永遠に描き続けてほしい漫画だったので、帯を見て完結と知り、少しショックでした。
しかし、読み終えたら、言葉にならないほど美しく楽しい名作でした。
全3巻で完結したことも含めて、私はこの漫画の総てが大好きです。
人生は凡庸(ぼんよう)だけど、それは退屈の同義語ではない。
平行世界では自分は違う人生を歩んでいるかもしれないし、容姿も性別も違うかもしれないし、初恋の相手も違う姿をしているかもしれない。
老いない人はいても、死なない人はいない。だから生きるということには掛け替えのない価値がある。
櫁野(しきみ野アパート)は幼い頃や子供の時に人の心に刻み込まれる原風景で、やがて大人になって足が遠のき、自分の知らない内に取り壊されるのかもしれない。プライバシーもなく騒がしい、そこでの暮らしをむしろトラウマだと称したモトミも、大人になった時にはその本当の価値を思い出すだろう。
一般的に「名作」と呼ばれる作品は全ての要素に意味があることを評価されるけど、この漫画は逆に大半のエピソードが「無意味」であることで名作となっている。
世の中は面白い漫画で溢れているので、私は今こうして生きていることが幸せでたまりません。
なんでオレはこんな恥ずかしいことを書かなきゃならないんですかっ!?(笑)
お薦め度:★★★★★
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【検索用】ACONY 冬目景 3
完結か…冬目先生の完結って久々では(汗
感激で恥ずかしいこともそりゃ書きますわなw
よーし、買いにに行くぞっと。
しきみ野アパートは永遠です!
この漫画が大好きだという気持ちを書こうとしたら、すげえ恥ずかしい記事になりましたよ(笑)
日課のように漫画が好きだと書き散らしているこのブログがそもそも恥ずかしい物なんです。
うん、白冬目炸裂ですね。
あの『羊のうた』の壮絶さとはまるっきり逆の、やわらかくあったかい感じにあふれた作品でしたね。
私は黒冬目をほとんど読んでいませんが、私にとって『ACONY』は世紀の名作です。
かつて人々がこぞってそこに住みたがり愛されていて、今は時代から取り残されたアパートが頑に「存在すること」をやめようとしないというのが良いんですよ。泣けます。
模型絵師を続けているモトミのじいちゃんも、迫害されてもたばこを吸い続けるお母さんも、人間ではあっても「しきみ野アパート」の一部なのでしょう。
今日また読み返したら、やはり名作でした。
ささやかなエコポイントを図書カードに替える予定なので、それが届いたら『イエスタデイをうたって』を買い揃えると思います。