ウィステリア家具工房 ブログ

東京都あきる野市にて無垢材で家具を作っているウィステリア家具工房。仕事や趣味、日常の事を写真を添えて書き綴っています。

反り止め

2016-11-16 11:07:30 | 家具製作
木工関係の方にしか興味の無い話題だとは思いますが、以前製作した天板と引き出し前板の反り止め方法のご紹介。

お客様や木工教室の生徒さんによくお話しするのですが、 偏に 反る と書いて 『板』 と言う ように板は必ず反るのです。 なので その対策が必要。

端バメや吸付き桟等の古来からある加工法をよく使いますが、デザインや機能の関係で裏面をフラットにしたい場合は金属の金物を掘り込み入れることもあります。

既製品でちょうど長穴が開いたコの字アングルと言う鉄の製品が売っているのでこれを使ってます。長穴なので反りを止めると共に伸縮にも対応してくれ、必要な長さに切断すればすぐに使えるので便利に活用させてもらってます。
厚さ3mmの鉄をコの字形に曲げているので剛性があり反り止め効果もバッチリ、下手な人が吸付き桟や送り蟻を作って取り付けるよりもこっちの方が確実だと私は思ってます。

「ネジ・釘を使わないのが本来の木工だ」と言う人もいますが、そこまで“木以外の物”を毛嫌いしなくても・・・(笑)

木と鉄は強度の違いや錆の問題があり、間違った使い方をすると故障の原因になったり目覚ましく耐久性を落とす事もありますが、特性や経年変化を予測して使えばクウォリティを落とさず価格を下げ、新しいデザインにも挑戦できるのではないでしょうか。



完全に裏側に隠れてしまう時はクリアのラッカーを吹き付けてコーティングしてから取り付け。 切断面のメッキがない部分や傷からサビが入るのを防ぐためです。



裏側でも見える場合は茶色に塗装します。



無垢材は伸縮し反るから加工が大変、でも吸湿効果と共にあり、これこそが無垢の温かさでもあるので仕方のない事。

お客様にデザインや予算等々で選択肢を多数用意しお選び頂ける柔軟性が当工房の取り得だと思ってますので、良いと思えることはどんどん取り入れて行きたいと思っています。

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