終業後、羽田空港から伊丹空港に20時半過ぎに降り立ち、空港前でレンタカーを借り、ホテルへと向かう。走り慣れていない夜道で、ホテルまで約1時間ほど掛かってチェックイン。部屋からはポートタワーが綺麗に見える。遅い夕食を食べに三宮駅界隈まで足を伸ばす。【走行距離約37キロ】
翌朝6時に起床。外は大雨でテレビでは大阪・京都の大雨注意報が何度も繰り返される。神戸の後輩で小学校の先生からは「本日休校になりました」との連絡が入るが、まあ晴れ男がこれから西に向かうので心配無用だと部屋を出る。
この日目指すは養父(やぶ)市にあるかつて日本一のスズ鉱山として栄え、昭和62年に閉山した明延鉱山跡である。天平勝宝4年(西暦752年)に開眼した奈良の東大寺大仏を鋳造するための銅を献上したという伝承がある古い鉱山。
事前に坑道の一部を案内して頂けるガイドを10時に予約してあり、事前に調べたところホテルから約2時間とのことだったので、余裕をみて7時に駐車場へ行き、ナビをセットすると到着予想時刻「10時」との表示・・・途中で朝食をとる予定を返上し、とにかく雨中の神戸市内をひた走る。
道に迷うことも、渋滞もなく、気が付けば雨も上がり、ナビの到着予想時刻も9時半を表示していたので途中のSAで軽く朝食。山道をずんずん進んでいると神子畑(みこばた)選鉱場を偶然発見。私が明延鉱山を知るきっかけとなった施設を感慨深げにひとりでブラブラと見学。
そのまま約1時間ほど山道で登り下りを繰り返し、途中で道路上の鹿を避けつつ、あけのべ自然学校に9時40分頃到着。受付を済ませ、いよいよ探検坑道へと入る。【走行距離約180キロ】
ガイドの年配男性はかつてここで働いていた方で、現在OBガイドはこの方だけとのこと。実にこの方の説明がお上手でグイグイ引き込まれて行く。そもそも実体験を基に話してくれるので実にリアリティがあり、給料は「新卒者の初任給の3倍ほど」だったそうだ。
映画「大脱出」を彷彿させる開削した坑道の全体の距離は約550kmで、東海道新幹線の大阪から東京までの距離に相当するそうだ。
上下左右縦横無尽に掘りも掘ったりである。
狭い山間部に位置する明延鉱山は、採掘規模拡大に伴って敷地が足りなくなり、行きに見た山をひとつ越えた6km先の神子畑選鉱場へと運ばれた。運送のための列車(一円列車)が作られ、鉱石はもちろん人間も移動手段として利用したそうだ。採掘場と選鉱所が別の土地にあるのは珍しいとのこと。
実際に利用されていた一円電車に乗車させて頂いたが、坑道の幅に合わせる為、車内は驚くほどに狭い。ちなみに明延には鉱石がまだまだ採れるそうだ。
あけのべ自然学校の職員さんに大仙粗砕場跡、明盛共同浴場等を案内して頂き、帰り道にもう一度神子畑選鉱場を見学。梁瀬駅も竹田城跡も時間的に寄れず、また次回のお楽しみとする事にし、姫路城へと向かった。(つづく)