東京都写真美術館で開催されていた「ストリート・ライフ~ヨーロッパを見つめた七人の写真家たち」を休日に観に行った。
私は小さい頃から白黒写真が非常に好きで、今回の七人の写真家たちの名前すら知らなかったが、チラシを見て早速恵比寿へと向かった。
恵比寿駅からスカイウォークで進むと、終点の横にアメリカ橋が見える。とりあえず「アメリカ橋って~知ってますかぁ~?」と口ずさみながら、横断歩道を渡り、恵比寿ガーデンプレイスへと入って行く。15時を過ぎていたが昼食がまだだったのでまずは休日恒例の遅めのランチビールを軽く飲んでから「東京都写真美術館」へと向かう。
広々とした空間が気持ちが良い。
映画のセットのような案内標識に導かれるまま館内へと入る。予想以上に館内は来場者で溢れていた。薄暗い館内にスナップ写真サイズの作品が額に入れられてズラリと並んでいる。撮影者毎に展示されているのだが、それぞれ特徴があって面白い。ウジェーヌ・アジェは室内作品、ハイン・リッヒ・ツィレは働く人、アウグスト・ザンダーは人物のアップ作品が、トーマス・アナン、ブラッサイ、ビル・ブラントは裏路地や袋小路の作品が多かった。中でも私はトーマス・アナンの作品が好きだ。
写真は動画と異なり、街の喧噪や人の動きが自分のイメージで勝手に描けるのが素敵である。その点は「落語」や「小説」に似ている。それに白黒となると更に色までイメージ出来るのが楽しい。どこにでもあるような日常的な風景にも関わらず、撮影者の「切り取り方」ひとつにより、全く違う景色に見えてしまうのがとても不思議である。
ほんの少しほろ酔いのまま、夕暮れの恵比寿をあちこちと散策した。