介護で預かっている64歳の「お父さん」が 急変しました。
高校生・中学生のお子さんを抱え
バリバリ働き盛りの年に 突然 クモ膜下出血で倒れました。
範囲が広く 命を落とさなかったことが不思議なくらいのダメージでした。
第一発見者の息子君は すぐに救急車を呼ぶことが出来ずに
働いているお母さんが帰ってくるのを お父さんの傍で待ちました。
どんなに不安で 怖かったことでしょう。
お父さんは 全く意思疎通の出来ない
「横たわる人」に変わりました。
意思の存在さえも あるとは言えません。
息子君は あの時自分がすぐに救急車を呼んでいたら…と
大きくなった今 後悔の念に苛まれています。
お父さんの病室に入ることが出来ません。
向き合えないのです。
うちの病棟に預かって もう7年になります。
脳の表面が 半分溶けているような状況と
脳外科の医師から 説明がありました。
予備体力も無いので 何度も生死を彷徨いました。
(風邪を引いて 熱が出た)
(下痢をした)
(突然 痙攣を起こして 呼吸が止まった)
それでも 乗り越えて7年 ずっと同じベッドで横たわっています。
今回は 黒色の吐物を多量に嘔吐してから発熱、急激に血圧が下がりました。
ショック状態です。
全身にチアノーゼが出て 足底は紫色、SPO2は測れません。
気切部から 痰を吐き出す力も残っていませんでした。
血圧は昇圧剤を使っても 60/台。
酸素5リットルで SPO2=60~80%↑↓
HRは120~150、点滴のため タヒってます。
奥さんは 昼間仕事をしながら
2日間 病棟に泊まりました。
私が夜勤の昨晩、
「疲れちゃったから家で休んでくる。
お父さんは 死なないから大丈夫。
明日の朝来るから、今晩は よろしくお願い」
そう言いました。
笑顔だけど 目が笑ってない。
お願い の言葉が 重い。
…ええ~~い!
寿命を司る神様と 戦ってやろうじゃないの、看護婦の 誇りに賭けて!!
院長と連絡を取りながら できる事はみんなやった。
一晩の2/3は お父さんのベッドサイドに 居た。
昇圧剤調節しながら、クッション使って排痰促したり。
こういう状況では 動かせば血圧下がり
昇圧剤UPすれば HRがタヒり
動かさなければ 痰が詰まってSPO2下がり。
消化管出血はフレッシュじゃない。
WBC33000超え CRP11超えだから
誤嚥性肺炎が直接のショックの原因だろう。
じゃあ、やんなきゃいけないのは…。
空が明るくなって HRもSPO2も 落ち着いてきた。
HR120台 BP80/台 SPO290~94%(5㍑)
まだまだ正常範囲じゃないけど
手の届くところに お父さんは 帰ってきた。
尿が300ml出た(まだIN OVERだけどね)。
上半身の小刻みな痙攣も治まった。
カルテ記載:「循環動態安定傾向みえる」
やった~~!!
うっすらと生気の戻ったお父さんの顔を眺めておもった。
誇りに賭けて戦ったのは
私じゃない。
お父さんが 父や夫の誇りを賭けて 神様と戦った。
それでいいや。
それが 私の仕事。
高校生・中学生のお子さんを抱え
バリバリ働き盛りの年に 突然 クモ膜下出血で倒れました。
範囲が広く 命を落とさなかったことが不思議なくらいのダメージでした。
第一発見者の息子君は すぐに救急車を呼ぶことが出来ずに
働いているお母さんが帰ってくるのを お父さんの傍で待ちました。
どんなに不安で 怖かったことでしょう。
お父さんは 全く意思疎通の出来ない
「横たわる人」に変わりました。
意思の存在さえも あるとは言えません。
息子君は あの時自分がすぐに救急車を呼んでいたら…と
大きくなった今 後悔の念に苛まれています。
お父さんの病室に入ることが出来ません。
向き合えないのです。
うちの病棟に預かって もう7年になります。
脳の表面が 半分溶けているような状況と
脳外科の医師から 説明がありました。
予備体力も無いので 何度も生死を彷徨いました。
(風邪を引いて 熱が出た)
(下痢をした)
(突然 痙攣を起こして 呼吸が止まった)
それでも 乗り越えて7年 ずっと同じベッドで横たわっています。
今回は 黒色の吐物を多量に嘔吐してから発熱、急激に血圧が下がりました。
ショック状態です。
全身にチアノーゼが出て 足底は紫色、SPO2は測れません。
気切部から 痰を吐き出す力も残っていませんでした。
血圧は昇圧剤を使っても 60/台。
酸素5リットルで SPO2=60~80%↑↓
HRは120~150、点滴のため タヒってます。
奥さんは 昼間仕事をしながら
2日間 病棟に泊まりました。
私が夜勤の昨晩、
「疲れちゃったから家で休んでくる。
お父さんは 死なないから大丈夫。
明日の朝来るから、今晩は よろしくお願い」
そう言いました。
笑顔だけど 目が笑ってない。
お願い の言葉が 重い。
…ええ~~い!
寿命を司る神様と 戦ってやろうじゃないの、看護婦の 誇りに賭けて!!
院長と連絡を取りながら できる事はみんなやった。
一晩の2/3は お父さんのベッドサイドに 居た。
昇圧剤調節しながら、クッション使って排痰促したり。
こういう状況では 動かせば血圧下がり
昇圧剤UPすれば HRがタヒり
動かさなければ 痰が詰まってSPO2下がり。
消化管出血はフレッシュじゃない。
WBC33000超え CRP11超えだから
誤嚥性肺炎が直接のショックの原因だろう。
じゃあ、やんなきゃいけないのは…。
空が明るくなって HRもSPO2も 落ち着いてきた。
HR120台 BP80/台 SPO290~94%(5㍑)
まだまだ正常範囲じゃないけど
手の届くところに お父さんは 帰ってきた。
尿が300ml出た(まだIN OVERだけどね)。
上半身の小刻みな痙攣も治まった。
カルテ記載:「循環動態安定傾向みえる」
やった~~!!
うっすらと生気の戻ったお父さんの顔を眺めておもった。
誇りに賭けて戦ったのは
私じゃない。
お父さんが 父や夫の誇りを賭けて 神様と戦った。
それでいいや。
それが 私の仕事。