Natural Mystic ~ナチュラルミスティック~

There's a natural mystic blowing through the air

ウシノクソ

2008-12-14 20:09:08 | Weblog
今日は『忠臣蔵』の吉良邸討ち入りの日らしい。『天声人語』には一人が四十七人をやっつけるなら面白い話だが一人の老人を若い四十七人でやっつけて何が楽しいのだ...。と言った評が書かれていた。なるほどそう考えるとゴレンジャーもゴーオンジャーも正義の名の下のアンフェアかも知れない...。

難しい話はともかく、日本の伝統ある復讐劇におとぎ話とはいえ正義の味方に『牛糞』が登場する話があるのをご存じだろうか...。

先日、朝食をとっていると4歳の双子の長男がこういった。

「12日の土曜日に保育園で劇遊びをやるんだよ。ぼくはね子ガニをやるんだよ。
見に来てね...。」

そう言うと突然ヤツは、

「ぐふっ、はははは...。」

と笑い出した。

なぜ笑っているのかと思うと次男はこういった。

「おれはね、ウシノクソをやるんだよ!」

食事中と嫁がたしなめるのであるからやはりあの『牛の糞』なのであろう。思いついてこういった。

「『さるかに合戦』やるのか?」

その通りだったらしい。

子ガニとウシノクソ、どちらにしてもわき役だが劇を終えた後、各自役と氏名をいうとのことだったのでちょっとした指導をし、当日を迎えた。



保育園のステージのある部屋にはいつものように所狭しとホームビデオとデジカメを構えた親が座っていた。

肝心の『さるかに合戦』はやはりおままごと、先生に誘導されてのもので途中で客席の母親のところに行ってしまう子供、ストーリーとは全く関係なくステージ上を徘徊する子供、ひたすら泣き叫ぶ子供といつもの光景であったが卒なく終わった。

そして、終わった後の自己紹介の場面である。回ってきたマイクに向かって自作の黄色いかぶり物を頭に付けた次男は指導した通りに大声でこう言い放った。

「ウシノクソをやったキムチ次男(仮名)です!」

当然のように会場は大爆笑の渦に陥った。


【自作のウシノクソ・左には得体の知れないハエのようなものまで描かれている】

ちなみに長男の子ガニはセリフはあったが他にも沢山いて劇中ではいわゆるその他大勢であった。それにしてもなぜ次男はウシノクソをやったのか聞いてみるとあっさりこういった。

「誰もやらないしね...。先生に頼まれたしね...。面白そうだから...。」

...なるほど、確かに面白そうな役である。


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4 コメント

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語りますよ~ (shachi)
2008-12-16 14:54:51
実は私の卒業研究のテーマが『猿蟹合戦の伝承と伝播』でした。
五大昔話の一つであるにもかかわらず、
登場するモノが人によっていろいろだという
ゆるゆるさが気になり、研究してました。
、と話すとみなさん最初は「おもしろそう」と食いついてくれるのですが
そのうちだんだんひいていきます。

ちなみに一説によると、農村地域で伝わった『さるかに』は牛の糞、
漁村地域だとそれが昆布だったりするとか。
・・・あ。キムチさんがひいていく・・・・


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キムチ次男くん、最高! (ゆっぴー)
2008-12-19 22:10:49
この昔話についての研究会ってのに参加(聴衆として)したことがあります。

このような昔話って、創られた背景やら人物構成の倫理観がどうのこうのと論ぜられるようです。

私は単純なので、お話しは、お話しとして楽しめばいいじゃん!
と思っていたのですが、専門家は、ほっとけないようです!!

そんなことから考えて、キムチ次男くんの役は、最高!とお褒めください。
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shachiさん (キムチ)
2008-12-20 23:45:20
これに限らず昔話ってざらに本流とは違うモノがある気がします。

チビどもが好きな力太郎や垢太郎ってのはやはり似ていますし...。


実は私も学生のとき一般教養で亜流の話を聞かされました。ご存じかも知れませんが敵討ちした蟹達が逮捕されて死刑になるという続編?も存在します。

まあ、それはそれで良いと思いますが(笑)

ひいてないのでご安心下さい(爆)
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ゆっぴーさん (キムチ)
2008-12-20 23:59:52
ありがとうございます。次男を褒めておきました(苦笑)

でも、各地を旅していて思うことですが公園や登下校時に見る子供の遊び方ってやはり地域性がありますよ。じゃっんけん自体がかけ声が全く違うというのには面白いモノがあります。ですから当然民話も似たり寄ったり何でしょうね...。

私もまあ、それはそれで楽しめればいいと思っています。

...このように当ブログは暇に任せて綴って3年半以上になります。よろしければ今後とも覗いてやって下さい(爆)
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