劇団夢桟敷 ☆2018.6〜山南ノート5

熊本アングラ万華鏡〜演劇とプライベートの徒然

週刊月曜日 第47号 水俣計画②

2023-06-30 12:46:04 | 2023年
劇団夢桟敷「週刊月曜日」
〈第47号 2023.6.30発行〉
https://yumesajiki.jimdofree.com/

第46号のつづき。
YUMESAJIKI
MINAMATA PROJECT 2023
PROLOGUE ②
劇団夢桟敷 「水俣」へ序走2

プラス1について。
「限りなくゼロに近いイチ」は「ゼロ」ではない。控えめなプラスがある。
「そのイチはマイナスに向かうか?無限大のプラスに向かうか?」…只今、「イチ」は停滞中(1+1=1+−♾️)に見えるが、人生や演劇の活動は損得の数字では表せない。これが得意技。
ナンチャッテ言っているから「わからない人」と言われる。
プラス1で迷宮入りさせないように気を配ろう。結果、迷宮に閉じ込められたとしても出口を探す。出口を探して三千世界。
その人の名は出口君と言う。
隠れんぼをしていて鬼が出口君を見つけてくれなかったため行方不明となって忘れられた少年がいる。
少年が50年後に現れると鬼も遊び友だちもみんな大人(老人?)になっていた。誰が誰だかわからない。
出口君は逆の浦島太郎である。大人になれない少年のまま。少年症候群。
少年は50年もの間、何をしてきたのだろう?と空白だった時間を思う。
記憶を遡ると「ぼくはここにいるよ!早く見つけて欲しい。」と自分の穴の中に閉じこもっていた。
空白の半世紀を埋め合わせよう。可能か?容易なことではないことぐらい少年は気づいている。
穴から顔を出したのは空白に絵を描き、音を出し、叫ぶためだった。

唐突はお好きですか?
理由や必然は後回しである。…出会いは偶然。出会って続けば、結果として必然だったと糸を繋ぐ。
演劇は偶然の出会いから始まり、ここに感動があったりサヨナラもある。
しかし現実は?
さよならだけが人生さ、という文学もあったりする。何をカッコつけているか。カッコで閉じましょう。

水俣病をテーマに演劇に取り組んでいる。座長が台本作成中につき、いらぬことを言わないようにしている。口が軽い山南にとって苦行。
座長夢現(ゆめうつつ・坂本真里)の〈ひとり芝居〉作・出演である。
演題は「苦海からの呼び声」
石牟礼道子の「苦海浄土」の「苦海」を連想したのか、唐十郎の「少女都市からの呼び声」を模倣するのか?
ネタバレに注意しながら、理不尽との闘い、人間の強さ弱さ、悲しみと怒り、そして感動を浮かび上がらせるために水俣通い(ロケハン)は続く。
水俣病闘争のシンボルである黒い旗「怨」との鬼ごっこが始まる。
鬼ごっこと言って良いのだろうか?
遊びじゃない?ふざけるな?
「怨」との鬼ごっこは演劇である。

ひとり芝居+1の「プラス1」は出演者人数のことだろうか?大掛かりなスタッフとの共同作業のことか?
ナマ舞台の前座としてMovie「不知火幻視行」を仕掛けることか?
それもある、これもある。
これとは「水俣病」を演劇や物語として良いのだろうか?という問題。
「現実の歴史的事件だから物語にして欲しくない。」という声も聞かされた。
特に気を配ることは水俣病患者さん(被害者)が高齢化し亡くなられた方々が多くいるということ。付け加えれば、夢桟敷は裁判闘争や水俣病市民運動に何も力になってこなかった後ろめたさもある。
プラス1とは?
私たちは稽古・宣伝・動員・発表の繰り返しだけではなかったと確信する。
プラス1とは?出口を探す。


【劇団夢桟敷公演告知】
第49回 熊本演劇フェスティバル参加
 夢現ひとり芝居+1
 11月17日(金)18日(土)
「苦海からの呼び声」夢現(作 出演)
 Movie「不知火幻視行」短編
熊本市国際交流会館5F和室大広間
(予約開始は9月より)

井上弘久独演会【公演協力】
 9月16日(土)
「椿の海の記〜第二章 岩どんの提燈」石牟礼道子
熊本市国際交流会館5F和室大広間

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