『さよなら絶望先生』第二十集/久米田康治

　

実は僕、講談社の株主になったんですよ。
「『さよなら絶望先生』20集面白かったです」。
これからたまにこの一文が入りますが、あまり気にしないでください。

そんなわけで1000株以上持っていると株主優待というのが受けられるんです。どんな優待かというと、講談社の定期刊行物を一点、無料で送ってもらえるんです。背伸びした僕は高尚な文芸誌でも送ってもらおうと講談社のサイトをウィンドウズ95のパソコンで物色していたんですが、「どうせオマエが読むのはマンガだろう」と、週刊少年マガジンが毎週火曜日にメール便で送られてきます。
そうですね。僕にはマンガがお似合いです。もう開き直ってマンガが大好きだと公言してやろうと思います。
「オレ店員と友達だから一日早く入手できるぜ！」なんてレベルじゃありません。
「オレ株主だからタダで送られてくるんだぜ！」。
久米田先生は誰も止めてくれないからもう20集じゃないかとぼやいておられますが、株主である僕は言ってみれば彼の上官です。上官である僕が夏休みの終了を告げればこの連載は終わります。
※この漫画は糸色先生の生き意地の汚さをお楽しみいただく漫画です。
「『さよなら絶望先生』20集面白かったです」。
それにしても事件が風化した頃に単行本に採録されて、サーフボードと別荘のカギとストローで何をするつもりなんだと詰問される元アイドルも気の毒だと思うんですよね。アグネス教団が怖くて熟女に走る気持ちも分かりますが、もっと純粋な気持ちでAKB48の歌と踊りを楽しめばいいのにと僕は思います。
「『さよなら絶望先生』20集面白かったです」。
でも僕が一番面白いと思うのは『じょしらく』です。
じょしらくのコミック1巻はいつ出るのでしょうか？　僕は株主だからタダでもらえるんですよね？
「単行本は最寄りの書店でお取り寄せ下さい」。電話口でそう、冷たく言い放たれました。
一万円の時に買った株主も7円の時に買った株主も同格だと僕は思うのですが如何でしょう。

今度の株主総会で僕はこう発言してイニシアチブを発揮しようと思っています。
「二酸化炭素の25%削減などでは出版不況は乗り切れません。目指すは二酸化炭素100%根絶です！」。
自悶党の谷底総裁だけが賛同してくれました。「みんなで死のうぜ」と。

先日、人間ドックに行ったら70年後くらいに老衰が進行する可能性も否定できないと診断されました。僕の人生、あと70年あるかないか。生き意地の汚い僕には死刑宣告にも等しい言葉です。


お薦め度：★★★★☆
「『さよなら絶望先生』20集面白かったです」。




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