アルバニトハルネ紀年図書館

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『ザ花とゆめ』8/1増刊号

2009-07-02 | 少女漫画
 
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お目当ては鈴木ジュリエッタ『神様はじめました』の特別編。その他、巻頭の羅川真里茂『チムアポート』、ショートギャグの山口舞子『月刊なかとば』、磁ロックス『The Kilimanjaro City』。
それ以外は全部新人の作品。
860ページの内、実に700ページ近くが新人の作品か、受賞作、デビュー作。
単行本にいつ採録されるか分からない『神様はじめました』の特別編がなければ誰がこんな厚いだけで中味スカスカの雑誌に690円も出すもんか!(笑)

辛口ですが、読んでいて、途中で投げ出したくなる作品も何作かありました。全部読みましたけどね。今号は「特集メガネ男子」という物が組まれていて、5作品が「メガネ男子モノ」です。新人に対し「今回はメガネを描け」とテーマを与えてやるのはまあいいです。
椎名橙『不思議のマリア君』。シリーズ物と化し本誌にも何度か登場し、単行本が今月出ます。本誌に掲載されてきた『それでも世界は美しい』同様、楽しみなシリーズです。
ミユキ蜜蜂『姫君と三匹の獣』も3度目の登場で、8月に第1巻が出ます。確かに面白いし、読んでいて途中で飽きさせない。でもどちらもコミックス買うほどではないんですよね。もっと実力を付けてから単行本を出すべきだとは思います。白泉社はわりと新人を甘やかす傾向にあります。ミユキ蜜蜂は『執事様のお気に入り』の伊沢玲のアシスタントでもあったようです。絵柄が酷似しています。
そんな中、新人の作品で意外と楽しめたのが以下の物。

友藤結『子どもは大人の夢を見る』。デビュー作。なかなか良かったです。
天才少年の穂高(ほだか)、彼を子供扱いするハウスキーパーの弥々子(ややこ)、魅力的に描けてます。デビュー作でここまで描ける人はなかなかいないので楽しみです。穂高が発明品で一時だけ大人になるけど、やはり自分が弥々子に認めらもらえる大人になろうという、そして「子ジャリ」「子ジャリ」と呼びつつも弥々子も穂高を大切に想っている、そんな逆歳の差もの。

高橋ぽち『カシマシ』。中高一貫の女子校育ちの主人公のマイペースなキャラが活きてます。女子校育ちで男の子との接点のなかったいぶきが大学生に恋をする。女の子らしいキャラも演じられず、メールに絵文字も使えない主人公に好感が持てました。そして実はそんなマイペースないぶきをラーメン屋で時折見ていた小谷野さん。

桐谷実紀『メカクシ・モンタージュ』。扉カラー。特集メガネ男子の作品。この人は既に『プリ×プリ』全2巻が出ていて、まるっきりの新人というわけではありません。『プリ×プリ』を読んでいないのでなんとも言えませんが、この作品は良く描けてます。目つきが怖く、不良っぽい転校生のが実は優しい男だったという。メガネを効果的に作品に使ってます。

猪狩そよ子『嘘の境界』。実の妹に禁断の恋をしている律、その律に更に禁断の恋をしている菊池。BLっぽい要素もありますがセクシーに描けてます。

喜嶋ミドリ『たぬきの耳はひみつのはね』。人に化けられる狸と、その狸が恋した町医者の娘の間に出来た桃山かぐら。実は頭に木の葉を乗せると5分間、耳とヒゲが生えて獣並みのパワーが発動。

『チムアポート』は独特の世界観が気に入りましたが、分かりづらい面もありましたね。『しゃにむにGO』が完結して、これがシリーズ化されるのかと思われます。続きは描いてくれても描いてくれなくても構いません。こういうファンタジーは好きです。

肝心要の『神様はじめました』の特別編が期待以上に良かったので、結果的には満足です。
雑誌の表紙は奈々生と巴衛ですが、特別編に奈々生は出てきません。まだ社(やしろ)の土地神がミカゲだった頃のお話です。ミカゲが野狐だった巴衛を神使に迎えたのが「遠い昔」の話。どうやら土地神になると長い間そのままの姿で歳を取らないようです。…ってことは奈々生も長寿になっていずれ巴衛とくっつくのなか? 久しぶりにミカゲを訊ねてきた乙比古(おとひこ)は「100年振り位?」と言ってます。
人間は「弱い」から嫌いだと避けてきた巴衛に、ミカゲは逆に強くなれと言い聞かせる。「人の子に手をあげるような者を神使にするわけにはいかない」と。

そんなミカゲが何故社を捨ててしまったのか、どうやら本編ではまだ語られていない謎がかなりありそうです。


↓690円は高いよ(笑)
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