今の歌声は

ohtaと申します。M!初演の中川晃教さんに感動してこのブログをはじめました。ゆるゆると更新中。よろしくお願いします。

ナショナルシアターのフランケンシュタイン

2020-05-08 01:25:14 | theater
イギリスのナショナルシアターが舞台映像を配信しているのですが、世界的なコロナ自粛ムードの中、2011年に公演された「フランケンシュタイン」の配信がありました。

ベネディクト・カンバーバッチと、ジョニー・ミラー・ジョーンズが交互に怪物とビクターを演じていて、カンバーバッチが怪物のバージョンを見てみました。

ナショナルシアターHP


面白かったです。

とてもシンプルな舞台セット。
しかし、いろいろな機能があって、それらがとてもスムーズに動くので、転換が早い。
ストーリー展開がとだえません。

照明も、舞台上方の電球がたくさん吊るされているものが、とても綺麗でした。

怪物役はベネディクト・カンバーバッチ
映画(「裏切りのサーカス」とか「イミテーションゲームとか」)、TVドラマ(シャーロックとか)がとても良かったけど、舞台も素晴らしいです。

というか、演技の基礎がしっかりとあるんだなということを改めて感じました。
怪物が生まれ出た時の動きが、凄かったです。
体を張った演技で、身体能力の高さを感じました。

この舞台で、トミー・リー・ジョーンズとともに、ローレンス・オリヴィエ賞を受けているんですね。

フランケンシュタインといえば、アッキーが出演したミュージカル(再演)がついこの前までありましたね。
実を言うと、内容的についていけないところがあって、ちょっと苦手なんです。

ナショナルシアターのは、純粋に演劇として、怪物の苦悩、悲しさがストレートに感じられました。
怪物を生み出した人間のわがままな欲望、異質なものへの恐怖心、そこからくる弱者への攻撃。
いろいろ考えさせられる内容でした。

とはいえ、英語字幕なので全部の台詞がわかった訳ではないのですが。

役替わりも見たかったけれど、時間がなく。
残念。







愛と哀しみのシャーロック・ホームズ

2019-09-15 17:43:29 | theater


作・演出 三谷幸喜
出演 柿澤勇人 佐藤二郎 広瀬アリス 八木亜希子 横田栄司 はいだしょうこ 迫田孝也
演奏 荻野清子
世田谷パブリックシアター 2019年9月6日マチネ


なんで「愛」なのか
なんで「哀しみ」なのか
タイトルを聞いて一番最初に思った疑問です。

冷静沈着、恋愛感情は推理の邪魔にしかならないという考えの持ち主、シャーロック・ホームズにとって、愛とか哀しみとかいう情緒的な言葉は一番遠い言葉だと思うからです。
いや、人間らしい感情がないわけではない。
温情溢れる解決をすることもしばしばあるホームズですが、表だってそういう感情を表さない性格だから、タイトルに堂々と愛とか哀しみとかついているのが、なんだかそぐわない気がしたんです。

でも、そこがみそなんですね。

いくつか謎が出てきて、一番最後に相棒となるワトソンの秘密というか謎をホームズが容赦なく暴いてしてしまうんですね。
自分に近しい人に対する友情のために解決しようとして、図らずもその人の肉親、愛する人の秘密を暴いてしまうことになる…それが「愛」と「哀しみ」につながるのなのかな、と思いました。

ワトソンにしてみれば、やめてくれ!と言いたくもなると思うのですが…


幕開きの音楽が、あのグラナダTV版、ジェレミー・ブレットのドラマのテーマ曲で、もうそれだけで嬉しくなってしまう(涙)
シドニー・パジェットの挿し絵も!

登場人物は全部で5人

まずは、広瀬アリスさん演じるヴァイオレット嬢
原作において、ヴァイオレットという名の女性は4回登場すると最初に説明されます。
そんなあったっけ?2つまでは思い出せるなあ… 「ぶなの木屋敷」と「美しき自転車乗り」
このヴァイオレット嬢が話す話もこの2つを連想させます。
さらに謎の言葉、踊る靴紐(爆)
「踊る人形」と「まだらの紐」がくっついてる… そして、何か謎解きがあるかと思いきや、何もないという(爆)
広瀬さん演じるヴァイオレット嬢はとてもはきはき、きびきび、現代っぽいお嬢さんでした。

次にホームズの兄、マイクロフト
演じるのは横田栄司さん
登場の仕方が傑作です。
原作で兄が登場するのはそう多くはない。むしろ少ないですよね。
「ギリシャ語通訳」とか「ブルースパーティントン設計書」とかくらい?
このお芝居では、黒幕的存在がより強調されていたと思います。

ハドソン婦人は、はいだ しょうこさん
ホームズが借りているベーカー街221の家主さんです。
ハドソンさんの住所が221で下宿しているホームズの住所が221bとなるのですね。
とても可愛いハドソン婦人でした。

ワトソン婦人は八木亜希子さん
原作ではワトソンは「四つの署名」のヒロイン、メアリー・モースタン嬢と結婚するのですが、このお芝居では、その前に1度結婚していた、という設定になっていました。
明るく華やかな雰囲気のあるワトソン婦人でした。
なんと、夫のワトソンとのデュエットがあったりして、楽しかったです。

そして、ホームズの相棒であるワトソンは佐藤二郎さん
アニメ版のワトソンにそっくり。
若いホームズとはかなり年上という設定となっていて、ホームズに振り回されつつあたふたする姿がほほえましく、人のよさがにじみ出ていてとてもよかったです。

ホームズ役は柿澤勇人さん
カンバーバッチ風のホームズだったと思います。
生き生きとして、周りを巻きこみ、台風みたいな存在(爆)
ホームズがホームズとして存在する以前の若かりしころ、こんな感じだったのかも…と思わせる…

原作を取り入れたところ、オリジナルのところが上手く合わさっていて、とても楽しむことができました。





























カスパー

2007-03-27 10:49:12 | theater
カスパー
新宿SPACE107にて
昨日観てきました。

館形比呂一(カスパー)
中川賢(カスパー2)
たかお鷹(プロンプター)

僕はだれ?自分は何物?


突然人間界に落ちてきたカスパー

言葉を知らないから喋れない。
自分は何をやりたいのか、どう表現すればいいのか判らない。
ただやみくもに物を蹴飛ばし、怒鳴る。
意味のない言葉を…
人との関係を持てないが故の閉塞感が彼を支配する。
このあたりの状況はTOMMYの三重苦とも重なって映る。

プロンプターによる教育というか強制というか…
とにかく、彼は言葉を覚え、秩序を身に付け社会に出て行くけれど
彼の内なる精神はやはり閉じている。

深い
深い
精神性を感じました。
最初、プロンプターによる導き方というか教育とういか、が怖い。
教育という名の強制?あるいは拷問か
カスパーは虐げられているようだけど、そこからいろいろ覚えていく。
覚醒?してからは人が変わったかのような明るい表情のカスパー


舘形さんの役へののめりこみ方。
尋常ではありません!
ダンス、というか身体表現を得意とする彼が‘言葉’を使って表現する。
「ビリーとヘレン」を見たときも感じたけれど、彼は単なる身体表現を超えて、更にその上を目指しているような気がしてならない。
どこまで行くのか…
終りのない探究心を感じます。
それも、物凄い強い精神を。
身体表現役者、とでも言うべきか。
「ニ短調~白鳥の歌」でも感じた精神性というものを突き詰めていくとこういう舞台になるのかな、とも思って、舘形さんの目指すものが何となく理解できるような…気がしました。

ちょっと話はそれますが
この強い精神、ぜひ、晃教くんにも見て欲しい、感じて欲しいと思いました(爆)

カスパー2の中川賢くん
髪を金髪にしてオールバックの髪型
すごく、大人っぽく見えました。
カスパーが生まれ変わってからの彼の内面を表現します。
動きで。
しなやかで力強い。
そして、若さがある。
歌も歌ってた。


たかお鷹さん
見た目地味な方ですが、しなやかな方ですね。
声に力があるし、カスパーを矯正?していく時の迫力が凄いです。

舘形さんが築こうとしている
身体表現者としの‘役者’‘演技者’へのアプローチ
独特の世界があると思います。
言葉をある意味信用していない、というか。
ダンスの世界がどういうものか私には判らないけれど
彼は本当は‘身体’という‘言葉’を使って表現するのが一番合っているのだと思います。
しかし、カスパーという作品はそれに頼らず、‘言葉’を使って表現しきっている。
感動しました。

ダンスに頼ってはいないけれど、ここ!というところには‘動き’があります。
振付は伊藤キムさん。
カスパーが生まれ変わるときの中川賢くんとの二人の動きは強い内面性を感じる独特の動き。
それが美しい!
鍛え抜かれた肉体だけが表現できる、美しい動き!


それと
カスパーが言う意味不明の言葉
私には宮沢賢治の詩に出てくるような言葉に感じました。
もしかしたら東北地方の方言でしょうか
カスパーが出てくる扉の向こうにはいつも雪が降ってるし
生まれ変わったカスパーは真っ白な衣装
雪に閉ざされた世界?のような気も…

そういえば会場も地下の狭い空間
久々に異空間を感じました。






















































京劇「楊門女将」

2006-06-06 22:26:00 | theater



先週、2日の金曜日に見に行ってきました。
京劇を生で観るのは初めて。
衣装が華やかでした。






かぶり物とか背中につけてる旗とか雉羽とか…
頭につけてるぼんぼんが可愛かった。
ちょっと宝塚を連想したりしました…想像力が貧困ですみません(爆)
あと、見栄を切るというか、型を決めるというか、ポーズを止めるとことか、歌舞伎を連想しましたね。

一番ビックリしたのが、「声」
すっごく高い声を出して、台詞言ったり、歌ったり。
ちょっと、子供の声みたいな感じ。
伴奏は音楽というより、効果音?状態(爆)
台詞や歌詞と一体となって進行するんです。

歌舞伎でいうところの四天ですか、あんな感じでトンボきったり、アクロバティックな動きも随所にあって、すごーい!
伝統ある雑伎団のお国だけあります。
立ち回りは迫力ありました。
ジャニーズも真っ青なバック転、凄かったですよ~
主役が女性で、動きもシャープだし、見目麗しいし、カッコよかったです。

舞台にはセットとかが、ほとんどなくて、台詞で全部説明するんですね。
だから、どこにでも行ける(爆)
「ここは山だ」といえば山の中だし、「もう夜ですね」といえば夜なんです(笑)

思っていたよりも、気軽に楽しめる感じがしました。













ハゲレット

2006-05-22 11:25:02 | theater
昨日、シアターテレビジョンで放送があって、観ました。
面白かった!

シェィクスピアって、台詞長いし、言葉が機関銃みたいにいっぱい出てくるし、まともに演じられると、私はちょっと辟易する…。
っていっても、そんなに一生懸命観ているわけではありませんが。
好きな俳優さんが出るときとか、友達に誘われて、とか、そんな程度なのであまり詳しくはありません。

でも、これはすごく興味があって…
だって、「ハムレット」が基本になってて、でも、普通は若きプリンス…って感じで出てくるハムレットが、実は‘若ハゲで悩んでるっていう、非常に面白い設定なんです。
誰がこの設定を考えたのか…(爆)
気になってました。
演出家の方ですかね~?
今度「ヴァンパイア」演出される方ですよね(笑)

「悩める人間」の典型のように扱われるハムレットを‘若ハゲ’にしちゃうなんて!
悲劇転じてコメディ?にしちゃう…お芝居って、面白いなあ…

台詞も普段使いの言葉で、分かりやすかった!

そして、出てる俳優さんが、みんな個性的。

ハゲレット役の近藤芳正さん。
お世辞にも、従来のハムレットというイメージからはほど遠い(失礼!)けど、ハゲに悩み、人生に悩むその姿が妙にぴったりで親近感を覚えるハムレット像でした。

それにしても、シェイクスピア劇に出る人は早口言葉とかしっかり出来る人じゃないと、ダメですね…
って、関係ないか(爆)


急にコロッと話変わって…
シアテレ、結構早くオンエアしてくれるの、とっても嬉しいなあ!
いろいろ、見逃してるの、あるから…
頼りにしてます(爆)