新国立劇場 中劇場 で16日観てきました。
作 j・T・ロジャース
翻訳 小田島恒志・小田島則子
演出 上村聡史
出演 坂本昌行 安蘭けい 福士誠治 河合郁人 横田栄司 石田圭祐 那須佐代子 石橋徹郎 佐川和正
チョウ・ヨンホ 駒井健介 吉野実紗 相島一之 益岡徹
1993年、イスラエルとパレスチナの代表者が初めて和平交渉に合意した「オスロ合意」の成立
その歴史的史実に基づいたドラマです。
何故オスロなのか。
それは、当時、イスラエルとパレスチナ、両方と良好な関係であったのがノルウェーだったそうで、
ある民間の研究機関のスタッフが仲介する形で極秘裏に合意に向けての努力がなされたそうです。
舞台は、このノルウェーの研究機関の中心人物である坂本さん扮するテリエ、その妻で外交官で
ある安蘭けいさん演じるモナが中心となって進んでいきます。
はっきり言って、中東情勢って、よくわかりません。
考えてみると、昔から、例えば「アラビアのロレンス」だって、よくわからなかった。
まあ、子供だったということもありますが・・・
一番覚えているのは、PLOのアラファト議長が国連で演説したことですかね。
なんだか、あのアラファト議長は印象的だったなあ、と思います。
詳しいことはわかりませんが。
なんだか、よくわからないことばかりだけど、重いというか深いというか。
外交の交渉ってこんな忍耐強くしないといけないのか、とか、とにかく、いろいろと
考えさせられることが多い内容でした。
政治的な内容だから、ちょっと退屈かもと思っていましたが、それほど退屈することもなく(爆)
お芝居に集中できたのは、出てくる人物たちがとても人間的で、生き生きと描かれていたからだと
思います。
そうなんです。とても人間的!
人種の垣根を越えて、お互いが自分の権利を主張し合い、なんとか合意点を見つけようとする、
見つけていきたい、その気持ちは同じなのに・・・
総論賛成、各論反対、みたいな・・・
なかなか上手くいかないなかで、それでも努力しようとするテリエ夫妻。
そこまでする必要があるのか、と考えてしまいました。
でも、そこは外交官魂がそうさせるのかなあ、と思いました。
出てくる方たち、皆個性的でした。
イスラエル側の正式な代表として登場するウリ・サヴィール役の福士誠治さん。
それまで、イスラエルは正式な代表ではなく民間人を派遣していたんですね。
福士さんの登場で場面の雰囲気がガラッと変わった気がしました。
とても存在感がありました。
その他、パレスチナ側の益岡徹さんも、良かったです。
それにしても、アラファト議長があんなに恐れられていた人物とは知りませんでした。
というか、ほんとに食えないやつ、何をするかわからない人物と捉えられていることに
ちょっと驚きました。
いや、私が無知なだけだと思いますが。
あの、国連のスピーチが頭にあって。
平和の印、オリーブの枝とピストルを両方持っている、ということの意味を改めて
考えました。
平和とは何か。
人間とは何か。
考えさせられるお芝居でした。