アルバニトハルネ紀年図書館

アルバニトハルネ紀年図書館は、漫画を無限に所蔵できる夢の図書館です。司書のWrlzは切手収集が趣味です。

『花とゆめ』2010年20号

2010-09-18 | 少女漫画
 
にほんブログ村 漫画ブログへ


花とゆめCOMICSの新刊もかなり購入した週末です。オレはどこにも行かずに漫画を読んで過ごすのだ!


『天使1/2方程式』1時間目/日高万里
秋吉家シリーズの新作。別花で『お気に召すまま?』を読んですごく面白かったので期待していたんですが、初回はやや期待外れでした。
「くちびるが荒れる」という些末な悩みだけで延々と物語が続くのか?(笑)
ある意味、身近でリアルな悩みだけど、「漫画で美容講座」という内容に終始してしまうのは勘弁してほしい。


『モノクロ少年少女』#32/福山リョウコ
ケダ高祭2日目。お互いを嫌いだ大嫌いだと罵り合いをエスカレートさせてしまう右京と呉羽。すきな人とペアだなんて奇跡に等しいとリボンを開けていない蝶々。
間違えてマタタビ2倍のドリンクを飲んでしまった右京は、酔ってスリスリさせろと暴走し、呉羽は右京は誰にでもするんだと揺れ、すきか嫌いか言えという、今まで無かった選択を迫られる。
そして茅は、その答えは呉ちゃんの中にしかないからと、すくなくとも自分にだけは素直でいようと、呉羽に笑顔を取り戻させてくれる。
酔いつぶれて呉羽にすがるように問いかける右京と、顔を真っ赤にしながらきらいだと言い張ってしまう呉羽がすごくいい。そしてまた、はじめてがひとつ呉羽の心の中に灯り、眠ってしまった右京にかわいい言葉をつぶやく。


『神様はじめました』第50話/鈴木ジュリエッタ
神議り(かむはかり)を終え、帰省した奈々生。そしてKURAMAと巴衛の久しぶりのご登校。
しかし巴衛が好きだという揺るぎない想いを確信した奈々生は、海より深ーい借り(第4巻)があるケイに「合コン」へ連行されてしまう。人間をまだわかっていない巴衛と、16年間も人間界でもまれていたKURAMA、そして新しい御主人様ができて嬉しくてたまらない瑞希のいがみ合い。巴衛が、男の子と一緒にいた自分にイライラしてくれたのだと思い込みたい奈々生は巴衛の言葉を遮るが、巴衛は「イライラしているよ 俺は」と認めてくれる!

漫画感想系ブログでこの作品を大声で絶賛している同志は少ないんだけど、私は叫ぶ。これは名作だ!と。
またKURAMAの出番を増やしてあげて下さい。第7巻ももちろん買いました。


『俺様ティーチャー』第55回/椿いづみ
自分は無能で頼りにならないのかと乞うような泣き言を言う真冬に、わかりやすい乱暴な言葉を投げかけて安心させてくれる鷹臣くん。髪を結んでくれる鷹臣くんに「近い近い!!」と赤面してしまう真冬!
そして由井は、「山彦の術」に固執するが、風紀部の信頼も得られず、自分を好いている北条さんの想いにも気付けない。
「誰かを大事にしない奴は 誰にも大事にされないよ」。
ウサちゃんマンが自分のクラスから出てきた所を見てしまった早坂。正義。それが何なのかは若い時ほど分からず、大人になっても分からない。だから人は自分の信じるものを貫き通そうとするのだ。


『花と悪魔』Episode.55/音久無
完結まであと4回!
生きてはいるが引退した前魔王ルシフェル、現王モーリッツ、その現王から招待状を届けにきたギルベルト。
はなちゃんが自分のキスを拒んだことで落ち込んでしまうビビ!
恐がっていただけのはなちゃんをビビが学校まで車で迎えにきてくれて、あの人はお兄ちゃんではなく自分の恋人だと言い切ることができるはな。しかし、はなが3年間変わらず自分を待っていてくれただけで目が眩(くら)む程に幸せなビビと、ビビが恋人なんて夢みたいだというはなちゃんの想いはまたすれ違ってしまう。


『暁のヨナ』第23話「反響する恐怖」/草凪みずほ
自分の力を欲する者は敵だと、ヨナに剣を突き付ける青龍。呪いは事実だと拒絶する青龍に、あなたの手はとても温かかったと、強く優しく微笑みかけるヨナ。

「ともだちがほしい」という感情をずっと忘れていた孤独なアオ。しかしヨナは初めて会ったのに大切な人を暗い檻に置きざりにした気分になり、面を外した青龍は、息も止まる程の、美しい瞳(め)をしていた。
ハクとキジャの心がなぜ共鳴するのか、そこもまた楽しみです。


『星は歌う』第59回/高屋奈月
この回は読み手によって受け取り方が大きく二分されそうだ。しかし一貫して、また完結を間近に控えたこの時点でも読者を「甘やかさなかった」高屋奈月を私は支持する。
高屋奈月は主に少女達に向けて作品を描いている漫画家なのでやんわりと指摘しているが、千広の叔父夫婦と奏の言葉を言い換えれば、「不幸な自分に酔って、その『不幸』をまわりのせいにして甘えているクズ野郎(「クズ野郎」は奏が千広に向けながらも自分を形容した言葉)は軽蔑されて然り」という辛辣(しんらつ)な物だ。多かれ少なかれ10代の頃(=花とゆめの主たる読者層)というのは、「自分は不幸だ」と己の境遇に不満を抱くものだ。物語の結末では「救い」が用意されているのだろうが、「大人と"子ども"の違い」というのは「自分の現状を肯定できるか否定しかできないか」という違いだ(と私は思う)。
そしてユーリは、サクヤは切り捨てられるのではなく、「可哀相」でもないと指摘する。
この回が単行本に採録されて店頭に並ぶ頃、自分への同調が欲しくて漫画を手にした者は猛省を促されるかもしれない(昨日出た第9巻は第53話まで採録)。
しかしその時には、高屋奈月のベストセラー『フルーツバスケット』が何故「名作」と呼ばれるのか、その所以(ゆえん)を思い出してほしい。



『はじまりのにいな』/水森暦
新人さんの読み切り。読み始めてすぐ「前世」と「年の差」を組み合わせた漫画と思ってしまったけど、最後まで読んだらかなり良かった。
青八木新菜(あおやぎにいな)10歳の前世は、10年前に死んだ、伊丹篤朗(いたみあつろう)の恋人だった享年15の天宮千歳。「近所の子供」として篤朗と親しくなった新菜は、彼が亡くした恋人をどれほど愛していたか、空けた時に痛かったピアスはもう傷ではなくただそこにあいている穴だと聞かされる。傷ではないので自分には治せないと打ちひしがれて新菜は篤朗の前から逃げ出してしまうが、嘘がつけないことの大変さに苦しんでいたのは彼のほうだと知り、嘘もつけない彼がとてもいとおしいと、また片思いから始めようと、夕食のリクエストに「サンマ」が食べたいと答える。


『ネイビー☆NATS!』第5話/古都和子・榛乃綾子・羽村初
今回は軽い話で楽しめました。架空戦記や海洋ロマンではなく、艦長のすごさに七緒が感激し、同時に幽霊が苦手な艦長に乗組員が親近感を覚えることにより絆が深まるという、ゆるい展開のほうが楽しめそうです。


ふろくは新人さんの読み切り集。

岡田ハルキさんの作品が好きです。
面白かったのは『髪恋』(来海ユウ)と『先生のセンセイ』(ミドリノコ)。
自分を追い抜いていく義理のオトウトを拒絶してしまう想いが良い。生徒と先生の立場が逆転してしまう話も好きです。


神様、星歌、花と悪魔。


何かを読み忘れている気がすると思ったら、『月刊なかとば』(山口舞子)がお休みでした。あの3ページって意外と大きな存在です。


にほんブログ村 漫画ブログへにほんブログ村
にほんブログ村 トラコミュ 漫画、マンガ、まんが、コミックへ漫画、マンガ、まんが、コミック
にほんブログ村 トラコミュ 少女マンガへ少女マンガ

【検索用】花とゆめ 白泉社 201020

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。