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モダニズムだけじゃない建築ブログ

考えに考えて考え抜く

2009年02月18日 00時03分18秒 | 建築論
 一昨日の16日、札幌コンベンションセンターで卒業設計の発表会が行われた。毎年思うのだが、たった2年や3年で皆よくここまで設計力を付けられるものだと本当に関心する。自分などは23歳から建築を学び始めたのだが、こんなに意識を高く持っていたかというと、はなはだ疑問である。

 伝え方を見てもそうだ。自分は卒業論文であったが、学部生の卒論は、院生の論文の基礎的役割のことが多い。農学部時代は助手の教官にマンツーマンで御指導頂き、家禽学会誌に掲載もされた。建築学生時代の卒論は、自分でもまったく印象に残っていないのだから困ったものである。そんな卒論を聞いたところで聴取側にも何も残らないだろう。
 今回発表した皆の発表は、よく分かって聞いているこちらも嬉しくなった。プレゼンの基本であろう。一般性の獲得は、専門性の先に存在する。考えて考えて、考え抜いた作品のプレゼンは、聞いていて気持ちが良いものだ。
 建築を学んでまだ2、3年というのも良い影響があると思う。すれていない、プリミティブな輝きを放っていた。今の心を忘れないでほしいと切に願う。