まれる宝石。

菅野よう子さんの主題歌が覚えやすくて、素敵なメロディでした。

生田先生は「カサノヴァ」でも、ショー的な演出があったので、初めてのショー作品といっても、
そんなに不安感はなかったのですが、思った通り、安定感のある作品になっていたと思います。

ロケットの入り方も自然で、違和感なく、全体がよくまとまっていたと思います。

フィナーレも定番な感じですが、とても良かった。

大階段の男役勢揃いの黒燕尾のダンス、トップコンビのデュエットダンス・・・

奇をてらった演出より、オーソドックスな定番が一番。
ファンにとっては、それが嬉しいのです。

今回は望海さんが青い一輪の薔薇を持って踊るのですが、最後にそれを次期トップの
彩風さんに渡すシーンがあって、素敵でした。

そして、真綾希帆さんとのデュエットダンスも素敵でした。
優しい雰囲気が出ていて、胸が熱くなりました(涙)


退団公演の千穐楽なので、本編終了後にサヨナラショーがありました。

私は望海さんの作品の全部を観たことがないので、知らない曲もありましたが、
望海さんの歌のうまさ、表現力、力強さに感動しました。

ドン・ジュアンとか、観たかったなあ!

真綾さんも歌がとても上手いので、私が大好きだった、「ファントム」からの
デュエットは凄く嬉しかったです。

歌の上手なトップコンビって、貴重。

これで大劇場は最後かと思うと、寂しい気持ちで一杯です。

望海さん、真綾さん、組子の皆さん、関係者の方々、大変な状況の中、お疲れ様でした。
素敵な歌声をありがとう。

東京公演も無事できます様に。

















宝塚雪組大劇場公演 フォルティッシッシモー歓喜に歌えー/シルクロード 千穐楽ライヴビューイング

2021-02-10 15:43:26 | takarazuka


8日(月)、宝塚大劇場 雪組公演千穐楽ライヴビューイングを観てきました。

ミュージカル・シンフォニア fffフォルティッシッシモ ー歓喜に歌え!ー
レヴュー・アラベスク シルクロード〜盗賊と宝石〜


トップコンビ 望海風斗さんと真綾希帆さんの退団公演です。
本来なら昨年11月のはずだった退団公演
コロナ禍のため、今年になっての公演でした。

1月1日初日から2月8日まで、まずは無事に公演できたこと、本当に良かったと思います。

ミュージカル・シンフォニア
fffフォルティッシッシモ ー歓喜に歌え!ー

昨年2020年は、ベートーヴェン生誕250年の年でした。
それに合わせての演目だったと思いますが、コロナ禍により、今年になりました。

作・演出は宝塚の鬼才、と言ってもいいですよね。上田久美子先生。
今、注目の若手演出家、これからの宝塚を背負って立つ才能の持ち主だと私はとても期待している先生です。

そして今回の作品は、月組のショー「BADDY」に続く衝撃作だと思います。

ベートーヴェンの生涯を辿るストーリーではあるけれど、焦点があたっているのは、内面の世界です。
非常に観念的な内容だと思いました。

なので、見ていて、これはどう捉えたらいいのだろう、と思うところが・・・
難しい、というか、今までにない表現方法のような気がしたからです。

ストーリーとして見るより、感覚的に感じる、というか、音楽を聴くように感じる、と捉えればいいのかなと思いました。

タイトルに『シンフォニア』となっているのは、そういうことか、とも。

ベートーヴェンに絡む役柄として、ナポレオンとゲーテが出てきます。

ナポレオンがロシアで敗戦するところで、夢の場面になって、ベートーヴェンと交響曲の作曲と戦い方の方法に共通の法則があると
二人で話し合うところが、とても面白かったです。

4つの音符が倍に、そのまた倍になっていく、それが兵の動かし方と同じだ、と。
アニメーションと連動した場面になっていて、凄く面白かった。

また、使われていないオケピットの使い方も、楽しかった、というか、よく考えられているな、と思いました。
オケの動き合わせて、音符が飛び散っていくアニメーションが、とても素敵だった!

そして、ベートーヴェンだけに見える存在の「謎の女」が出てきます。
耳の聴こえない彼にも、彼女の言葉は聴こえるのです。

彼の人生は「不幸」と「苦しみ」の連続、その中に女は現れてくるのです。
そんな自分の人生を思う時、ベートーヴェンはその女こそ自分の「運命」と名づけ、最後のシンフォニーを作り出していく・・・

その最後へ向かっていく場面は、とても迫力がありました。
グワっと持っていく感じが素晴らしかったです。
胸が熱くなりました。

タイトルのfff
fが3つ!
フォルテシモのさらにその上!
さらに強い音!
それが感じられる素晴らしく力のある場面でした。

これは、実際の舞台を観なければ、感じなければ、と強く思いました。

チケットが取れるかどうか心配しかないけど・・・
とにかく、手は尽くす覚悟です(気持ちだけは前向き)

そして、嬉しいことに、大劇場公演期間中に、N○Kで収録が入ったようです。
N○Kは機材が良いから、映像が綺麗なんですよね。
オンエアはいつかわからないけれど、楽しみです。











没後70年 吉田博展

2021-02-07 20:31:49 | 日記


6日、アッキーのコンサートの前に行って来ました。

東京都美術館
没後70年 吉田博展

いや〜もう、びっくり!

ー美が摺り重なるー

このコピーが表現しているように、幾重にも重なり合ってる色と形、光と影・・・

今まで私が持っていた版画というものの概念が、ガラガラと音を立てて崩れ落ちる・・・

そんな感じでした。

版画なので、そんな大きな作品はありません。
A4くらいの大きさです。

しかし、その中にあるのは凄い世界でした。

今まで私が考える版画というのは、広重とか北斎の浮世絵でした。
でも、吉田博の作品はそれらとは全く違うものでした。

写真とか風景画がそのまま版画になったような、細密な写実的な絵というか。

色もグラデーションが素晴らしい。

浮世絵は摺り回数が10回程度だそうですが、吉田博の版画は、なんと、平均30回だとか。
100回近い作品もあるとのこと。

もう、気が遠くなりそう。。。
いや、それを通り越して、信じられない!

版画だから、絵師(吉田博)、彫師、摺師と分業になっているけれど、吉田博はずっと現場に
付き添ったらしい。
自ら彫ることもあったそう。

板木も展示されていたけれど、その細かさに圧倒されました。

写生帳も展示されて、とにかく細かくて、スケッチ力が素晴らしい。

若い頃は「写生の鬼」といわれていたとか。
凄い集中力を感じました。

欧米での評価が先行していて、日本での評価は欧米ほどではなかったそうですが、
浮世絵の固定観念があると、吉田博の作品は評価しにくいかも、と思いました。

故ダイアナ妃の執務室の写真が公開された時、吉田博の「光る海」と「猿沢池」があったことで
有名になったとか。

日本の浮世絵より、絵画に近い雰囲気が欧米での評価に繋がっているのですね。

3月28日まで開かれています。
会期期間中にもう一度行ってみたいです。









中川晃教コンサート at 東京文化会館2021

2021-02-06 22:49:29 | 中川晃教


中川晃教コンサートat 東京文化会館2021
2021年2月6日
東京文化会館 小ホール
ピアノ 園田涼

曲目
ハッピーティアーズ
砂のロープ
粒子
ファイト
そして僕は魚になる
セイヴ アワ ソウルズ
相対性理論
ツァラストラはかく語りき(ピアノ演奏 園田涼)
オーピープル
ボヘミアンラプソディ
ファミリー

アンコール
ユー アー ザ スーパースター


アッキーは登場した時からテンションが高くて、溢れる気持ちを
なんとか堪えているような、そんな感じでした。

2021年、デビュー20周年の年、最初のソロコンサートということで、
気持ちがかなり入り込んでいたみたいです。

始めのMC で、短い時間だけど、これまでを振り返るようなことを
言っていたような気がしたので、昔の曲から最近の曲まで幅広く
やるのかな、と思いきや、古めの曲はアンコールの1曲だけでした(笑)

アッキーらしいと言えばアッキーらしいかな。

どの曲も感情が溢れんばかりの歌いぶりで、特に「粒子」はゴスペルのようで、ちょっと神がかってるような(いい意味で)
気がしました。

歌を聴くというより、歌という手段を通して何か別次元のパフォーマンスを見ているような、そんな気がしました。
上手く感想が出ません。
とにかく、圧倒的なパワーは感じました。
元の曲がどうだったか、思い出せないくらい。

これは、歌なのかどうか・・・もはや、歌の次元を超えたパフォーマンスだった、としか言えません。

「セイヴ アワ ソウルズ」はソノティ(園田)さんと寄り添うような、優しい歌いぶり。
安らぐ〜

ソノティさんのハモリが、以前聴いた時は部分的だっただったれけど、今回は最初からほぼ全面的に一緒に
歌われていたようです。

ただ、デュエットという感じではなく、あくまでアッキーのヴォーカルに沿うように、付かず離れず、
ちょうど良い距離感が心地よかったです。

ソノティさん、ありがとう!

カバー曲の「ファイト」「ボヘミアンラプソディ」は、もうアッキーの定番曲ですね。

アッキーの歌うカヴァー曲は、特別の魅力があると思います。
「ファイト」は小池先生も褒めてくださってましたよね。
聴く人の心に響く力強さがあると思います。

ソノティさんのピアノ演奏「ツァラストラはかく語りき」はちょっと意外で唐突な感じでしたが・・・

2021年 → 映画「2021年宇宙の旅」 → ツァラストラはかく語り な繋がりなんだそうです。

私は、なんでニーチェ?と思ったのですが、
その後の「オー ピープル」がニーチェの本からインスパイアされた曲とのことでした。

最近聞いてない曲だったのですが、そうだったんだ〜

アンコール曲は「ユー アー ザ スーパースター」

アッキー自身の弾き語りでした。
一番しっくり聴けたかな(爆)

本編は針が振り切れそうな、凄いパワーのパフォーマンスだったので、圧倒され続けました。
この曲で人心地つけた、というか・・・
沁みました。

緊急事態宣言の出ている中、このコンサートもどうなるのかな、と心配していましたが、
無事開催できて、アッキーの気力溢れるパフォーマンスを観られて、とても良かったです。

昨年は中止だったから、その思いを込めての今回のパフォーマンスだったのでしょう。

関係者の皆さん、そして、何より力強い歌声を、パフォーマンスを届けてくれた、アッキーと
園田さんに心からありがとう、と言いたい気持ちです。