前回、「日中韓、何が変わり、何が変わらないのか」について考えましたが、簡単に言えば、
《中韓ともに発展し、今や第2次世界大戦前に「列強」:軍事大国であった日本に敵対したり対抗する(できる)ように大きく成長したが、民族・国民性は相変わらず日本とはかなり違っている。》というところでしょうか。
では、そのような中韓や、(一昨年までの)実質的宗主国:アメリカ合衆国や近隣アジア諸国・ロシアなどとどのように付き合っていけばいいのか、あるいは、諸外国とともにどのような世界を創っていくべきなのか考えてみたいと思います。
1 日本はどんな国になりたいのか
個別の国々とどう付き合うかを考える際に、《日本は世界のなかでどのような位置を占めたいのか》という基本的問題を解決しないと先へは進めませんが、大きく分けると次の二つの方向があるようです。
①日本に誇りを持ち、積極的に世界で重要な役割をもちたい。
戦後の自虐傾向が薄れ、最近はかなり《日本は世界最古の誇るべき国であり、世界のほとんどの国から好かれている》という、現実的認識が広がっているようです。
②国連の「敵国条項の存在」を甘受し、世界(=地球)の運営、つまり「世界政治」にはほとんど関わらない(≒関われない)ような国になる。
最近、中共が「世界の戦後秩序の維持」などという、日本を押さえつけるための(すでに非現実的になっている)プロパガンダを盛んに行っています。
この道は、戦後の敗戦国日本が選んだ(強制されて)《先の大戦の反省と謝罪を永久に続ける「善意の」国》という、反日国や「覇権勢力」が喜ぶ路線。
①を採れば、(すでに始まっているように)アジア・太平洋地域に、大東亜戦争前のような波風(=覇権争い)が起こるのは避けられないようです。
②を採れば、大きな波風は立たないかわりに、日本は衰退の道をたどる可能性が高いでしょう。
では現状維持でいいではないか、というご意見もあるかもしれませんが、相手が現状維持を望んでいない状況では、それはできない相談でしょう。
(このような状況のことは、昔から「引くも地獄、進むも地獄」とか、「前門の虎、後門の狼」とか言われています。)
日本の歴史をいくらかでも知った者としては、日本が「誇りある国」「不屈の国」「世界の共存共栄(=平和)に積極的に貢献する国」であってほしいと思います。
2 中共、韓国との付き合い方
戦前と違い、大きく成長した両国とも(当面は?)国策として《政治的な、対日敵対かつ攻撃的政策》をとっているのですから、とてもやっかいです。
しかも、昔からずっと、両国民ともその民族性が日本民族とはそうとう違っているようなので、当分、《信頼しあう》どころか《理解し合う》ことさえかなり難しいように見えます。(※当然ながら全員ということではない)
したがって、日本が国策として《世界の重要国であること》を選ぶならば、
福沢諭吉翁のように「隣国だからと特別の配慮をすることなく」、
かつ、慎重に、あるいは、毅然として中韓の攻撃を払いのけたり、思いとどまらせる必要があります。
特に、中共の覇権活動には、今後の世界情勢しだいでは《日本(人)が許容できないような危険な行動をする可能性》があるように思えます。
最大限の「予防的活動」が必要なのではないでしょうか。
「脱亜論」の時代と大きく違うところは、もはや中韓両国をあなどることはできないという冷厳な事実です。
3 今後日本(人)は世界とどう関わればいいのか
もう《国内で平和を唱えてさえいれば経済的繁栄を謳歌できた戦後》は終わったようです。
世界は、「多極化」や「無極化」と言われるような、《一歩間違えば「無秩序状態」になる可能性をもつ》流動的状況になりつつあるのかもしれません。
少なくとも、中共やロシア(※共に国連常任理事国!)が、「米国主導の世界秩序」に対して挑戦しつづけているのはまちがいありません。
①国連・安全保障理事会の衰退
唯一の超大国:アメリカの変質(経済力の相対的衰退? 国内不協和などによる政治的弱体化?)により、国連の常任理事国はばらばらになっているようです。
中共とロシアはほぼ米に反対し、英仏はもう米のいいなりではありません。
その結果、
・5つの常任理事国が関わる案件においては、国連として、実効的な「力の行使」をすることは不可能になっている。
・国際法(≒国連憲章)を守らせることが難しくなっている。
※例えば、今起きている「ウクライナの内乱状態」(=クーデターによる大統領の逃亡・・・)における「ロシア軍の越境・クリミア半島の占拠」は、その良し悪しは別として、明らかに「国際法・国連憲章違反」の行動です。
この「侵略(的?)行動」に対して、国連安保理は、違反を正すための「力の行使」ができないでいます。
「力の行使」とは、1952年の「朝鮮戦争」における「国連軍の派兵」のようなもの。(※当時の常任理事国は、米・ソ(「ソビエト連邦」)・英・仏・中(「中華民国」=台湾))
②世界の中の日本の役割
これからの「流動的世界」「変化の激しい世界」においては、「八百万の神々」に象徴される《自然や他者との「共存共栄」を大事にする考え方》は、「世界の平和」にとって、ものすごく重要な役割を果たすと思われます。
ただし、そのためには強い政治力(外交力)が必要です。
一国の政治力は、その国力から生まれると思います。
国力とは、人間力、軍事力、経済力、文化力、自然力(※自然の豊かさなど)などからなります。
○(△?)人間力
日本人の諸能力は数十年前まではまちがいなく世界でトップクラスだったが、最近はかなりあやしくなっている(※英語が話せないからではない)。
先進国の中では、この数十年、日本が子供の教育に使うカネも努力も最底辺の状況が続いている。
△軍事力
あきらかに二流・・・核兵器などの「究極の抑止力」を持たないから。
核兵器をもつ相手に対して「最後の外交手段」(=戦争)が採れない国は、最終的には 相手にされない。脅されれば終わり。
※今なんとなく世界政治に関われている(ようにみえる)のは、核保有大国:米国の後ろ盾(※米軍基地を多数「誘致」している)と、強い(強かった?)経済力のおかげ。
○経済力
この20年ほど、世界主要国の中では、日本だけが名目GDPがほとんど増えていない!(←超長期デフレだったから)
それでも、それ以前が巨大だったから、今でも世界第3位。
しかし、もしも、メタンハイドレートなどの本当に有効な国産エネルギー資源を獲得することなしに、原子力発電所を縮小(廃止)したり、電気料金を上げていけば、これまでのような富の蓄積(※貿易黒字分などによる)が減ったり、企業の「国外生産比率」が高くなったりして、経済の停滞、あるいは縮小の可能性さえ考えられる。
油断はできない。
○文化(文明)力
世界の諸文明との比較は難しいが、世界有数であることはまちがいない。その独自性を大事にしなければいけない。
◎自然力
食糧自給率が低い、などと言われるが、それは国策によるもの。
・陸地:豊かな自然による植物生産力は高い(日本のどこでも緑がいっぱい)。
・海:領海と排他的経済水域を含めると、日本の面積はなんと世界6位!
海洋・海底資源の可能性は絶大。
自分だけでなく子々孫々まで、日本人として誇りを持って生きていけるかどうかは、今の日本人の覚悟しだいだと思います。
100年ほど昔に、欧米諸国の植民地にされることなく、それどころか、有色人種として唯一「世界列強」の仲間入りを果たした明治のご先祖様たちに顔向けできないような国にしてはいけないと思うのですがいかがでしょうか?
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