映画「マリア・カラス 伝説のオペラ座ライブ(2015年公開)」を観た。
【解説】20世紀最高のソプラノと称されたオペラ歌手マリア・カラスが、キャリア絶頂期の1958年12月19日に行なったパリ・オペラ座デビュー公演をスクリーン上映。会場にはフランス大統領やブリジッド・バルドー、チャールズ・チャップリンら錚々たる顔ぶれのセレブリティたちが集い、劇場の外にまで多くの人々が殺到したという歴史的コンサートを、序曲演奏からバックステージの模様まで余すところなく収録。マリア・カラス唯一のオペラ上演映像である「トスカ」第2幕をはじめ、現存するマリア・カラスのアーカイブ映像の中で最も完全なかたちで絶頂期の姿をとらえた貴重な映像が、リマスター音声でスクリーンによみがえる。
彼女の事を初めて知ったのは音楽好きな母の影響だったと思うが、幼少期の頃だったので「か、カラスって~」が最初の感想だったと思う。「史上最高のディーヴァ」「数奇な運命」等の知識しかなかったが、本作品は3年前から全国主要都市で順次公開していたようで、ちょうど休みだったので少し早起きして戸塚のさくらプラザホールへ向かった。
開場30分前にも関わらず、すでに列が出来ており、上映15分前には館内はぎっしりと埋まっていた。モノクロ映像はフランス国家の演奏から始まり、ヴェルディの歌劇「運命の力」と続き、ベッリーニの歌劇「ノルマ」から満を持してカラスが登場。目鼻口のパーツの大きさがスクリーンを埋め尽くし、見事な声量に圧倒される。またカメラ割がとても大らかで、ぶれたり、不思議なアングルで固定されたり、観客の咳や足音までしっかりと拾ってくれる。さらに(戸塚のホールの観客は)ご高齢者さんが多く、上映中もよく話すのだが、さほど気にならなかったのはカラスの圧倒的な声量の前だったからだろう。第一幕最後のロッシーニの歌劇「セビリアの理髪師」までただただ酔いしれるのだが、第二幕になると共演者のバリトン歌手・ティト・ゴッヒが中心となり、カラスの歌はあまり聞こえなかったのが少し残念だった。一説にはピークを過ぎたとされる本公演であったが、私にとっては身震いしてしまうほどの歌声であった。
ちなみに戸塚駅は何故か勝手に横浜駅の「手前」との認識だったので、横浜駅を過ぎた時に少しだけ焦った・・・