今の歌声は

ohtaと申します。M!初演の中川晃教さんに感動してこのブログをはじめました。ゆるゆると更新中。よろしくお願いします。

フィル・スペクター死す

2021-01-30 11:16:53 | ROCK
1月16日 音楽プロデューサーのフィル・スペクターが亡くなりました。
享年81歳

アッキーが出ていたミュージカル ビューティフルの中でも歌われていた、ライチャスブラザースの「ふられた気持ち」も
フィルスペクターサウンドでした。

わたしにとってはロネッツの「ビーマイベイビー」ですかね。
ラジオから聞こえて来るフィル・スペクターサウンドをワクワクしながら聴いていました。
懐かしい〜

そして、ビートルズの「レット・イット・ビー」、ジョン・レノンの「ジョンの魂」も。

素材としての楽曲をどのように聴き手に届けるか、、、
そこが音楽プロデューサーの腕の見せどころだと思います。

どんないい曲でも、そのままではどうにもなりません。

どのようなサウンドにしていくのか、コーラスをどこでどのように入れるのか、楽器の編成をどうするのか、などなど。

時にはアーティストと対立しながらも、売れる作品を作り出すことに全力をかける。

曲作りはソングライターだけではないんだ、ということを改めて感じます。

フィル・スペクターはとっても優れたプロデューサーだったけれど、私生活は波乱万丈というか、亡くなった時は
殺人罪で服役していました。

一般的に考えたら、尋常でない人生だったんですね。

でも、私生活は破綻していたとしても、彼の作り出したサウンドは永遠不滅だと思います。

どうぞ、安らかに。









ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった

2020-11-25 17:38:01 | ROCK



ザ・バンドの中心メンバーだった ロビー・ロバートソン
彼の自伝の映画を見てきました。

バンド結成に至る過程とか、貴重な写真や映像があって、生き生きと語られて
楽しかったです。

そして、成功をつかみ、薬に溺れるメンバーが、、、

兄弟のように強い絆で結ばれたメンバーが、バンドを続けることが不可能になって
最後のコンサート「ラストワルツ」につながる。

5人揃ってのステージはそれが最後になってしまいました。

かつては兄弟だった、が、今は違う、、、

特に、ロビー・ロバートソンとレヴォン・ヘルムの確執は胸が痛い。
切ないです。

ロビー・ロバートソンの書く曲はバンドの核だったし、レヴォン・ヘルムの歌声は
なくてはならないものだった。

形あるものはいつかは消え去る。

この映画はロビー・ロバートソンの視点で語られていると思う。
メンバー始め、いろいろな人のインタビューもあるけれど。

だから、5人それぞれで捉え方は違うかもしれない。

でも、誰か一人が目立つグループではなく、それぞれが自分のやるべきことをやって、
しっかりとまとまったバンドだった。

だから、あんなに息のあったパフォーマンスができたのだと思う。

彼らのアルバムで私が好きなのは「ロック オブ エイジズ」という、
ライヴアルバムです。

5人揃っての来日公演は一度もなかった(涙)

私にとっては彼らのライヴ感を味わえる貴重なレコードでした。

CDで買い直してあります。
久しぶりに聴いてみようと思いました。










Lean On Me

2020-04-29 16:20:02 | ROCK



もう1カ月前ですが、 3月30日、ビル ウィザーズ が亡くなりました。
81歳 心臓疾患だったそうです。

名前はよく知っていたけれど、曲は数曲知っているくらいだったのですが、4月11日のNHK FM 「ウィークエンドサンシャイン」という番組で追悼特集がありました。

そこで聴いた「ライブ アット カーネギーホール」というアルバムがとっても良くて、感動してしまい、思わずポチッと。
こんなご時世なので、出来るだけネットショッピングはしないようにしていたけれど、我慢しきれず。

とっても良いアルバムでした。
1972年のライブですが、全然色褪せてないのが凄い。
50年も前なのに!
50年前って・・・・・生まれてない、、、いや、残念ながら生まれてます、私(笑)
とにかく、いいものはいい、としか言えない。

曲の内容の素晴らしさはもちろん、会場との一体感、グルーヴ感が素晴らしい。
たくさんのミュージシャンに影響を与えたのも納得です。

私はジェームス ブラウンやオーティス レディングが好きなのですが、その人たちと比べると、とっても地味。
でも、それがいい。じわじわきます。

流行に左右されない分、普遍性があるし、今聴いても現代的。
だから50年たった今でも感動的なんだなあと。

「Grandma's Hands」 「I Can't Write Left-Handed」
ストーリー的な内容がずしっとくるし。
もちろん 「Lean On Me」も素晴らしい。

ビジネス界に嫌気がさして、1985年には引退してしまったんですね。
あまり欲のない人のような気がする。

どうぞ安らかに。












混迷こそわが墓碑銘

2018-12-19 23:20:00 | ROCK
12月19日 キング クリムゾン の東京最終公演に行って来ました。
場所はオーチャードホール
先月29日に行って、凄く感動してしまい、思わず12月の追加公演をポチッと購入してしまったんです。

いや〜改めて凄かったです。
11月に観た時より、アドリブもあってライブ感が強かったです。

ホーンセクションのメルさんは「21世紀の精神異常者」のインストのところで「A列車で行こう」なんてやっちゃうし、ベースのトニーさんはソロパートのスキャットの最後で「コンバンワ」って(笑)

でもってロバート・フリップ御大は、あの微動だにしない背筋ピッの姿勢でギターを弾きまくる。
同じフレーズを繰り返していく、神経をヒリヒリさせるみたいな独特の音。
「エピタフ」や「スターレス」では浮遊感というか宇宙の暗黒を感じさせるような音色。
混沌とした、しかし確実にコントロールされた音の洪水に圧倒されました。

もう、なんなんでしょうね、この人達、いや、このおじ様方は。
70歳超えのメンバーが3人、平均年齢60歳以上?
凄すぎすぎる!

20分の休憩を挟んでの3時間。
堪能しました。
そして疲れた〜
聴きたい曲は全部聴けたし大満足です。
思い残すことはございません。

彼らの年齢(いや、自分の年か)を考えると、次の機会があるかどうか。
フリップ御大はまだまだ長生きしそうだけれど、日本まで来るのは大変なことだと思うし。

今回、彼らのライブを体験できたこと、忘れられない記憶になりました。
素晴らしいパフォーマンスをありがとう。

日本公演の最終日
となる名古屋公演が素晴らしいものとなりますように。







エリック・クラプトン —12小節の人生—

2018-12-06 18:37:02 | ROCK


昨日、12月5日、レディースデイで、エリック・クラプトンのドキュメンタリー映画を観てきました。
タイトルの12小節というのは、ブルースの演奏におけれ基本単位のこと。
ブルースに憧れた少年時代から現在までの人生が、音楽とともに本人、関係者のインタビューで浮き彫りにされていました。

エピソードとしては知っていることも多かったけれど、改めて関係者や本人のインタビューが重なってくると、いろいろな事情や裏側とか知ることができて面白かったです。

特に、マディー・ウォーターズやBBキングやアレサ・フランクリンなどのR &Bの大御所たちとの関係が、とても興味深かった。

クリームがアメリカで大ヒットになったことから
「 彼らのおかげで白人にもブルースを知ってもらえたし、そのおかげでそれまで入ることも出来なかった場所にも行くことができるようになった。」
「 アメリカでブルースを聞くということは、公民権運動を認めることだ」

映画での言葉をはっきりと覚えてはいないのですが、彼ら黒人ミュージシャンの言葉が重く響く。
まだまだ偏見の強い時代だったあの頃、クラプトンがイギリス人だったからこそ、アメリカのブルースマンたちとの繋がりをこだわりなく築けたのかな、と思いました。

今年8月に亡くなったアレサ・フランクリンとの録音場面も、クラプトンの演奏している姿はなかったけれど、アレサのパワフルな若い歌声との共演が素晴らしかったです。

そして、ドラックやアルコール依存に苦しんでいたこととか、その頃の実際のステージ場面もあって、見ていて辛い場面もありました。
私も行ったけれど、初来日の武道館公演のあたりも苦しんでいたころだったんですね。

息子を亡くした後、たくさんの人からの手紙の中に、亡き息子が父クラプトンに当てたハガキがあったというエピソードには泣かされました。
「ティアーズ イン ヘヴン」が静かな歌だけに、父として親としての思いが溢れて涙無くしては聞けなかった。
涙が止まらなかったです。

最後のマディー・ウォーターズの言葉も胸に染みる。
ぐっときました。

幼いころの複雑な家庭環境、母親の拒絶、その心の空白を埋めたのがラジオで聴いた音楽、ブルースだったんですね。
しかし、女性の入れ替わりが凄い(笑)
有名なのは、ビートルズのジョージ・ハリソンの奥さん、パティさんとの恋愛ですよね。
なんせ、「レイラ」や「ワンダフル トゥナイト」という名曲はパティさんのことですから。
でも、そのパティさんとの結婚後も他の女性と関係してたりして、もう何が何だか。

しかし、それも、母親から愛されなかったトラウマがあるからなのかなと思いました。
でも今は3人の娘さんに恵まれて幸せそう。


ヤードバーズ、クリーム、ブラインドフェイス、デレク&ドミノスなど、音楽が懐かしかったです。
ビートルズとの場面もあり、「 僕のギターは泣いている」とかも超懐かしかった。
私の青春時代!(笑)
惜しむらくは、クラプトンに歌うことを勧めたデラニー・ブラムレットや依存症からの復帰を支援したピート・タウンゼントのことも触れて欲しかったなあ。

ドキュメンタリーなので、一般的な娯楽映画とは言えません。
ファン向けの映画だと思います。

でも、ブルースに惹きつけられた一人のギタリスト、ミュージシャンの生き様を通して描かれる姿は、様々な障害を乗り越えていく人に勇気を与えるのではないかなと思いました。