アルバニトハルネ紀年図書館

アルバニトハルネ紀年図書館は、漫画を無限に所蔵できる夢の図書館です。司書のWrlzは切手収集が趣味です。

『セカンドマン』/横山光輝

2010-05-17 | 少年漫画
 
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太洋社のサイトを見たら、先月文庫で復刻されていました。
http://www.taiyosha.co.jp/bunko/c_index.html

小学生の時に児童館にあった『バビル2世』を夢中になって読み、横山光輝先生の漫画が大好きになりました。私が持っているのは小学生時代に少ないお小遣いで古書店で購入した、大都社STAR COMICS版です。昭和58年11月初版。執筆されたのは昭和49年。

緑の地球、美しい大海原、うちよせる波。いつも同じである大自然のすがた。しかし何かがちがう。
廃墟と化した研究所で、健児少年は第十八番冷凍ボックスから目覚める。わずか五十年の間に何がおこったのだと不思議がる、冬眠から目覚めた健児。彼は己の持つ超能力に悩み、父である所長に頼んで誰も自分を知らない未来に目覚めたいとねむっていた者だったのだ。

眠っている年数を表す掲示板の「200」という数値を見て、健児は自分は五十年ではなく二〇〇年間も眠り続けてしまったのだと知る。そこへ襲いかかるトカゲのばけ物。今でも使える超能力でトカゲを倒すが、歩いても歩いても人の姿はない。ようやく都市を見つけると、町の人々は話しかけても返事をせず、テレパシーを使うとだれも何も考えていない。
唖然とする健児に、A1(アタックワン)と呼ばれるロボットが彼を町から排除しようと襲いかかる。にげてもむだだ、たたかえと語りかける、どこからかのテレパシー。その声に導かれて、健児はにんしきバッジを持っておらず町に住めない、子供の生めない体になってしまった人々の暮らすすみ家へ案内される。ただ一人、子供を生める体であるユミとの出会い。二人をアダムとイブだと言う老人。

老人から聞かされる、二百年の間に人々が欲望で地球を破壊し、何十億という人間が死んだ戦争の歴史。人類のめつ亡をすくってくれと懇願される、健児とユミ。コンピュータに管理される町の、防ぎょ用ロボットであるA1、攻撃用ロボットであるメデュウサ。
二人に全てを託し、死ぬ覚悟で囮になる人々。健児とユミは町のコンピュータのプログラムを変える命令の入ったテープを見つけ、記おく室へ向かう。襲いかかるA1たちに抵抗して死んでいく人々。土壇場で記おく室への進路が断たれ、健児はユミに自分が超能力を持っていると打ち明け、精神を集中している間の攻撃を防いでくれと頼む。



健児とユミは記おく室に辿り着き、A1の攻撃をやめさせるテープをセットする。人間を受け入れるようになった町。しかしユミの祖父も他の人々も全てA1をひきつけるために死んでいた。
アダムとイブは不毛の地におわれたが、自分達には科学が残されていると、科学と自分達の力でもういちど人類を栄えさせようと健児はユミの手を取る。



お薦め度:★★★★☆
面白い、かっこいい。こんな単純なことに、これほどまでに価値があるのです。科学文明の負の面とか人類の愚かさなんていう難しいことは考えなくてよろしい。読んでいてワクワクできることが一番大切。再版された理由はただ一つ、「今読んでも面白いから」だ! 大人だけではなく今の小学生にも読んでほしい。
健児が『バビル2世』の浩一よりは孤独でない処も好きです。壊れたカプセルもあるけど、まだ眠っている人間もいる。

『鉄人28号』を持っていないので買いたくなりました。文庫ではなく完全版を。



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (存在しないIDです)
2010-05-17 20:15:57
おお、なんかディストピアだけど科学の夢がまだあった時代のビミョーに暗い未来って好きです。
面白そうですね!
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1974年 (Wrlz)
2010-05-17 21:16:00
>存在しないIDです 様

後で知ったんですが、これは私が生まれた年の『小学四年生』掲載作なんですよ。
「公害」が騒がれ始め、米ソの冷戦のさなかに科学と自分達の力で再生!というお話を描いてくれた横山光輝先生が大好きです。

最後に地球が爆発しちゃう『マーズ』も大好きです(笑)
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