吟行

宿場町面影遠き北千住

細道の出立の地は雨しきり

退職者めげず集いし給料日

　富翁

吟行

秋雨や矢立初の碑三百年

銀杏の葉はらり一枚大黒天

秋鯖に一番絞りうれし泣き

　富翁

吟行

細道の奥に鎮座す大黒天

不信心木々から雨が降り注ぐ

北千住昔懐かしモツ煮込み

つねお

吟行

同好が秋に集まる矢立かな

見学を出来なくさせた野分かな

街道に家そのままに秋の雨

先輩

千三句集（１５７）

どんぐりの茶は秋の色そこかしこ
　富翁

千三句集（１５６）

老骨に風の冷たき夕べかな
　富翁

九月も深まり

鳴く蝉が　いつしか消えて　青い柿
雲高し　涼しい空に　刷毛で拭く

お金（席題）

猫小判猫の世界がうらやまし
　富翁

お金 (席題)

有りません とにかく喘いで 句を作る
いつの間に プロレタリア ああ無情
金塊を 掴んで喚く 悪夢かな
金無くも 夢は夜に 開きます
間違えた 夢は老いても 開きます
(ナハハ)
安楽

お金（席題）

採集に残すお金は電車賃

見せ金を妻から借りて財布入れ

つねお

仕事

仕事なしストレスもなし金もなし

生きがいと信じているのは自分だけ

仕事ははたを楽させ金稼ぐ

つねお

千三句集（１５５）

秋の蝶ひとりぼっちでさみしそう
　富翁

自然の優しさ

連休も今ははやりの半返し

つねお

暦は語る

自然にも意地があるのか秋日和

先輩

千三句集（１５４）

老残の日々うつろいて秋の風
　富翁