3月に母が入院しました。
4月上旬に一時退院したものの、再度の入院となり・・・
幾度か峠を越して、ようやく見通しが立つところまでなんとか来ました。
コロナ禍で面会が出来ず、気を揉むことも多く、辛かったです。
そんな日々だったので、舞台を観る余裕もなく、アッキーのコンサートもやむなくキャンセルしたり(泣)
エンタメを楽しめるのは、身近な家族の健康あってこそ、ということを痛感しております。
最近は母もどうやら落ち着いてきて、私も少し気持ちの余裕が出てきて、娯楽を求める気持ちが出てきました。
そんな中、ラジオのピーター・バラカンさんの番組で映画「アメリカンユートピア」が紹介されていて、どうしても見たくなってしまい、行ってきました。
素晴らしかったです!
観てよかった!
というか、また観たい(笑)
元トーキングヘッズのデヴィッド・バーンが2018年に出したアルバム「アメリカン・ユートピア」を元に、ショーとして2019年秋から期間限定でブロードウェイで上演された舞台の映画化です。
ブロードウェイのハドソンシアターという劇場での上演ということで、中心は音楽であるけれども、表現方法としてはかなり演劇的要素があると思いました。
細い鎖のカーテンに囲まれた舞台には何もありません。
出演者はデヴィッド・バーン含め12人。
皆ミュージシャンで、ギター2人、ダンスが2人、キーボード1人、パーカッション6人。
デヴィッド・バーンがボーカルとMCという構成。
普通、バンドのライブというと、ドラムセットやらキーボードやらギターのアンプとか、それに繋げるコードなんかが所狭しとあるんですが、
そういう付属物はいっさいありません。
何もない舞台で、いるのは出演者のみ。
皆、楽器を自分で持って、演奏します。
ワイヤレスで音響機器に繋がっているんでしょうね。
とにかく、スッキリした舞台です。
全員ライトグレーのスーツに裸足。
マーチングバンドのように動き回りながら演奏します。
コードとか無いから自由に動けるんですね。
とても面白かったです。
そして、フォーメーションを変えながら、ダンスするんですけど、これが凄く面白い!
パントマイムのような、アルゴリズム体操みたいな、独特な動き。
見てて全然飽きませんでした。
以前観た「ねじまき鳥クロニクル」の舞台を思い出しました。
あの独特な静かな動きと計算された美しい照明。
そして、何故か昔観た「ママ、アイ・ウォント・トゥ・シング」というミュージカルのことも。
ブロードウェイミュージカルだけれども、コンサートライブに行ったかのような、凄いライブ感があった舞台でした。
あっという間の1時間半でした。
あと、感じたのは、メッセージ性。
タイトルからも感じますが、政治的なメッセージも含みつつ、しかし、一番は人に対するメッセージかなと。
しかし、そう言ったメッセージが特に声高に語られるという感じではなく、辛辣になりすぎず、観て面白い舞台、エンターテイメントとして実現していることが素晴らしい思いました。
ただ、アフリカ系アメリカ人が殺害されている事件の犠牲者を追悼する「He’ll You Talmbout」は、強い悲しみ、怒りが感じられて胸が熱くなりました。
音楽的には6人のパーカッション隊の迫力に支えられたグルーブ感が圧倒的で、感動的です。
私はトーキング・ヘッズのファンということでもなく、普通にヒット曲数曲を知っている程度で、「アメリカン・ユートピア」のアルバムのことも知らなかったけれど、そんなことは関係なく、とても楽しめたし、とても感動しました。
また、観に行くと思います(笑)
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