「・・・・ともかく俳句は古人の句を数多くよめばしだいにうまくなる。よんでもわからねえ句は致しかたないとして『ああうまい』と思ったらそれを書きぬき、その書きぬいた句がすこしずつ千句もたまっていけばおのずとうまくなる。我流の手習いは上達が困難なものだ。――はじめはよくわからなくても、なんでもかまわず読むほうがいい。『朝顔につるべとられて』や『井の端の桜あやふし』などは最初は感心していてもしだいにそうでなくなる。我流は、そうとうな所までいった者でもなおへんにかたまりやすい。『春雨や枕くづるる謡本』(支考)<枕本>という名の本もあり、これァうまい句だ。しかし支考は芭蕉が死んでからはまずくなった」
「露伴の俳話」高木卓 講談社学術文庫 1990年
富翁
「露伴の俳話」高木卓 講談社学術文庫 1990年
富翁
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