椅子の修理

先日持ち込まれた椅子の修理。


パイン材で出来たシンプルな小椅子です。製造から20～30年は経っているらしいのですが、ほぼ全てのダボが緩んでガタガタ。座れません。
そして、後脚の上部のダボ穴が割れています。（白いのはガムテープ跡）　


もうこうなっては修理不能。いくら強力な接着剤で着けても加重が掛かれば1発で折れること間違いなし。
1番安価に済むのは後脚を切ってスツールとして使う案をオススメしましたが、ちょっと値段は掛かるけど後脚の作り直しを依頼されました。

まずは外れる部分全てのパーツを外してクリーニング、そして後脚を採寸して同じパーツを旋盤で削り出し製作。ダボ穴を開けて着色しウレタン塗装。

上が古い脚で下がコピーした物。色も寸法もピッタリ！！　プロの技（笑）


外れる全てのダボを抜き新品を入れエポキシ樹脂接着剤をたっぷり塗って組み立てます。新品の90％程度の強度はあると思いますが、どう考えても基本設計に無理があります。普通に使えばまた笠木の部分が壊れるでしょうね。
お客様には「優しく座って」とよ～～く説明致しました。