**アカシアの木蔭で**

流れていく時間と逆らわずに流れていく自分を、ゆっくりペースで書いて行こうと思います

患者さんにフォローしてもらって・・・

2005年09月15日 | 病棟
連絡ミスが続いて 落ち込んでいた。
命にかかわるようなことではないけれど
患者さんを15分待たせてしまった。
たった15分、でも単調な自由の無い入院生活の中の15分は
とても長い。

出来れば顔を合わせたくないけれど
でも 逃げるわけにはいかない。
ごめんなさい を言いに行った。

「・・・待ってる時はいらいらしたけど 気にしないでよ。
 それより 今日は日勤?
 あんたの顔見ると ほっとするんだ。
 看護婦さんはみんな優しいけど、
 なんでだろうなあ、
 あんたが来てるって思うと ほっとするんだよなあ
 何でも言っていいって思って・・・」

患者さんに精一杯フォローされて 慰められて
こんなんでいいのだろうかと迷うけど
それでも 一日がんばるゾって思う。
例え病人でも 看護される側でも、
人生の大先輩たちであることに変わりはない。
時には甘えさせてもらって 感謝しつつ
自分の家族を看るように愛情をもって。
痴呆でもわがままでも 尊敬の気持ちは持ち続けなくては・・。 

プロムと花束

2005年09月15日 | 生活
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プロムと花束について 思い出を。

アメリカの高校生は卒業の頃に プロムと呼ばれるパーティーをします。
ドラマによく出てくる あれです。
日本では謝恩会なんて言うものがありますが、
規模と賭ける気持ちは 親も子もその100倍以上です。
友達の上の息子さんが おととし丁度高校卒業で
その実際を知ることが出来ました。

まずプロムはエスコートする相手を見つけることから始まります。
決して気軽な気持ちで選ぶのではなく 半年以上前からよく考えて約束するのです。
彼の成績はアメリカの上位5パーセントに入って 
クリントン元大統領のサイン入りの賞状をもらったほど頭の良い子なので
人気がありました。
お相手は スタイルよし・ルックスよし・性格よしのコーラスのソロシンガー。
なかなか良いスタート!!
それから 向こうのご両親と一緒に彼女のドレス選びに行きます。
( 女の子の親は ものすごく気合が入っています!ドレスにかけるお金だって半端じゃない!)
彼の母はおしゃれで一目置かれているので 
別の日にメイキャップの色や化粧品や髪型を決めに 二人に付き合いました。
その次に 女の子のドレスが映えるように自分のスーツやタイを決めます。
・・・これで終わり?いいえ、まだまだ!
次は 当日女の子に贈る花束の相談で、これは女の子抜きで選びます。
手に持つブーケと その中から一つ同じ花を自分の胸ポケット用に。
花は 品よく派出すぎず女の子に似合うものを。
当日迎えに行った時に ご両親の前で差し出すのですから 非常に気を使います。
彼は胡蝶蘭だけのシンプルな花束に 一輪の胡蝶蘭でブレスレットを作って贈ることにしました。
これは あちらのご両親にとても喜ばれたようです。

外見が決め終わると 次は中身(!)です。
エスコートの仕方、立ち方からパーティーでの女の子への気配り、写真の取り方・・・
女の子だって 立った時の手は胃のあたり心持ち高めに とか、
写真の時は体をやや斜めに とか、グラスの持ち方
ドレスを着ているときの車の降り方まで 細かく親に教わるのです。
「本人達はがんばっているんだけど 気負いが出ちゃってギクシャクしてるわね~」
それが 彼の母の感想デシタ。

最後に彼女を迎えに行く為のリムジンの予約です。
すごーい!私だって乗ったことないゾ!!
高いので 彼らは何組かの友達とシェアしたようです。

こんな苦労をして 当日送り出した友達は、
「 ああ これでアイツは親の手から離れていったんだわ 」って。
一緒に見送りながら 切なさと晴れがましさのお裾分けを頂いた一日でした。