野生生物を調査研究する会活動記録

特定非営利活動法人 野生生物を調査研究する会の会員による活動記録です。

武庫川の魚2

2018-12-22 | フィールドガイド--魚編--
武庫川の魚 Vol.2
<ウグイ>
コイ科ウグイ亜科ウグイ属
全長30㎝
河川の上流域から河口域に消息しています。主に淵の底にすんでいますが、平瀬で群れを作ってエサを捕食することも多いようです。
雑食性で付着藻類・水生昆虫・小魚・魚卵や時には魚などの死骸にも集まって食べます。
産卵場は瀬で、毎年ほぼ場所が決まっているようです。武庫川では、河川改修などによりかなり減ってきている魚です。
<ウナギ>
ウナギ科ウナギ属
全長100㎝
主に河川の中・下流域~河口域に消息しています。日中は穴や泥底の中に潜んでいて、夜になると小魚・エビ・水生昆虫類などを食べています。
南方の海の産卵場で卵からふ化すると、まず木の葉のような葉形幼生になり、次にウナギの型になるシラスウナギになり河口付近にあらわれます。
しかし、日本で成長したウナギが産卵場に帰っているかどうかは、はっきりとはわかっていません。武庫川では全般的に見られ、岸辺の石の間などにいます。
<カワヒガイ>
コイ科ヒガイ亜科ヒガイ属
全長13㎝
河川の中・下流域にある流れがおだやかな砂や小石まじりの川底を生息場所とし、岩や沈水植物などのすきまにひそんでいます。卵は淡水二枚貝に産み付けます。
<ギンブナ>
コイ科コイ亜科フナ属
全長25㎝
河川の下流域にある淀みや支流の合流している所に生息しています。
底生動物や藻類などを食べる雑食性で、場所によっては動物性プランクトンなども食べます。
4~5月に大雨で増水したあと、水草が茂っている浅い所に集まって水草の葉や茎などに卵を産み付けます。
<ゲンゴロウブナ>
コイ科コイ亜科フナ属
全長40㎝
琵琶湖原産の魚でしたが、放流され自然繁殖するようになり、どこにでも見られるようになりました。
河川の下流域の淀みに生息し、植物性プランクトンなどの微少な生物をえらの内側で集めて食べます。
4~6月の雨で増水した時に、水草や浮遊物などに産卵します。
<コイ>
コイ科コイ亜科コイ属
全長60㎝
河川の中・下流域から汽水域の流れがおだやかな淵や落ち込みの砂泥底に多く生息しています。
雑食性で主に、ユスリカ幼虫・イトミミズ・ゴカイ類などの底生動物・モノアラガイ・タニシ・カワニナ・シジミなどの貝類や付着藻類・水草なども食べます。
深い淀みに多数集まって越冬します。まれに100㎝を超える大きいものもいます。
武庫川の魚は 1993年7月に当会で出版した 『生きている武庫川「魚類編」』をもとにCD-ROM化したものです。