アルバニトハルネ紀年図書館

アルバニトハルネ紀年図書館は、漫画を無限に所蔵できる夢の図書館です。司書のWrlzは切手収集が趣味です。

漫画雑誌と政党

2010-03-16 | 漫画・アニメ・ゲーム
 
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今から8年前、ある出版社のある人物が、同社で連載中の人気漫画家を引き連れて突然、新しい漫画雑誌を創刊したことがあった。その中には私の好きな漫画家もいたけれど、私はその新しく創刊された雑誌は創刊号すら買わなかった。その漫画家のコミックス(単行本)だけを購入し続けた。今もその雑誌は存続しているらしいけど、私は全く買う気がしない。本屋でもそんな雑誌は自分の視界に入ってこない。

もう少し分かりやすい例を挙げると、40年以上刊行され続けている『週刊少年ジャンプ』という誰でも知っている漫画雑誌がある。差別や性描写などの弊害を時には助長しながらも、数えきれないほどの名作を生み出し、秋本治の『こちら葛飾区亀有公園前派出所』はその中で30年以上も続いている人気作品だ。発行部数は減っても今でもジャンプはきちんと売れている(私は買っていないが)。
しかし、もしも仮に秋本治がジャンプを出ていって、突然創刊された新しい雑誌で『こち亀』の連載を継続することになったらその雑誌は売れるだろうか。私は売れるとは思わない。ほとんどのこち亀ファンは新雑誌を買わず、『こち亀』の単行本だけを買い続けるだろう。
『別冊 マーガレット』は45年以上刊行され続けているし、『花とゆめ』は35年以上刊行され続けている。どちらも歴史と伝統のある漫画雑誌だ。そして名作を生み出しているのはその歴史と伝統だ。

極論すると、「優れた漫画家が執筆しているから良い雑誌になる」のではなく、「良い雑誌だから優れた漫画作品が載る」のです。(なぜかここからですます調)。
別マに関しては買い始めて一年少しなので偉そうなことが言えないんですが、花とゆめ作品なら私は中学生の頃から読んでます。
そこには連綿と続いてきた、「花とゆめはこういう雑誌であるべき」という伝統があり、その歴史が「花とゆめCOMICS」というブランドに力を与えたわけです。
何故ほとんどの本屋のコミックコーナーでコミックスを「作家別」ではなく「レーベル別」に陳列しているかという、その理由がここにあります。

花とゆめの作家である高尾滋は私の大好きな漫画家です。彼女は白泉社からデビューしなくても偉大な漫画家になったと思いますし、彼女がどこの雑誌で執筆しようが私は高尾滋作品を買い続けます。しかし彼女は花とゆめでデビューして、連載が決まり、アテナを受賞して今の「高尾滋」になったのであり、別の出版社からデビューしていたら今とは違う評価の一流作家になっていたでしょう。それでも私はファンになっていたと思いますがそれはおいといて。
花とゆめの漫画賞(HMCやアテナ)の審査員は花とゆめに執筆している漫画家達(と編集長)です。花とゆめに描いている先輩の漫画家が新人の漫画家を批評し、花とゆめ作品を愛する読者が支持することによって作家が育つ。それが善くも悪くも「伝統」という物です。

つまり何が言いたいのかというと、「有能な人材を集めたからといって突然できた新党なんかオレは支持しないんだよ!」ということです(笑)

週刊少年ジャンプは言ってみれぱ漫画界の自民党です。部数(議席)は減って与党の座から引きずりおろされ赤字(国の借金)も累積したけれど、アメリカに隷従してまで日本の赤化を防ぎ、汚いカネが絡みながらも高速道路と鉄道を整備し、公害という痛みを伴いながらも高度成長をもたらした「実績」と、我々が子供時代に悪書と吊るし上げられもした漫画にあれほど夢中になって今でも読み続けていることには、等しい価値があるわけです。
だから実績のない政党は支持するに値しない。漫画雑誌だって何十本もヒット作を生み出してようやく安定して売れるようになるのだから。特定の出版社に属せずに描き続けることのできる作家は特別の才能のある者だけです。

漫画と政治は無関係なのは分かってます。たまには政治家の悪口を書かせて下さい(笑)


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Jing*3)
2010-03-16 18:38:21
あげく日本は"Banana Republic"になったらしいですからね…米政府高官によると。

こんな日本に誰がした!?
何が「非実在青少年の性行為およびそれを想起させる表現は…」だ!

すいません、熱くなってしまって。
ちなみに画像の雑誌の後継誌には私の好きな氷川へきる先生が連載しているので一時期買ってました。
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幸福か友愛とか (Wrlz)
2010-03-16 20:49:31
>Jing*3様

新党の話は潰れそうですね。
政権交代が起こって良かったなんて少しも思わない。民主も幸福もみんなも俺の中では同レベル。アカは共産党だけで充分、社民党の存在価値はゼロ。

『Gファンタジー』は買ったことあります。『ZERO-SUM』は一度も買ってません。
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なるほど (会長)
2010-03-17 01:32:57
例えに感心しました。

社民党や共産党の存在が許されだけでも、ありがたいと思ってほしいです。そっち方面の方々は。
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左翼アレルギー (Wrlz)
2010-03-17 09:35:50
>会長 (よく考えたら「会長」に「様」を付けるのは変ですね)

保守主義の私は意味不明な「変化」を好みません。
自治会が革マル派に牛耳られていた学校に通っていたのでサヨク拒絶症になりました(笑)

吸うのが当たり前だったたばこが「健康を害する絶対悪」と看做されるようになるのも「変化」ではなく「伝統の破壊」です。
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